筆者が貯金3000万円を構築したのは丁度30歳になった時です。
現在は35歳で8000万円ほどの資産を形成することができています。
運が良いことに駐在を20代のうちに複数年経験させて頂いたのと、投資していた銘柄が運良く上昇したので達成することができました。
しかし、まだまだ安心することはできません。
筆者は1980年代生まれということもあり、比較的労働意欲は低く早く楽に暮らしたいという気持ちを持っています。
最近、世界的な潮流となっているFIREという考え方を社会人1年目から既に志すというダメ人間です。
あくまでお金を稼ぐために働くという生き方は選択肢の一つとして捉えて、趣味に没頭する人生こそ満ち足りた人生であると考えています。
最低でも1億円を構築して資本収益を得て好きな仕事をするためにセミリタイアするという目標を立てた場合も道半ばという水準です。
2億円を構築してリタイアするという選択肢をとるという目標を考えると第一歩を踏み出したにすぎません。
本日は3000万円という金額を題材に以下の点を中心にお伝えしていきたいと思います。
今回のポイント
- 3000万円で何年暮らすことができるのか?
- セミリタイアやリタイアするためには、どのような目標を設定すればよいのか?
- 筆者が8000万円まで金融資産を増やした方法とは?
貯金3000万円あったら働かずに何年暮らせる?セミリタイアは可能?
まずは3000万円あれば働かずに何年暮らせるのかを見積もっていきましょう。以下は勤労世帯の最新の家計収支です。
消費支出の309,469円を分解すると以下となります。
項目 | 支出 |
食料(25.40%) | 78,605 |
住居(6.40%) | 19,806 |
水道・光熱(6.90%) | 21,353 |
家具・家事用品(4.10%) | 12,688 |
被服費(3.40%) | 10,522 |
保険医療(4.20%) | 12,998 |
交通・通信(16.00%) | 49,515 |
教育(6.20%) | 19,187 |
教養娯楽(8.90%) | 27,543 |
その他の消費支出(18.50%) | 57,252 |
明らかに上記の赤字の部分については物足りないですよね。都市部で家族で賃貸して、子供を塾に通わせる場合を考えると以下が現実的な金額ではないでしょうか。
更に、非消費支出は税金等ですので働かない場合は月1万円程度の健康保険力と国民年金1.6万円を加味して2.6万円と仮定します。
項目 | 支出 |
食料(25.40%) | 78,605 |
住居(6.40%) | 150,000 |
水道・光熱(6.90%) | 21,353 |
家具・家事用品(4.10%) | 12,688 |
被服費(3.40%) | 10,522 |
保険医療(4.20%) | 12,998 |
交通・通信(16.00%) | 49,515 |
教育(6.20%) | 50,000 |
教養娯楽(8.90%) | 50,000 |
その他の消費支出(18.50%) | 57,252 |
合計 | 518,933円 |
都市部の子育て世帯の方からすると上記の数値はかなり現実的な数値なのではないでしょうか。
上記は月額なので年額620万円となります。3000万円という資産では働かない場合、5年間しか暮らすことはできません。
3000万円という資産を構築している人の割合とは?30代、40代、50代の平均貯金額は?
3000万円という資産を構築した方は自分が日本の中で、どの立ち位置なのか気になった方もいらっしゃると思います。
以下は野村総研がまとめている各世帯の純金融資産保有額をピラミッド型に分布したものです。
野村総合研究所によると3000万円以上の資産を有す世帯をアッパーマス層という区分に分類しています。頭一つ抜け出したという水準ですね。
上位20%に入ったことを意味します。また次の準富裕層といわれる5000万円までもあと2000万円と十分射程圏内に捉えた位置になります。
3000万円貯めてたとしても上位20%なので結構日本はお金持ちの国ということが分かりますね。
年代別で少し見てみましょう。これは以下の調査による数字です。
【調査概要】 調査対象者 :全国 / 男女 / 20~69歳 調査条件 :就業する社会人 経営者・役員・会社員・フリーランス自営・アルバイト・パート含む 調査期間 :2022年4月6日~4月11日 サンプル数 :741人 |
平均額で30代は1000万円ちょっと、40代で1100万円と30代と変わらないのは印象的です。50代は1622万円となっています。
基本的に、平均的な貯蓄をしていればそれなりに、年金制度の崩壊がなければという条件付きですが、老後は安泰と言えるのが今の日本なのではないでしょうか。
30代で3000万円の貯金があるということは、相当資産形成に成功しているとも言えることがよく分かりましたね。
金融資産3000万円以上の人達の日常とは?
金融資産3000万円以上の日常について気になっている方もいらっしゃると思います。
筆者は30歳になる頃には駐在の経験もあり金融資産3000万円以上を達成していました。かなり運がよかったと思います。
では生活はどうだったかというと、正直言って何も変わりませんでした。
筆者は早く2億円以上を達成してリタイアしたいと考えていますし、無駄遣いをすることはないので1Kの10万円の部屋に住み続けました。
現在の妻とのデートも普通のカップルと同じレベルの店で、特段高価なプレゼントなどもしていません。
全く豊かになったとは考えておらず、ようやく纏まったタネ銭ができたというのが正直な感覚でした。
資産3000万円を超えると複利効果を実感しやすいからです。1000万円を10%で運用しても100万円ですが、3000万円を10%で運用したら300万円ですからね。
おそらく2億円達成してリタイアすると今度は更に保守的になると思います。その頃には家族もいますしね。
結論としては5億を超える超富裕層にならない限りは奔放に遊ぶことはできないだろうと考えています。
セミリタイアやリタイアのために目指すべき目標とは?
では、3000万円という資産を構築したあとに具体的にどのような目標を立てるべきでしょうか?
セミリタイアする場合は最低でも1億円を目指そう!
セミリタイアとは早期退職をして不定期の仕事などで収入を得ながら生活するスタイルです。
今まで年収1000万円を稼いでいたかたが、自分の好きな仕事をして年収300万円を稼ぐといったスタイルも含まれます。
結論から申しますと、当然各世帯の生活スタイルや家族構成によっても異なります。
しかし、1億円あればセミリタイアに現実味が増してきます。
1億円あれば高配当利回りの銘柄に投資をすることで4%から5%の利回りを期待することができます。
つまり税後で320万円から400万円といった水準ですね。先ほど、年間必要経費を620万円と見積もりましたので不足分を稼げばよいということになります。
完全リタイアする場合は最低でも2億円を目指そう!
2億円の資産があれば状況が一変します。
4%から5%の高配当利回りの銘柄に分散投資することで税後で640万円から800万円を手にすることができます。
また、25年以上配当金を増額している米国の配当貴族銘柄に投資をすることで継続的に配当金増額を狙うことができます。
配当貴族は2%-3%の配当利回りなので、2億円でも若干少ない気がしますが2億円構築時に老後に突入していたら十分可能です。
関連:貯金1億円を安全運用し資産2億円を築きリタイアを目指す投資ポートフォリオとは?預け先としてどこが適当なのか?
狙うべき運用利回りは7%〜10%
手元にある運用利回りを各%で回した場合の資産の推移は以下のようになります。
3% 運用 |
5% 運用 |
7% 運用 |
10% 運用 |
|
現在 | 3000 | 3000 | 3000 | 3000 |
1年目 | 3090 | 3150 | 3210 | 3300 |
2年目 | 3183 | 3308 | 3435 | 3630 |
3年目 | 3278 | 3473 | 3675 | 3993 |
4年目 | 3377 | 3647 | 3932 | 4392 |
5年目 | 3478 | 3829 | 4208 | 4832 |
6年目 | 3582 | 4020 | 4502 | 5315 |
7年目 | 3690 | 4221 | 4817 | 5846 |
8年目 | 3800 | 4432 | 5155 | 6431 |
9年目 | 3914 | 4654 | 5515 | 7074 |
10年目 | 4032 | 4887 | 5901 | 7781 |
11年目 | 4153 | 5131 | 6315 | 8559 |
12年目 | 4277 | 5388 | 6757 | 9415 |
13年目 | 4406 | 5657 | 7230 | 10357 |
14年目 | 4538 | 5940 | 7736 | 11392 |
15年目 | 4674 | 6237 | 8277 | 12532 |
16年目 | 4814 | 6549 | 8856 | 13785 |
17年目 | 4959 | 6876 | 9476 | 15163 |
18年目 | 5107 | 7220 | 10140 | 16680 |
19年目 | 5261 | 7581 | 10850 | 18348 |
20年目 | 5418 | 7960 | 11609 | 20182 |
最初に10%までの運用利回りを20年間続けた場合の資産推移を見てみましょう。
10%で回せば20年後には2億円
7%で回せば20年後には1.1億円
5%で回せば20年後には8,000万円
3%で回せば20年後には5,000万円
となります。
ちなみに最初20%で20年回した場合も想定したのですが、11.5億円というとんでもない数値になりましたので、見にくくなりすぎるので省きました。
そもそも年率20%というと投資の神様であるウォーレンバフェットの利回りですので参考になりませんね。
いずれにせよ、複利の効果の偉大さがわかると思います。アインシュタインが人類最大の発明は複利であるといったのも頷けます。
また複利の偉大さが分かる事例としてウォーレン・バフェット氏御年88歳の資産の99%以上は60歳以降に形成されたものであるというデータもあり、
時間というのは爆発的なお金に変わるということを指し示しています。
上記の考察からも分かる通り、7%で回しつづければ、20年後に1億円に丁度到達することができます。
今回は1億円を定年時点で到達する為に、7%~10%の運用利回りを目指す手法について紹介していきたいと思います。
更に当然追加で投資元本を増やしていくことが可能なので10年以内に1億円を達成することも十分可能です。実際、筆者も3000万円達成から5年で8000万円となっていますからね。
自分で運用すべき?プロに委託すべき?
まず自分で運用すべきか、プロに委託すべきかを考える必要があります。
当然自分で7%以上の利回りをだす自信があるのであれば手数料がかからないので自分で運用することをおすすめします。
ただし、特に投資の経験がない方が自分でいきなり投資を行い、例えば10%株価が値下りした場合、一挙に300万円の損失を被ることになります。
私も大学時代バイトでためた200万円もを元手に株式投資サークルで投資を始めた時、ビギナーズラックもなく20万円の損失を抱えた時は、相当メンタルに来ました。
当時家庭教師のバイト、80時間分ですからね。
投資経験がなく、尚且つサラリーマンを行いながらというのであれば、時間も十分でもありません。
損失を蒙った時の心理的苦痛を耐えるのは難しく損切りができないまま傷口が広がります。
専業でなおかつ投資に関する知識と経験に余程自信がないのであればプロに預けるのが妥当な選択肢となるでしょう。
→ 個別株投資は難しい!?悲惨な結果でもうダメとならないために!株式投資において儲かる可能性が高い「必勝法」を理論的に模索する!
どこに委託するべきか?
プロに委託する際にどこに委託するべきでしょうか?
まず真っ先に考えるのは投資信託でしょう。然し投資信託は以下の点で委託先として適当ではありません。
・本物のプロとはいえないサラリーマン投資家による運用
・どの分野、商品に投資するか結局投資判断を迫られる
・資産価格下落してもほぼ一定の徴収される手数料
・インデックスに連動しないパッシブ運用型投資信託
何よりも大きいのはやはり、運用成績の悪さですね。
金融庁の長官ですら自国の投資信託の質の悪さに苦言を呈していて、投資先として認められる投資信託は1%しか存在しないと辛辣な評価を下しています。
→ 投資信託で大損するリスクは把握できているか?手数料よりも深刻なパフォーマンス(利回り)の悪さに焦点。〜投信営業マンの嘘を暴く〜
また、投資信託の魅力の一つである敷居の低さ、という点についても3,000万円の元手がある場合には全く魅力として生きてきません。
投資信託は1万円からスタートできるということで小口の投資家に人気がありますが、1,000万円を越える資金からスタートする場合には、より内容の良い投資サービスが存在します。
ラップ口座、ヘッジファンドという選択肢
投資信託以外の委託先としては、証券会社が推しているラップ口座や、私募の投資ファンドであるヘッジファンドが考えられます。
ラップ口座というのは、300万円以上の資金から始められるサービスで、証券会社に運用を丸投げし、手数料を払って運用を委託するものです。
→ 【ファンドラップとは?】あまりにもひどいと評判?大手金融機関が本腰で乗り出している商品のリターンや手数料を比較
メリットとして放置できる楽さが挙げられます。
しかし、こちらも投資信託と同様、実際にポートフォリオを組んで運用してくれる人がただの証券会社勤務のサラリーマンです。運用の成績は期待できません。
さて、次にヘッジファンドという選択肢ですが、結論としては私は一番良い委託先だと考えています。
投資信託やラップ口座に比べてヘッジファンドが優れている点は、以下の通りです。
・市場の環境を言い訳にしない絶対利益追求型の投資手法
・ファンドマネージャーやセールス等、ファンドを販売している人々も自己資金を投じている場合が多く、投資家と運用者の目線が一致
実際、ヘッジファンドは世界の株式市場が下落する際もミニマイズしたり、逆にリターンを獲得しながら以下の通り全世界株を大幅に上回るリターンをあげています。
ヘッジファンドの場合、問題点として敷居が高く初期投資に1,000万円以上の資金が必要になる点が挙げられます。
しかし、3,000万円を元手に考えている場合はここは問題無くクリアできます。(→ ヘッジファンドとは?)
実際私が投資しているBMキャピタルでは運用開始の2013年以降一度も下落することなく、さらにTOPIXを上回る成績を安定的に出し続けています。
BMキャピタルはアクティビスト型のバリュー株投資を精密に実践しています。アクティビストとは「物言う株主」ということです。
投資した銘柄の大株主として株式価値を引き上げる提案を行い経営陣に実行させて能動的に株主価値を引き上げる活動をおこなっています。
バリュー株投資の守りとアクティビストとしての攻めの組み合わせでBMキャピタルは平均して10%以上の安定した利回りを上げ続けています。
以下は概要です。詳しい内容はファンドに資料請求するか、面談を申し込み質問するなどして疑問点を解消すると良いかと思います。
やはり大切な資金ですし、額も大きいので、安かろう悪かろうの商品ではなく上質な投資先に預け入れることが大切です。
>>更に詳しくBMキャピタルについて知りたい方はこちらから。
3000万円のおすすめ資産運用法
ここから、資産3000万円を7%で回すための手法についてリスク選好度合にわけて考えてみましょう。
リスク回避的な場合
投資例:1500万円を運用利回り10%以上が見込めるヘッジファンドに投資し、残り1500万円は現金で保有する。
3000万円全額は投資に回すのは怖いので1500万円のみヘッジファンドへの投資に回して、1500万円は預金として残します。
正直、私自身預金は全くお金が増えず、インフレ発生した場合に価値が逓減していくのでおすすめは出来ませんが、これでも7%はなんとか届きます。
1500万円預けたヘッジファンドが15%程度の利回りが見込めますので、225万円になります。
これによって7.5%を達成することが出来ます。
分散投資が必要なのではないかという議論もありますが、ヘッジファンド自体が分散投資をしておりますので、これ以上の分散投資は必要ではないと考えます。
どうしても一社だと不安な場合におすすめするのは、ひふみ投信等の独立系の投資信託です。
これらの独立系投資信託は、普通の投資信託と違い優秀なファンドマネージャーの独自の運用により比較的良い運用利回りをあげております。
運用手法が下落しないことに重点を置いた場合、私のおすすめするヘッジファンドの運用手法がアクティビスト型のバリュー株投資ということもあり、
安定した資産運用を目指す場合は、こちらの比重を大きくすることをおすすめします。
一方、独立型の投資信託では成長株投資の側面が強い為、2017年のように株式市場が堅調に推移する場合は、
華やかな成績を残しますが株式市場が不調な時はマイナスの運用利回りとなることを覚悟する必要があります。
リスク選好的な場合
次にリスク選好的な場合ですが、以下をおすすめします。
投資例:2000万円をヘッジファンド、残りの1000万円を独立系の投資信託
2000万円で10~15%の利回りを確保し、独立系の投資信託で市況がいい時は20%から30%を目指す投資手法です。
欠点としては市況自体が悪い時には独立系投資信託分は▲10%~▲20%は覚悟しないといけない点です。
この場合の利回りは以下になります。
ヘッジファンド 2000万×15%=300万
独立系投資信託 1000万×25%=250万
計550万
運用利回り18%不況の場合:
ヘッジファンド2000万×15%=300万
独立系投資信託1000万×▲15%=150万
計150万
運用利回り5%
主軸はヘッジファンドで安定的に稼ぎながら、更にアップサイドも狙っていくという手法です。
ヘッジファンドへの投資方法と、おすすめ投資ファンドランキング
今回、ヘッジファンドを主軸に置く運用方針を紹介してきましたが、ヘッジファンドは証券会社等で購入することができないので、自ら問い合わせすることで投資の相談をする必要があります。
ヘッジファンドの担当者に会った際には、以下のような点を聞いてみると良いでしょう。
直接会うことができないファンドは詐欺ファンドである可能性がありますので気をつけて下さい。
・ファンドマネージャーがどのような人なのか
・投資手法を確りとしたものなのか
・過去からの運用実績は安定しているのか
・最低投資金額はいくらなのか
直接会ってみて、ファンドマネージャーが優秀で、確りとした理論に則た投資を行い、過去から安定した実績を出し続けているファンドであれば、投資を検討してみることをおすすめします。