今回は私の投資の軸を形成しているヘッジファンドへの投資について、ヘッジファンドとはそもそも何なのか、何が優れているのか、そしてどのようなファンドがおすすめなのかという点を含めて記載していきます。
日本にも以下のように優良なヘッジファンドが存在しています。
・運用開始以降9年間一貫してプラスのリターンを継続
・2016年、2018年、2020年の下落相場でも一度のマイナスを出さずに運用
・2022年以降はバリュー株投資の本格的なターンが到来で期待
結論としては、数々の暴落を乗り切ってきている運用の安定性ぶりから、BMキャピタルがぶっちぎりです。
本日は日本の優良ファンドランキングを紹介した後に、そもそもヘッジファンドとは何者なのか?
投資方法や注意点も含めて細かく解説していきたいと思います。
また、同じくファンドという意味では、日本では投資信託の人気が高いですが、私は運用先として投資信託は非常に問題があると思っています。
その点についても詳しく触れていきます。
まずは管理人が実際に投資しているファンドも含め、長期的に安定的な資産形成に向いているファンドをランキング形式にして纏めておりますので以下参考にしてみて下さい。
基本的には年間で10%以上の利回りが期待できること、市況が下落したとしても確実に収益をあげる安定性があること、
そして今後10年20年と預け入れるに値するだけの充分な将来性が見込まれること、が順位付けの基準となっています。
第1位:BM Capital
総合 96点 |
下落耐性が強く収益性も10%程度で安定しており長期的に大きな資産を形成するのに非常に適したファンド。 |
収益性 95点 |
手数料後最終成績で年間10%近い利回りを継続的に出しており、収益性としては申し分ないレベルにあると言える。 |
安定性 97点 |
本格的なバリュー投資を実践し市場暴落局面でも無傷で乗り切っており、安定性は非常に高い。2018年度もTOPIXが▲17.9%と落ち込むなか下落しなかった。コロナショックもTOPIXが▲30%下落するなか無傷で運用。2021年を終えてプラスリターンを継続。 |
将来性 96点 |
東大卒外資系金融出身のエリートファンドマネージャーによって運用されており非常に期待できる。 |
東京大学時代の株式投資サークルで非常に高い利回りを上げ続けた先輩が外資系金融機関での経験を経て立ち上げたファンド。
運営メンバーも東大卒、京大卒の一流外資証券、外資コンサルティングファーム、総合商社出身者が集います。
管理人のポートフォリオにおいても主軸をなしています。
上記でも説明したアクティビスト型のバリュー株投資を精密に実践しています。アクティビストとは「物言う株主」ということです。
投資した銘柄の大株主として株式価値を引き上げる提案を行い経営陣に実行させて能動的に株主価値を引き上げる活動をおこなっています。
バリュー株投資の守りとアクティビストとしての攻めの組み合わせでBMキャピタルは平均して10%以上の安定した利回りを上げ続けています。
特に着目すべき点は下落耐性の高さで運用期間中以下5回の市場暴落局面もプラスのリターンを確保しています。特に大きい下落は以下です。
2015年〜2016年:チャイナショック、原油急落ショック(TOPIX(※)は約21%下落)
2018年:世界同時株安の連発(TOPIXは約18%下落)
2020年:コロナショック(TOPIXは約30%下落)
2021年:後半からの調整相場(TOPIXは15%下落)
以下は筆者が運用を任している期間のTOPIXの動きですが、赤丸の通り幾度もの調整または暴落を経験しています。
幾度もの暴落をBMキャピタルは元本を毀損することなく下落せず運用しています。幾度の暴落を耐えきっている下落耐性の強さは本物といって差し支えないでしょう。
ちなみにBMキャピタルを立ち上げる前のファンドマネージャーの個人成績としてはリーマンショックでもプラスのリターンをだしており、10年以上にわたり確立された手法で投資を行なっています。
特に現在は日本株が大幅に割安となっているということもあり、大きな利益を上げるチャンスであるといえるでしょう。
最低投資金額は1000万円です。
しかし、運用に満足した場合の増資を前提として1000万円以下の金額でも受け入れているためまずは直接問い合わせることをおすすめします。
第2位:オリエント・マネジメント
総合 86点 |
投資先は新興国の雄である中国。ファンドマネージャーは中国市場に直接アクセスできる香港とシンガポールでリアルタイムに情報を得て銘柄を厳選している。 |
収益性 90点 |
中国はまさにバブル前の日本の状態。10年間株価は停滞しておりかなり割安水準となっており今後株価の急騰が見込まれる。 |
安定性 70点 |
新興国投資なので当然価格の変動幅は大きくなっている。ミドルリスクハイリターンの投資先といえる。 |
将来性 85点 |
成長力は依然として新興国最高水準。ハイテク産業も興隆し2028年には米国を抜いて世界第1位の経済大国となることが見込まれている。 |
オリエント・マネジメントは中国という王道ともいえる新興国に投資を行っているヘッジファンドです。
中国は2009年に日本をGDPで抜き去り世界第2位の経済大国になった後も6%以上の高成長を継続し既に日本の3倍の経済成長率となっています。
2028年には中国は米国を抜き世界最大の経済大国になることが見込まれています。
近年ではハイテク産業が大きく成長し、研究開発費では米国に比肩し特許申請数は世界ぶっちぎりの1位となっています。
企業の収益も右肩あがりで成長しているにも関わらず、2010年代を通じて株価が軟調に推移したことで投資妙味が高まり続けています。
中国は2022年から他の国が金融引き締めに走る中、金融緩和を行っておりチャンスが拡大しています。
オリエントマネジメントは香港とシンガポールに拠点を置くファンドマネージャーがリアルな中国情勢を元に銘柄を厳選して投資しており、期待が持てるファンドとなっています。2021年の10月-12月の3ヶ月だけで5.8%のリターンをだしており(年率25%)、手腕を示しており筆者も期待しているファンドとなっています。
第3位:ストラテジックキャピタル
総合 73点 |
村上キャピタルの創業者の1人が立ち上げたアクティビストファンド。毎年のリターンが安定していないのが難点。 |
収益性 80点 |
収益性は平均すると10%程度ではあり十分。 |
安定性 70点 |
平均して10%程度ではあるが、年度ベースで大きなマイナスを被る時もありリターンが不安定。 |
将来性 70点 |
将来性がある銘柄に投資をしているわけではないのでそこまで高くはない。 |
ストラテジックキャピタルは日本における「物言う株主」の先駆けとして名を馳せた村上ファンドの創業に携わった丸木強氏が運用するアクティビストファンドです。
株主から集めた資金や銀行からの借り入れで集めた資金を効率よく活用しているのかという観点にたって株主提案を行い能動的に企業価値を高める努力をしています。
しかし、あまり実行に移させている提案はすくなくBMキャピタルに比べて実行力が弱いという印象があります。
リターンも平均すると10%程度ではあるのですが、その殆どを2019年の相場で生み出しており、それ以外の年度は殆どトントンとなっています。
2018年のような相場時代が悪い局面では20%近い暴落を被っており、ヘッジファンドであるにも関わらず市場の影響を大きく受けるポイントがマイナス点といえるでしょう。
第4位:Ocean Bridge
総合 78点 |
BMキャピタルと同じく中小型株のバリュー株投資を実践している。実績が乏しい点が難点。 |
収益性 80点 |
下落耐性が低い割安株を狙っているが設定来のリターンはBMキャピタルに比べると低い水準。 |
安定性 70点 |
コロナショックやリーマンショックのような暴落局面では少なからずダメージを受ける可能性がある。 |
将来性 85点 |
オックスフォード大学出身のファンドマネージャーによって運営されており今後が期待される。 |
Ocean BridgeはBM CAPITALと同様に日本株のバリュー株投資を堅実に行なっているファンドです。投資対象としては時価総額500億円以下の企業としています。
ファンドマネージャーはオックスフォード大学卒をはじめとしたプロフェッショナル集団である点も評価されます。
ただ、BMキャピタルの方がコロナショックのような危機発生時に上手く対応できているかは疑念が残ります。若いファンドですので今後に注目していきたいと思います。
第5位:レオスキャピタル(ひふみ投信)
総合 72点 |
「ひふみ投信」を運用している独立系ファンド。2010年代前半は堅調であったが、近年は暴落相場で不調となっている。 |
収益性 80点 |
相場が好調の時は高い成績を残す傾向にある。景気に影響されTOPIXと同様の動きをするようになっている。 |
安定性 50点 |
度々訪れる暴落局面ではダメージを受ける大型銘柄中心の運用となっている。 |
将来性 70点 |
ファンドマネージャーの藤野英人さんの手腕に期待。 |
ひふみ投信は2010年から2017年の株式市場までは高い成績を残していました。ファンドマネージャーの藤野英人氏が得意としているのは小型株バリュー投資でした。
しかし、人気を博した結果、ファンドの規模が大きくなってしまい大型株への投資に切り替えました。
そのため、近年はTOPIXや日経平均と似た動きをする傾向が強く(βが1に近い)、株価暴落時の下落耐性が弱くなっている点が懸念されます。(実際コロナショックでも暴落しています)
この3年でみると日経平均にすら劣った成績になってしまっています。
青:ひふみ投信
赤:日経平均株価
今後の手法の転換に期待したいところです。
第6位:セゾン資産形成の達人ファンド
セゾン投信はヘッジファンドではないのですが、販売から運用まで一括してセゾン投信がおこなっており独立系投資信託というヘッジファンドと近しい形式をとっております。
世界の時価総額に応じて投資を行っており、世界経済の成長を享受できるファンドとなっており長期投資に適したファンドとなっています。
リーマンショックのような危機発生時に大きく基準価格が下落するリスクには注意を払いたいですが、長期的にみると資産形成には資するファンドと言えるでしょう。
第8位:ダブル・ブレイン
ダブルブレインは野村アセットマネジメントが組成していますが、実際に運用しているのは英国のヘッジファンドであるマングループです。
ヘッジファンドが用いる2つの戦略を用いて運用して下落を抑制してはいますが、肝心のリターンが低いという欠点があります。
債券のようなリターンでも問題なければ、選択肢としてはありかと思います。
エクシア合同会社(旧エクシアジャパン)は魅力的?
BMキャピタルと比べて最近EXIA(旧エクシアジャパン)はどうですか?という質問を受けます。そのため、私の考えを述べておきたいと思います。(あくまで筆者の個人的所感です)
結論から申し上げると私はEXIAには投資を行っていません。
理由としては同社がFXを利用して運用しているからです。元々総合商社の為替トレーダーの経験があるのですが、基本的に為替で高いリターンを出し続けるのは難しいです。
更に最近は出金ができないという騒ぎに発展しており、正直言って投資をするのは危険だと筆者は考えています。
株式投資に関しては理論的な価格を算出できますし、全体として資本主義が芽吹いていこう株式市場は右肩あがりで成長してきています。
そのため、投資先を間違わなければ投資成果があがることが期待できますが、FXは上がるか下がるかのゼロサムゲームです。
投資というより投機に近いもので、投機であるFXで有利な主体は情報が集まる銀行や巨大な資金を取り扱う世界のヘッジファンドです。
それ以外の主体で定常的に勝ち続けるのは難しいと身を持って体験してきました。
そして為替取引は負けるときは大きな損失を負ってしまいます。
仮に本当にエクシアジャパンがブログで書かれているように月利3%の収益をだしていたとしても、将来の安定性が懐疑的なため投資は控えています。
ヘッジファンドってそもそも何者?
それでは、ヘッジファンドという投資先について詳しく見ていきましょう。
最初に日本のおすすめファンドについてお伝えしてきましたが、そもそもヘッジファンドとは何者なのでしょうか。
「ヘッジファンド」とは投資信託のような証券会社経由で公募している形態ではなく、個別に投資を募っている私募ファンドのことを指します。
上の図からも分かる通り、日本では2000年頃から運用総額が徐々に伸びていき、現在では公募ファンド。
つまり投資信託の半分ほどの運用額となっています。
ちなみに、投資の神様ウォーレン・バフェット氏が経営しているバークシャー・ハサウェイ社も今では上場しておりますが、
設立当初は私募で資金を集め投資により株主に投資収益を還元する構造でしたので、広義のヘッジファンドの括りに入るものでした。
ヘッジファンドの歴史
最初にヘッジファンドといわれるものを生み出したのはA.W.ジョーンズ氏と一般的に言われています。
一方、バフェット氏はベンジャミン・グレアムとジェリー・ニューマンによって富裕層から集めた資金を元に運用したグレアム=ニューマン・パートナーシップを初期のヘッジファンドであると言及しています。
ベンジャミン・グレアム氏はバフェット氏の師であり、このブログで言及しているバリュー株投資の父としても名高い投資家です。
左がグレアム氏で右がバフェット氏です。元々ヘッジファンドというのは、欧米の富裕層の資産をインフレや戦争等の危機から守り次世代に継承していく為の、
守りの資産運用手段として用いられてきました。
ヘッジをする、というのは危険を回避する意味であり、金融的な危機から資産を守るというのが元々の意味です。
(因みに語源となるヘッジ(生け垣)とは以下のような家を守る為に富裕層が設置している緩衝剤としての木々のことです)
その後、ジョージ・ソロスやジュリア・ロバートソン、現在最大の資産規模を誇るレイ・ダリオと様々なヘッジファンドマネージャーが、金融業界を賑わしてきました。
時代を超えて一貫しているのは、どのような相場環境であっても収益獲得を目指す絶対収益追求型であるということと、
ファンダメンタルからみて割安なものを買い、割高なものを売るというグレアム氏の源流に通ずる投資手法です。
ヘッジファンドは怪しい?
投資にあまり馴染みのない方は特にヘッジファンドときくと得体のしれない、怪しいものだと思われている方が多いと思います。
また記憶に新しいところでいうと、村上ファンド事件を思い出す方もいらっしゃるでしょう。
これは大々的にニュースで取り上げられた為、日本ではファンドと言うと悪いイメージが先行しがちです。
しかしながら、これは世界的にみると非常にユニークな状態です。
海外においてはヘッジファンドと言えば富裕層のみが利用可能な極めて魅力的な投資先という認識が一般的です。
アメリカでは富裕層は勿論のことハーバード大学の年金運用や、有名なカリフォルニア州職員退職年金基金(通称:CalPERS)等の超一流の公的な運用機関も、
ヘッジファンドを起用するなど、投資先の一つとして人気のあるものとなっています。
投資信託とヘッジファンドの違いは?
ヘッジファンドと似て非なるものに投資信託があります。
両者の違いは、私募で集客をするか公募で集客をするか、というところにあります。
投資信託というのは、アセットマネジメント会社という、金融商品を組成することを専門に行う会社が作っています。
これらを、野村証券や大和証券と言った証券会社が販売しています。これを「公募」と言います。
一方のヘッジファンドは主に人づてに、口コミをベースに広がっていきます。これを「私募」と言います。
投資信託の問題点1:選択の難しさ
皆さんは、いま日本に投資信託が何本存在するかご存知でしょうか?
その数は、なんと5,000本以上の投資信託が存在するのです。日本には、上場企業の数以上の投資信託が存在するということになります。
そのため、自分で投資をしようにも、まず「どの投資信託に預ければいいか」を迷うこととなります。
投資信託に投資する為には、まず、どの分野のどの商品に関する投資信託を買うかを考えなければいけません。
先進国なのか新興国なのか、またどこの国がいいのか、そして債権なのか株式なのか、リートなのか、為替ヘッジは行うのか行わないのか、と考えだしたらきりがないほどたくさんのパターンがあります。
このように、投資を他人に任せる為に個人が自ら投資判断を下さないといけないというのが投資信託の特徴です。
また投資信託のファンドマネージャーは、この決められた枠つまり目論見書で定めた範囲内でしか取引が出来ません。
その為、例えば中国株連動ファンドに投資していて、中国株の市況が不調であれば、このファンドの成績が悪くても文句をいうことはできません。
つまり、プロに委託しているように見えて、実のところ自分で投資を行っているのと同じなのです。
結局、投資信託を選ぶのと個別の銘柄(株式等)を選ぶのとでは、同じくらいの難しさがあるということです。
投資信託の問題点2:利回り
日本の投資信託の質については、金融庁の森長官から以下のような発言がでています。
「日本で売られている公募株式投信は5406本ありますが、そのうちインデックス型株式投信は381本です。これから、複利の利益が得られない毎月分配型の投信、レバレッジのかかった投信、信託期間が短く長期投資を前提としていない投信を除き、ノーロードで信託報酬が一定率以下のものに限ると、積立NISAの対象として残ったものは50本弱でした。」
金融庁の長官をして自国の投資商品としての投資信託の中で、まともなものは1%程度であると言わしめるほど、質が低い金融商品となってしまっているのです。
また、実際に以下のような比較データもでております。
アメリカの売れ筋の投資信託の運用成績が平均で5.2%あるにも関わらず、日本の売れ筋の投資信託の運用成績は▲0.11%となっています。
また別の調査では日本の投資信託の90%以上は運用成績がマイナスとなっており、投資をすれば殆どの確率で負けるという状況となっています。
これだけ投資信託が人気をはくしていながら、その商品のレベルはと言うと非常に低い。
これは日本人の金融に対するリテラシーの低さも要因の一つではありますが、やはり国単位でみても非常に深刻な問題であると言えます。
投資信託の手数料
さて、上の日米の比較表で、運用成績と共に気になるのが日本の投資信託の手数料の高さです。
販売手数料は販売した時に預入資産に対してとる手数料のことを指し、信託手数料は預入資産に対して毎年発生する手数料を指します。
米国の販売手数料は0.6%、信託手数料は0.3%なのに対し、日本の販売手数料は3.2%、信託手数料は1.5%と非常に高くなっています。
運用収益と合わせて考えると同じ時期に米国と日本の投資信託に1000万円を預けた場合、米国の投資信託では1270万円となるのに対し、日本の投資信託では887万に減少してしまいます。
何故このような状況になっているかというと、日本の投資信託が完全に手数料ビジネスになってしまっているからです。
その為、難しそうでキャッチーな投資商品を組成して、高い手数料を設定した投資信託があらゆるところで率先して販売されています。
日経平均連動型といったようなインデックス型の投資信託より、米国リートブラジルレアル建投資信託といったようなファンドの方が高い手数料が取れます。
その為、このような複雑な手数料の高い投信が銀行の窓口やネット証券を通して積極的に販売されています。
そもそもこの手数料形態は非常に本質から離れたものです。
例えば信託手数料が3%の場合、運用利回りが+10%であっても▲10%であっても手数料は左程変わりません。
例えば、1000万円を預けた場合、以下のようになります。
- +10%の場合:資産総額は1100万円となり信託手数料は33万円
- ▲10%の場合:資産総額は900万円となり信託手数料は29万円
つまり、20%もの運用利回りの差があるにも関わらず、手数料は4万円しか変わらないという事態になります。
然し▲10%の場合でも、キャッチーな投資信託を設定でき、2000万円を投資家から集めた場合、手数料は58万円となります。
つまり運用成績を上げるよりも、手数料が高い投資信託を設定し、多くの資産を投資家から集めることに重点が置かれた営業活動が行われているという状況となっているのです。
投資信託のファンドマネージャー
投資信託は信託会社に新卒から入った所謂サラリーマンファンドマネージャーにより運用されています。
そもそも投資信託では投資する国や商品が予め定められている為、ファンドマネージャーが腕を振るえるのは設定された範囲の中のみで、辣腕を振るう範囲が限定されています。
この為、腕に自信のあるファンドマネージャーは独立系の投資信託を立ち上げるか、ヘッジファンドのマネージャーとして独立していきます。
当然サラリーマンなので給料はある程度、限定されており運用成績によって給料が変化せず、モチベーションという観点からも低いことが想定されます。
対象となるインデックスの連動率
投資信託の中には日経平均連動型やオイル価格連動型の投資信託が存在しています。
これらの投資信託は日経平均等のインデックスに連動することを目標としているのですが、私や両親の友人の経験上連動率が低いです。
私の場合ですとオイルの代表的な指標が2015年に30ドルをつけた時に流石に安いとWTI連動型の投資信託を購入しました。
その後、45ドルまで上昇したので、私の投資信託は1.5倍の価値にならないといけないのですが、1.3倍以下にしかなっていませんでした。
母の場合は日経平均が17000円の時に日経平均連動型の投資信託を購入し、最近23000円になったので売却したのですが、
日経平均株価が35%上昇しているにも関わらず20%未満の上昇にとどまりました。
私は証券会社に問い合わせたのですが、解約や新規の組み換え時に組み換えコストが発生するので、必ずしも連動するわけでは御座いません。
との回答が返ってきました。それにしても連動率があまりにも酷く納得のいく回答とはいえませんでしたが、それ以降このようなインデックス連動型の投資信託の購入も控えています。
投資信託総括
以上の点から、現在の日本の投資信託は手数料型ビジネスとなってしまっており、真に顧客目線にたち安定した運用利回りを目指していく投資商品になっていないことが明らかとなったと思います。
にも関わらず日本では投資信託人気が高く、これは国単位で考えても非常に深刻な問題であると私は思っています。
ヘッジファンドの特徴
ヘッジファンドと似て異なる投資信託について説明した上で、ようやく今回の本題となりますヘッジファンドの特徴について記載していきたいと思います。
高い投資利回り
私がヘッジファンドに投資している一番の理由はこれです。まず以下のグラフをご覧ください。
2000年以降リーマンショックが発生した後の立ち直ってきた2014年までの世界株式とヘッジファンドの運用成績の推移なのですが、ヘッジファンドが圧倒して高い運用利回りを上げています。
また見て頂けるとわかるのですが、リーマンショックの時期ですらヘッジファンドは資産を大きく下落させることなる横ばいを保っています。
これはヘッジファンドがどのような相場環境であっても、収益を追求する絶対収益型であることが影響しています。
私が主軸として起用しているヘッジファンド(BMキャピタル)はファンド創設以降一度も年率でマイナスをだしておらず、
その前身のファンド時代はリーマンショックですらプラスの運用成績を上げ続けていました。
資産運用を行う上で最も重要なのは、無理のない10%~20%程度の運用成績を長期間に亘って上げ続けることであり、
その意味で優良なヘッジファンドは最もよい投資対象と呼べると私は判断しています。
投資判断を行う必要がない
前述した投資信託では自身で投資する商品、地域、分野を選ぶ必要がありました。
然しながらヘッジファンドに預け入れればヘッジファンドマネージャーが絶対的な収益を追求していくので、個人が投資判断を下す必要がなく投資に時間を割く時間が節約できます。
ただヘッジファンドにも様々な運用手法がありますので、実際に投資を考えているヘッジファンドには直接会って運用手法がどのようなものかを確認しておくことは重要です。
個人的におすすめの運用手法はバリュー株投資をベースにアクティビスト的な動きをするファンドなのですが、これについては後述致します。
優秀なファンドマネージャーによる運用
ある程度の期間存続しているヘッジファンドのマネージャーはまず間違いなく優秀です。
顧客の満足のいく運用成績をあげられていなければ、解約が相次ぎすぐに解散する羽目になります。
預入資産が順調に増加し資産総額が右肩上がりに増えているヘッジファンドのマネージャーはそれだけで金融市場を生き抜いてきた百戦錬磨の腕の持ち主といえるでしょう。
ヘッジファンドマネージャーは金融エリートによって運営されています。
日本でいえば東大や京大といった一流大学を卒業し、外資系銀行で経験を積んだあと、富裕層の客先を連れて独立してファンドを立ち上げているといった、経歴としても申し分のない人が多いです。
彼らの運用に臨む真剣さも投資信託のファンドマネージャーとは一線を画しています。
彼らは最初の立ち上げ時に自分の資産の大部分をファンドに入れていることが多く、ファンドの運用成績がダイレクトに自分の資産の浮き沈みに直結します。
ヘッジファンドマネージャーが受け取る手数料は、自分が出した運用利回りの中から支払われるという形態です。
つまり、運用利回りが大きければ大きいほど自身の収入が増えるという結果になります。
逆に運用成績が悪いと顧客が離れていき更に自身の資産も大きく減少してしまうことになってしまうのです。
投資信託が預入資産に対して手数料が発生する為、預入資産の拡大に焦点を当てる一方、ヘッジファンドは収益を如何にあげるかということに焦点を当てています。
自分の資産と収入の両方に影響がある為、ヘッジファンドのファンドマネージャーは常に一人称の立場で、真剣に相場に向き合っています。
顧客との距離が近い
投資信託では顧客が運用手法について知る機会はネット証券であれば目論見書、直接購入であれば窓口の営業員からと、運用主体から直接聞くことは出来ません。
目論見書は読まれた経験がある方は分かると思うのですが、兎に角分かりずらく運用手法についても判然としません。
窓口の営業員にいたっては商品の運用手法や性質について理解していない場合が殆どです。
一方ヘッジファンドであれば、投資判断を下す前に実際にヘッジファンドの方と直接会い、詳しい運用手法や今までの実績について説明を受けることができます。
その他不明点についても事前にクリアーにすることが出来ます。
柔軟な投資戦略の組み立て
投資信託のファンドマネージャーは目論見書で決められた枠の中でしか投資が出来ません。
例えば、日経平均連動型の投資信託の場合、今後相場が悪化すると分かっていても、いきなりインドの株を購入することはできないのです。
一方ヘッジファンドは絶対収益を追求するファンドです。
現在上手くいっている手法が今後も上手くいき続けるとは限りません。
その場合には柔軟に投資手法を変更し、その時々にあった運用を行うことが可能となります。
示唆に富み勉強となる運用レポート
ファンドによるのですが、ヘッジファンドによっては定期的に顧客に対して運用のレポートを出している場合があります。
今期行ったディールについて何故投資判断を下したか、またなぜ売却したのかの理由について詳細な説明が記載されています。
一流のファンドマネージャーの思考回路が分かると共に、自らの株式投資に対する知識の底上げになる非常に示唆に富んだ内容となっています。
巷で売られている本を読むよりよっぽど勉強になる内容となっています。
ヘッジファンドの弱点
ここまでヘッジファンドの優れている点を中心に説明して参りました。
以下ではヘッジファンドの弱点といえる部分についても記載していこうと思います。
敷居の高さ
最近の投資信託では1000円から投資できるなんてものもあります。
しかし、海外の著名なヘッジファンドであれば1億円以上はざらです。
日本のヘッジファンドでも基本的には1000万円を最低投資金額としています。
ヘッジファンドが私募という形をとっており、法律上毎期新規で受け入れる顧客の数が決まっているのと、顧客管理費用を出来うる限り抑えたいという思惑によるものです。
先程申し上げました通り、ヘッジファンドは投資判断を下していただく前に顧客と直接会い説明しますし、その後のサポートも手厚く行っています。
その為、顧客を対応できる人数には限界があるのです。
1000名から10万円預かって1億円を集めるより、10名から1000万円預かって1億円を集める方が効率がいいのです。
私も一番最初にヘッジファンドに預け入れた時は、どうにかお願いし、500万円で受け付けて頂きました。
一般的には、1,000万円以上の預け入れが必要になると考えておいた方が良いです。
アクセスの難しさ
ヘッジファンドの弱点の2つ目は、アクセスの難しさ、つまり発見すること自体が多くの人にとって容易ではないという点にあります。
これはヘッジファンドが公募でなく私募によって資金を集めていることによるものです。
投資信託のように「公募」、つまり広告を打ったり証券会社に卸売りすることが出来れば、一般投資家の目に触れる機会も多くなります。
しかし、ヘッジファンドの場合はファンドの関係者と直接のコネクションをもつ、知り合いにしかその存在を知らせるチャンスはありません。
富裕層や金融関係者の間ではヘッジファンドに関する情報が日常的に共有されています。
しかし、一般サラリーマンや富裕層とのつながりの薄い人達は、恒常的にこれらの情報に触れることは、まずありません。
この、「そもそも出会うことができない」というのは、まとまった資金を持っている一般層からすると、比較的深刻な問題になっていると思います。
海外と日本のヘッジファンドを比較!海外の方が敷居は高いが国内ヘッジファンドにも優秀なHedgeFundが存在!?
ヘッジファンドの強み・弱み、まとめ
以上みてきたように、ヘッジファンドには、
- 顧客が投資判断を行う必要がない
- 投資判断を行っているファンドマネージャーが優秀
- 顧客との距離が近い
- 投資戦略を柔軟に組み立てる
- ファンドならではの投資戦略を学ぶ機会に恵まれる
と言った利点がある一方、
- 敷居が高く、投資最低金額が高い(1,000万円以上となっているファンドが多い)
- アクセスするのが難しい(出会うこと自体が難しい)
といった弱点があります。
結論として、高い敷居をクリアできる、1,000万円以上のまとまった金額があり、ヘッジファンドについての情報を少しでも持っている人にとっては、
ヘッジファンドというのは極めて理想的な投資先となる場合が多いのです。
現時点で銀行口座に60万円しかないという方はヘッジファンドへの預け入れは現実的に難しいです。
しかし、ある程度まとまった金額をもっていながら、なんとなく銀行に預けている(もしくはよく分からない投資信託を持っている)という方は、
自らヘッジファンド担当者へと問い合わせし、運用実績や契約内容について具体的に聞いてみるのが良いと思います。私も日本の全てのヘッジファンドを知っているわけではありません。
おすすめ運用手法
ヘッジファンドが魅力的な投資商品であることについて説明しましたが、一口に絶対収益型のファンドといっても運用手法は様々です。
その中でも安定した資産形成という目的を達成する為に私がおすすめするのはベンジャミン・グレアム氏の源流ともいえる本格的なバリュー株投資に、
能動性を加えたアクティビスト型本格バリュー株投資手法です。
これは以下に説明しますが、簡単にいうと値下りリスクを極端に少なくしながら、大きな株価上昇を狙う投資手法です。
バリュー株投資手法
まずバリュー投資の部分ですが、これは単にPBRやPERといった指標だけに依拠するのではありません。
企業の財務諸表を詳細に分析した上で、理論株価に対して大きな安全域を有している株に投資を行うという手法です。
理論株価は以下の式で求めることが出来ます。
(①現時点の純資産価値 +②今後の事業価値 ) ÷ ③発行済株式数
まず①の現時点の純資産価値について企業の純資産は
(総資産 - 総負債)で求めることが出来ます。
この式の資産を更に分解すると
(現金性資産+事業性資産ー総負債)とすることが出来ます。
事業性資産は商品や建物や設備といったもので本当に、財務諸表にのっているだけの価値があるか分からない資産ということが出来ます。
本当にその商品は販売することが出来るのか、設備投資や建物は老朽化により本当にそれだけの価値があるのか?という疑念はありますが、現金性の資産例えば現金や売掛金や投資有価証券などは、確かに記載されているだけの価値があります。
この現金性の資産だけを資産とカウントし、ここから総負債を引いて保守的な純資産価値を出します。
実は日本株は小型株が多く、この保守的な純資産価値だけで、株式価値(株価×発行済株式数)を上回っている株が存在しています。
つまり、以下の理論株価の式の①の更にその中の非常に保守的に見積もった純資産価値だけで現在の株価を上回っているという大きな安全域を有した銘柄も実際に存在しているということです。
(①現時点の純資産価値 +②今後の事業価値 ) ÷ ③発行済株式数
このような銘柄はごろごろしている訳ではないですが、非常に下落リスクが低い銘柄だということが出来ます。
そもそも現金性の資産だけを加味した保守的な純資産価値だけで株式価値を上回っているということは、今会社を清算すれば株主は、株価と現金性純資産価値の差額を受け取れることになるということを意味します。
分かり易くいうと、2万円が入った財布がデパートで1万円でうられているといった感じです。
全部が全部このような銘柄でないにしても、更に詳細に財務諸表の分析を行った上で割安と判断できる銘柄に投資することは、
グレアムの時代から続く王道ともいえる投資手法で、値下りリスクを極力抑えることが出来ます。
→ベンジャミン・グレアムの投資対象『ネットネット株』を分かり易く解説
アクティビスト型バリュー投資
ここまでは根気よく行えば、専門家が行うより精度は落ちるものの個人でも時間をかなり使いますが行うことが出来ます。
然し、このバリュー投資には一つ欠点があります。
それは万年割安株として放置され続ける可能性があるということです。
そもそもなぜ割安に放置されているかという点ですが、理由は簡単で時価総額が低く、東証二部や地方証券取引所に上場されており誰からも注目されず放置されてしまっている為です。
この欠点はヘッジファンドに預け、その資金力を活かし大量に保有をして頂き経営に働きかけ株価向上策を実施させることが有効打となります。
つまり大株主となり経営に入り込み以下の理論株価を高める施策を実施させるということです。
(①現時点の純資産価値 +②今後の事業価値 ) ÷ ③発行済株式数
ヘッジファンドには経営に精通した方も在籍しています。
②の事業価値をあげる施策を提言して今後の事業価値を上昇させたり、
保有している現金で③発行済株式を取得する自己株買を実施させ、理論株価を引き上げると共に、株式市場からの注目を集めていきます。
このようなヘッジファンドに預けることにより、株価下落リスクを抑えながらも、大きな値上がり益を見込めるという最強の投資手法を享受することが出来ます。
日本のヘッジファンド
ヘッジファンドといえば欧米が主流というイメージですが、最初の図でも分かります通り日本でも運用総額が増えてきて一般的になりつつあります。
私も日本のヘッジファンドに投資しているのですが、日本のヘッジファンドの特徴と強みについて説明していきます。
高くて安定的な利回り
欧米に比べてパフォーマンスが悪いのではと思われてる方もいらっしゃると思います。
しかし、日本のヘッジファンドのなかには欧米のファンドより優秀な利回りをあげているファンドも存在しています。
私の投資しているファンドではファンド自体の運用利回りは毎年20%程度で、2015年のチャイナショックを含め運用開始から一度もマイナスの年がなく、今まで運用を続けています。
また、この前身の小規模のファンド時代にはリーマンショックですらプラスで乗り切っています。
更に特筆すべきはヘッジファンドの中には、派手な運用利回りを求めてレバレッジを掛けるファンドがありますが、このファンドはレバレッジを掛けた運用は行わず堅実に着実に運用しながらこれだけの成績をあげています。
直接ヘッジファンドから説明を受けれる
ヘッジファンドから説明を受ける時に、日本語の資料を用い、日本語で説明を受けられるというのは安心感が高いです。
更に投資後のアフターサポートについても日本語で受けることが出来るというのも大きなメリットです。
終わりに
以上、ヘッジファンドの特徴や投資信託の実態、そして日本のヘッジファンドの説明などをまとめてお送りしました。
是非参考にして頂ければと思います。
色々と紹介しましたが、結局はBMキャピタルに預けて放っておけば良いのではないかなと、個人では思う次第です。