資産運用をしていて常々感じるのは、本当に、時間というのはお金なんだなということです。
投資を行うことで、逆説的ではありますが、人生という限りある時間を少しでも実りあるものにしようと強く思うようになりました。
時間の価値を感じるためにも、投資でお金を増やすことはやはり大切なのです。
と横道にそれるのはこれくらいにして今回は3000万円のおすすめ資産運用法について取り上げていきます。
筆者が資産3000万円に到達したのは30歳前なのですが、3000万円という資産があれば資産運用の選択肢が広がっていきます。
既にアッパーマス層に到達している皆さんに向けて、お伝えしていきたいと思います。
3000万円という資産を構築していることの価値
3000万円。地道にサラリーマンを行いながら貯蓄しようとすると非常に長い時間がかかります。
毎年100万円貯蓄すると30年
毎年200万円貯蓄すると15年
毎年300万円貯蓄すると10年
という歳月が必要になります。
普通のサラリーマンをしながらという観点からすると、40代から50代になって漸く蓄えられる金額だと思います。
因みに以下の日本の家計の資産分布をご覧ください。
野村総合研究所によると3000万円以上の資産を有す世帯をアッパーマス層という区分に分類しています。頭一つ抜け出したという水準ですね。
上位20%に入ったことを意味します。また次の準富裕層といわれる5000万円までもあと2000万円と十分射程圏内に捉えた位置になります。
3000万円貯めてたとしても上位20%って、結構日本てお金持ちの国なんですね。
狙うべき運用利回りは7%〜10%
手元にある運用利回りを各%で回した場合の資産の推移は以下のようになります。
3% 運用 |
5% 運用 |
7% 運用 |
10% 運用 |
|
現在 | 3000 | 3000 | 3000 | 3000 |
1年目 | 3090 | 3150 | 3210 | 3300 |
2年目 | 3183 | 3308 | 3435 | 3630 |
3年目 | 3278 | 3473 | 3675 | 3993 |
4年目 | 3377 | 3647 | 3932 | 4392 |
5年目 | 3478 | 3829 | 4208 | 4832 |
6年目 | 3582 | 4020 | 4502 | 5315 |
7年目 | 3690 | 4221 | 4817 | 5846 |
8年目 | 3800 | 4432 | 5155 | 6431 |
9年目 | 3914 | 4654 | 5515 | 7074 |
10年目 | 4032 | 4887 | 5901 | 7781 |
11年目 | 4153 | 5131 | 6315 | 8559 |
12年目 | 4277 | 5388 | 6757 | 9415 |
13年目 | 4406 | 5657 | 7230 | 10357 |
14年目 | 4538 | 5940 | 7736 | 11392 |
15年目 | 4674 | 6237 | 8277 | 12532 |
16年目 | 4814 | 6549 | 8856 | 13785 |
17年目 | 4959 | 6876 | 9476 | 15163 |
18年目 | 5107 | 7220 | 10140 | 16680 |
19年目 | 5261 | 7581 | 10850 | 18348 |
20年目 | 5418 | 7960 | 11609 | 20182 |
最初に10%までの運用利回りを20年間続けた場合の資産推移を見てみましょう。
10%で回せば20年後には2億円
7%で回せば20年後には1.1億円
5%で回せば20年後には8,000万円
3%で回せば20年後には5,000万円
となります。
ちなみに最初20%で20年回した場合も想定したのですが、11.5億円というとんでもない数値になりましたので、見にくくなりすぎるので省きました。
そもそも年率20%というと投資の神様であるウォーレンバフェットの利回りですので参考になりませんね。
いずれにせよ、複利の効果の偉大さがわかると思います。アインシュタインが人類最大の発明は複利であるといったのも頷けます。
また複利の偉大さが分かる事例としてウォーレン・バフェット氏御年88歳の資産の99%以上は60歳以降に形成されたものであるというデータもあり、
時間というのは爆発的なお金に変わるということを指し示しています。
上記の考察からも分かる通り、7%で回しつづければ、20年後に1億円に丁度到達することができます。
今回は1億円を定年時点で到達する為に、7%~10%の運用利回りを目指す手法について紹介していきたいと思います。
自分で運用すべき?プロに委託すべき?
まず自分で運用すべきか、プロに委託すべきかを考える必要があります。
当然自分で7%以上の利回りをだす自信があるのであれば手数料がかからないので自分で運用することをおすすめします。
ただし、特に投資の経験がない方が自分でいきなり投資を行い、例えば10%株価が値下りした場合、一挙に300万円の損失を被ることになります。
私も大学時代バイトでためた200万円もを元手に株式投資サークルで投資を始めた時、ビギナーズラックもなく20万円の損失を抱えた時は、相当メンタルに来ました。
当時家庭教師のバイト、80時間分ですからね。
投資経験がなく、尚且つサラリーマンを行いながらというのであれば、時間も十分ではないですし、損失を蒙った時の心理的苦痛を耐えるのは難しく損切りができないまま傷口が広がります。
専業でなおかつ投資に関する知識と経験に余程自信がないのであればプロに預けるのが妥当な選択肢となるでしょう。
どこに委託するべきか?
プロに委託する際にどこに委託するべきでしょうか?
まず真っ先に考えるのは投資信託でしょう。然し投資信託は以下の点で委託先として適当ではありません。
・本物のプロとはいえないサラリーマン投資家による運用
・どの分野、商品に投資するか結局投資判断を迫られる
・資産価格下落してもほぼ一定の徴収される手数料
・インデックスに連動しないパッシブ運用型投資信託
何よりも大きいのはやはり、運用成績の悪さですね。
金融庁の長官ですら自国の投資信託の質の悪さに苦言を呈していて、投資先として認められる投資信託は1%しか存在しないと辛辣な評価を下しています。
→ 投資信託で大損するリスクは把握できているか?手数料よりも深刻なパフォーマンス(利回り)の悪さに焦点。〜投信営業マンの嘘を暴く〜
また、投資信託の魅力の一つである敷居の低さ、という点についても3,000万円の元手がある場合には全く魅力として生きてきません。
投資信託は1万円からスタートできるということで小口の投資家に人気がありますが、1,000万円を越える資金からスタートする場合には、より内容の良い投資サービスが存在します。
ラップ口座、ヘッジファンドという選択肢
投資信託以外の委託先としては、証券会社が推しているラップ口座や、私募の投資ファンドであるヘッジファンドが考えられます。
ラップ口座というのは、300万円以上の資金から始められるサービスで、証券会社に運用を丸投げし、手数料を払って運用を委託するものです。
メリットとして放置できる楽さが挙げられますが、こちらも投資信託と同様、実際にポートフォリオを組んで運用してくれる人がただの証券会社勤務のサラリーマンではありますので、運用の成績は期待できません。
さて、次にヘッジファンドという選択肢ですが、結論としては私は一番良い委託先だと考えています。投資信託やラップ口座に比べてヘッジファンドが優れている点は、以下の通りです。
・市場の環境を言い訳にしない絶対利益追求型の投資手法
・ファンドマネージャーやセールス等、ファンドを販売している人々も自己資金を投じている場合が多く、投資家と運用者の目線が一致
ヘッジファンドの場合、問題点として敷居が高く初期投資に1,000万円以上の資金が必要になる点が挙げられますが、3,000万円を元手に考えている場合はここは問題無くクリアできます。(→ ヘッジファンドとは?)
実際私が投資しているBMキャピタルでは運用開始の2013年以降一度も下落することなく、さらにTOPIXを上回る成績を安定的に出し続けています。
BMキャピタルのように長期的に投資をすることにより大きな資産形成を行うことができるファンドも確かに存在しているのです。
やはり大切な資金ですし、額も大きいので、安かろう悪かろうの商品ではなく上質な投資先に預け入れることが大切です。
3000万円のおすすめ資産運用法
ここから、資産3000万円を7%で回すための手法についてリスク選好度合にわけて考えてみましょう。
リスク回避的な場合
投資例:1500万円を運用利回り10%以上が見込めるヘッジファンドに投資し、残り1500万円は現金で保有する。
3000万円全額は投資に回すのは怖いので1500万円のみヘッジファンドへの投資に回して、1500万円は預金として残します。
正直、私自身預金は全くお金が増えず、インフレ発生した場合に価値が逓減していくのでおすすめは出来ませんが、これでも7%はなんとか届きます。
1500万円預けたヘッジファンドが15%程度の利回りが見込めますので、225万円になります。
これによって7.5%を達成することが出来ます。
分散投資が必要なのではないかという議論もありますが、ヘッジファンド自体が分散投資をしておりますので、これ以上の分散投資は必要ではないと考えます。
どうしても一社だと不安な場合におすすめするのは、ひふみ投信等の独立系の投資信託です。
これらの独立系投資信託は、普通の投資信託と違い優秀なファンドマネージャーの独自の運用により比較的良い運用利回りをあげております。
運用手法が下落しないことに重点を置いた場合、私のおすすめするヘッジファンドの運用手法がアクティビスト型のバリュー株投資ということもあり、
安定した資産運用を目指す場合は、こちらの比重を大きくすることをおすすめします。
一方、独立型の投資信託では成長株投資の側面が強い為、2017年のように株式市場が堅調に推移する場合は、
華やかな成績を残しますが株式市場が不調な時はマイナスの運用利回りとなることを覚悟する必要があります。
リスク選好的な場合
次にリスク選好的な場合ですが、以下をおすすめします。
投資例:2000万円をヘッジファンド、残りの1000万円を独立系の投資信託
2000万円で10~15%の利回りを確保し、独立系の投資信託で市況がいい時は20%から30%を目指す投資手法です。
欠点としては市況自体が悪い時には独立系投資信託分は▲10%~▲20%は覚悟しないといけない点です。
この場合の利回りは以下になります。
ヘッジファンド 2000万×15%=300万
独立系投資信託 1000万×25%=250万
計550万
運用利回り18%不況の場合:
ヘッジファンド2000万×15%=300万
独立系投資信託1000万×▲15%=150万
計150万
運用利回り5%
主軸はヘッジファンドで安定的に稼ぎながら、更にアップサイドも狙っていくという手法です。
ヘッジファンドへの投資方法と、おすすめ投資ファンドランキング
今回、ヘッジファンドを主軸に置く運用方針を紹介してきましたが、ヘッジファンドは証券会社等で購入することができないので、自ら問い合わせすることで投資の相談をする必要があります。
ヘッジファンドの担当者に会った際には、以下のような点を聞いてみると良いでしょう。
直接会うことができないファンドは詐欺ファンドである可能性がありますので気をつけて下さい。
・ファンドマネージャーがどのような人なのか
・投資手法を確りとしたものなのか
・過去からの運用実績は安定しているのか
・最低投資金額はいくらなのか
直接会ってみて、ファンドマネージャーが優秀で、確りとした理論に則た投資を行い、過去から安定した実績を出し続けているファンドであれば、投資を検討してみることをおすすめします。