「1億円」といえば誰しもが夢に見る金額ではないでしょうか?
富裕層の基準も1億円というのが一般的ですね。ミリオネアと呼ばれたりもします。
しかし、1億円あればリタイアできるかというと都会に住みのであれば難しいというのが実情です。
実際筆者も子育て世代なのですが、子育て世帯は多くの資金が必要となります。
実際、筆者も1億円近く資産を構築しましたが全く安心できていません。
裕福にリタイアするためには最低でも2億円できれば3億円は欲しいと実感しています。
今回の記事では以下のポイントについてお伝えしていきたいと思います。
お品書き
- 1億円あれば何年暮らせる?
- 結局リタイアするにはいくら必要?
- 1億円という大金を運用するために必要な考え方とポートフォリオとは?
1億円〜2億円で何年暮らせるのか?
資産1億円〜2億円というのは十分大きな資産です。しかし、65歳以前に1億円でリタイアするのは生活費を考えれば無謀です。
特に最近FIREブームの流行によって数千万円程度の資産でリタイアする若者をテレビでよく見ます。
申し訳ないのですが、彼らは数年もしたらリタイア継続が不可能なことに気づき労働市場に戻ってくるでしょう。
その時にはキャリアに穴が空いているので、以前の給与で雇用されるとも限りません。急いては事を仕損じるのです。
以下は勤労者世帯の地域別の消費支出です。
元データ (関東) |
調整データ | |
食料 | 85,000 | 100,000 |
住居 | 20,100 | 200,000 |
水道光熱費 | 21,400 | 21,400 |
家具 | 14,200 | 14,200 |
被服費 | 11,400 | 30,000 |
保険医療 | 13,900 | 13,900 |
交通・通信 | 48,200 | 48,200 |
教育 | 21,700 | 100,000 |
教養娯楽 | 29,600 | 29,600 |
その他 | 56,300 | 100,000 |
合計 | 321,800 | 657,300 |
例えば関東をみると月間32万1800円となります。
しかし明らかに住居や食料、教育費などを実態に合わせて調整したものが上記となります。
子供2人で東京で賃貸と考えると妥当な水準ではないでしょうか。合計で月間65万7300円となります。
教育にお金をかける家の場合は更に月10万円はかかることを覚悟した方がよいです。
中学受験でも毎月10万円の塾代が必要になってくるのが東京の恐ろしいところです。
東京で子育てしている方なら分かると思いますが、妥当な数値ではないでしょうか?
正直、現在の東京では家賃と教育費の高騰によって共働きが当然という状態になっているのです。
年間ベースで考えると約780万円ということになります。
1億円あってもたった13年しか暮らすことができません。
2億円あると26年は暮らすことができます。現在40代の方であれば年金がもらえる老後に突入しますね。
1億円を保有していた場合、平均して4%の高配当銘柄に投資した場合の配当金は400万円となります。
税後ということになると20.312%の税金が差し引かれるので320万円となります。残念ながら2億円でも640万円となり配当生活に一歩てが届きません。
現役世代で利息生活をするためには2.5億円以上が必要となります。
結局、何億円あれば一生暮らせるのか?
では、結局何億円あれば一生暮らせるのか考えてみましょう。以下では配当や利息などを加味せずに、単純に取り崩した場合の金額を資産していきます。
子育て後と老後に必要な金額は?
先ほど考えたのは子育て現役世代です。
子育てが終わってから定年までと、老後世代についても考えなれければいけません。
子育てが終わってから定年までは以下の数値が妥当ではないでしょうか?
子育て終了から定年まで | |
食料 | 70,000 |
住居 | 140,000 |
水道光熱費 | 21,400 |
家具 | 14,200 |
被服費 | 15,000 |
保険医療 | 13,900 |
交通・通信 | 30,000 |
教育 | 0 |
教養娯楽 | 29,600 |
その他 | 60,000 |
合計 | 394,100 |
月間で約40万円で年間だと480万円となります。実際、筆者も子供が生まれる前は妻と二人で約500万円必要だったので違和感はありません。
65歳から100歳までの老後でどれだけ必要か見ていきましょう。
老後は住宅ローンも払い終えていますし消費支出も少なくなっていきます。また、年金ももらえるので全く必要な金額はことなってきます。
65歳から100歳まで | |
食料 | 60,000 |
住居 | 20,000(固定資産等) |
水道光熱費 | 21,400 |
家具 | 14,200 |
被服費 | 15,000 |
保険医療 | 13,900 |
交通・通信 | 30,000 |
教育 | 0 |
教養娯楽 | 29,600 |
その他 | 30,000 |
消費支出合計 | 234,100 |
年金(国民年世帯) | 110,746 |
年金(厚生年金世帯) | 203,300 |
最終支出(構成年金世帯) | 123,354円 |
最終支出(国民年金世帯) | 30,800円 |
国民年金世帯では月間123,354円、つまり年間148万円が必要となります。
厚生年金世帯では月間30,800円、つまり年間37万円が必要となります。
150万円を年間資本収入で賄うと考えると5000万円あれば十分可能ということになります。
5000万円を4%で配当金を受け取って税金を差し引いた後でも160万円を受け取ることができますからね。
世代別に一生暮らすために必要な金額を算出
今までの内容をまとめると以下となります。数値は丸めてあります。
子育て世代が必要な年間支出 | 年間780万円 |
子育て後退職までに必要な年間支出(55歳〜 | 年間480万円 |
老後に必要な金額(国民年金) | 年間150万円 |
老後に必要な金額(厚生年金) | 年間40万円 |
では100歳まで生きるとして各年齢毎に必要な金額をみていきます。
30歳 | 40歳 | 50歳 | |
子育て世代が必要な年間支出 | 1億9500万円 | 1億1700万円 | 3900万円 |
子育て後退職までに必要な年間支出 (55歳〜) |
4800万円 | 4800万円 | 4800万円 |
老後に必要な金額(国民年金) | 5250万円 | 5250万円 | 5250万円 |
老後に必要な金額(厚生年金) | 1400万円 | 1400万円 | 1400万円 |
合計(国民年金の場合) | 2億9550万円 | 2億1750万円 | 1億3950万円 |
合計(厚生年金の場合) | 2億5700万円 | 1億7900万円 | 1億100万円 |
30代の方であれば3億円、40代の方であれば2億円が必要になってくるという結果となります。
違和感のない金額ではないでしょうか?
東京で生活をしていくというのは非常に難易度が高いことなのです。
ただ、1億円を既に保有しているのであれば、案外2億円から3億円に到達することは難しくありません。
今までは資産形成の中心は本人の労働所得だったかもしれませんが、資産所得が大きなインパクトを発揮する水準になっているからです。
世代毎に完全リタイアするために必要な資産額とは?利息生活は資産がいくらあれば可能?
先ほどは完全に取り崩してリタイアする場合に必要な資産額についてお伝えしていきました。
子育て世代が必要な年間支出 | 年間780万円 |
子育て後退職までに必要な年間支出(55歳〜 | 年間480万円 |
老後に必要な金額(国民年金) | 年間150万円 |
老後に必要な金額(厚生年金) | 年間40万円 |
ではこれを20%の税金が差し引かれた後の税後の資本所得だけで賄う場合に必要な資産はいくらかを利回り毎に考えていきたいと思います。
つまり、いくらあればリタイアできるかということですね。
3% | 4% | 5% | |
子育て世代が必要な年間支出 | 3億2500万円 | 2億4300万円 | 1億9500万円 |
子育て後退職までに必要な年間支出(55歳〜 | 2億円 | 1億5000万円 | 1億2000万円 |
老後に必要な金額(国民年金) | 6250万円 | 4690万円 | 3750万円 |
老後に必要な金額(厚生年金) | 1700万円 | 1250万円 | 1000万円 |
少なくとも子育て中は1億円程度ではリタイアは考えない方が良さそうですね。
現役世代ではリタイアするためには3億円を目指していきたいところです。
今後はインフレによる資産の減価リスクも考えよう
今までの議論はあくまで物価が一定だった場合の前提で考えてきました。
日本はバブル崩壊以降、ずっとデフレスパイラルで「モノ」や「サービス」の価格が下がっていきました。言い換えると「お金」の価値が上昇しました。
しかし、2022年から状況が変わっています。
海外で発生した高インフレや円安が輸入物価の高騰をまねき、日本でもコストプッシュ型のインフレが発生しています。
つまり、「モノ」や「サービス」の価格が上昇しているのです。言い換えると「お金」の価値が減少しているのです。
2023年になっても状況は変わっていません。現在は4%のインフレが発生し収束する気配を見せていません。
つまり昨年の1億円は現在の価値では9615万円しかないことを意味しています。
流石に、現在の高インフレは継続はしないと思われますが、海外の物価は上がり続けるので毎年2%程度のインフレは発生する可能性は考えないといけません。
インフレまで考えるのであれば、先ほどの必要な資産を1.5倍から2倍の金額が必要と考えた方が無難ということになります。
コラム:老後資金1億円の生活レベルとは?
先ほど、国民年金であっても5000万円あれば老後生活は可能であるとお伝えしました。
1億円あれば余裕で生活することが可能になります。生活ランクをあげることも可能です。
1億円のうち5000万円を生活のためと考えて半分の5000万円を贅沢するためと考えることが可能となります。
60歳から75歳までの15年間は体力が残っているので3000万円をふりあてるとすると年間200万円となります。
夫婦で海外旅行にいっても50万円程度でしょう。残り150万円あれば毎週夫婦でディナーを楽しむことができるでしょう。
そして、残っている金額で高配当投資を行えば更に余力が生まれます。
やはり60歳時点で1億円というのは目指すべき一つの指針となりますね。
1億円あれば老後生活安泰といっても過言ではないでしょう。
2億円から3億円に向けて狙うべき適正な利回りは7%-10%
資産運用を行うことにより2億円を目指す必要性について説明してきました。
1億円の資産が既にあるのであれば派手な利回りを追求する必要は全くありません。
たとえば、年率5%と7%と10%で運用した場合の資産の成長は以下のようになります。
5%運用 | 7%運用 | 10%運用 | |
現在 | 10,000 | 10,000 | 10,000 |
1年後 | 10,500 | 10,700 | 11,000 |
2年後 | 11,025 | 11,449 | 12,100 |
3年後 | 11,576 | 12,250 | 13,310 |
4年後 | 12,155 | 13,108 | 14,641 |
5年後 | 12,763 | 14,026 | 16,105 |
6年後 | 13,401 | 15,007 | 17,716 |
7年後 | 14,071 | 16,058 | 19,487 |
8年後 | 14,775 | 17,182 | 21,436 |
9年後 | 15,513 | 18,385 | 23,579 |
10年後 | 16,289 | 19,672 | 25,937 |
11年後 | 17,103 | 21,049 | 28,531 |
12年後 | 17,959 | 22,522 | 31,384 |
13年後 | 18,856 | 24,098 | 34,523 |
14年後 | 19,799 | 25,785 | 37,975 |
15年後 | 20,789 | 27,590 | 41,772 |
16年後 | 21,829 | 29,522 | 45,950 |
17年後 | 22,920 | 31,588 | 50,545 |
18年後 | 24,066 | 33,799 | 55,599 |
19年後 | 25,270 | 36,165 | 61,159 |
20年後 | 26,533 | 38,697 | 67,275 |
5%~10%のような低い利回りでは資産が増えていかないと思われた方も結構いらっしゃると思います。
5%で運用すると15年、7%で運用すると11年、10%で運用すると僅か8年で倍の2億円に到達することが出来ます。
15年だと少しかかりすぎな気もしますので、7%~10%を目指していくのが現実的なのではないかなと思います。
因みに米国の代表的な株式指数である米ダウが130年間の年平均成長率が5.5%なので、市場平均の少し上を狙う運用を行えばいいということになります。
それでは具体的に10年程度で資産が2倍にする為のおすすめの投資先について順にみていきたいと思います。
尚、私が今回紹介するのは株式市場と債券市場に投資をする手法です。
理由は簡単で歴史的に株式市場と債券市場のパフォーマンスが最も高いからです。
Stock:株
Bonds:債券
Bills:国債
Gold:金
Dollar:現金
あと一転このグラフから分かるとおもうのですが。一貫して価値が下がり続けているものがあります。
それが現金です。資本主義が始まってから一貫して貨幣流通量は増えているので、相対的にお金の価値というのは下がり続けているのです。
つまり資産運用を行わなかったら、自分の資産価値が減少し続けていきます。
2022年に入って日本でも物価が高騰してきています。日々モノやサービスの価格が上昇しています。
つまり現金の価値が低くなっていっているのです。日本円という現金だけをもつ危うさを認識した方も多いのではないでしょうか?
実は現金というのも資産ポートフォリオの一環なのです。現金だけを持っているということは日本円に集中投資しているということなのです。
1億円から完全リタイアが可能な資産を目指すための投資先
では実際に1億円から3億円以上の資産を目指すための投資先についてみていきたいと思います。
債券投資:おすすめ度2
まずは債券投資です。最近は景気の拡大により米国の引き締め姿勢が強まっており、久しぶりに米10年債金利は3%を上抜けてきました。
最近はネット証券で取引できる米国債券は以下のようになっています。
米国債と米国社債を組み合わせて分散投資することにより3%程度の利回りを確保できます。
コロナショックを機に、債券利回りはFRBの利下げにより異常に低い水準となっていました。
しかし、インフレが加速しもう止まらない状況ですので、2022年は早急な利上げが実施されます。
以下は米10年債金利の推移です。直近急上昇していることが分かります。
上記は米ドル建の債券投資となるので、為替リスクを負うことになります。
この点が筆者が低いおすすめ度にしている要因の一つとなります。現在ドル円は135円まで円安が進行しています。
これは日銀が大規模緩和を継続してゼロ金利政策を維持しているので、日米の長期金利差が意識されてドル円が急上昇しています。
しかし、金利はいずれ米国の景気後退を受けて下落することが見込まれます。
すると、いままで進展してきたドル円は逆回転を初めて円高になっていきます。
つまり現在金利水準の高さにひかれて米国の債券に投資すると結果的に円高で利益の殆どを持っていかれる可能性があるということです。
場合によっては円建でマイナスとなることも覚悟した方がよいでしょう。
米国株インデックス連動資産への投資:おすすめ度5
まず先程紹介した米株式指数連動型のETF又は投資信託への投資です。
以下のグラフを見て頂きたいのですがこれは対数グラフといわれるものです。縦軸が特殊で10倍ずつが1メモリになっています。
このグラフが直線的に増加するということは、一定の利率で成長していることを示しています。
米国は今後も人口が増え続け、常にイノベーションの発信地となっています。
今後も右肩上がりを続けることもありますが、現段階で米国株指数に投資することはおすすめできません。
その理由は米国の中央銀行であるFRBが金融引き締めを行い、なおかつ米国経済がリセッションに突入することが濃厚になっているからです。インデックスは度々暴落してしまいます。あくまで平均して狙えるリターンが8%というだけで株価の停滞時期と株価上昇時期は交互に訪れています。
金融緩和でドーピングされた上昇期は2021年で終焉を迎え、これからは長期間株価指数は低迷することが懸念されます。
実際に2022年9月時点で、S&P500は年初来-20%程度、ナスダックは年初来-25%を超えています。そして下げ止まる雰囲気も全くありません。まとまった資金を入れるタイミングでないことは火を見るよりも明らかです。
更に現在は先ほどつけた通り大幅な円安です(2023年3月時点でも135円程度)。
今後は逆イールドも既に発生していること、FRB議長が景気よりもインフレを退治することを優先すると発言していることから今後はリセッションに陥ることが見込まれています。
不況に突入するということは、米国の長期金利が下落すると円高になるので円建のリターンは著しく下落します。1
億円投資をしたら4000万円から5000万円の損失を被ることも十分想定する必要があります。
アクティブ型の投資信託:おすすめ度0
次にインデックス連動型つまりパッシブ運用型の投資信託ではなく、「パッシブ運用に対してアクティブな成果を求める」投資信託についてです。
このような「アクティブ投資信託」は運用成績を出すことではなく、より多くの投資信託を販売することを目的としています。
投資信託の報酬体系は預け入れ金額に対して何%とかかってきます。
そのため。投資信託販売会社である銀行・証券会社並びに運用会社は長期投資に適さない、小難しくキャッチーな商品を組成する傾向にあります。
そして、大きな損失が発生したら今度は更に買い替えを薦めて、売買手数料も稼いでいこうという形態をとっているのです。
現在、金融機関は成果である運用収益を出すよりも、流行りものに高金利通貨等を組み合わせた高リスクの商品を販売しています。
mんkj長期投資に適さない手数料目的の商品が乱立している状況に金融庁の森長官も懸念を示されております。
「日本の投信運用会社の多くは販売会社等の系列会社となっています。投信の運用資産額でみると、実に82%が、販売会社系列の運用会社により組成・運用されています。系列の投信運用会社は、販売会社のために、売れやすくかつ手数料を稼ぎやすい商品を作っているのではないかと思います。
これまでの売れ筋商品の例をみても、ダブルデッカー等のテーマ型で複雑な投信が多く、長期保有に適さないものがほとんどです。こうした投信は、自ずと売買の回転率が高くなり、そのたびに販売手数料が金融機関に入る仕組みになっています。」
また投資信託は予め目論見書で投資する分野を決めております。
投資対象分野自体が傾けば投資信託の成績は悪くなるという柔軟性の低さも問題点として挙げられます。
よく見かける例えば、米国リートを高金利ブラジルレアル建運用するというような投資信託があります。
米国リート、ブラジルレアル共に市況が悪化した局面では基準価格が70%程度下落することもありました。
70%の下落をすると、元金の30%になってしまいます。
これほどの壊滅的な打撃を受けると元金を回復するのには230%の運用リターンを上げなければならず、非常に大変な思いをします。
投資信託の営業員は高手数料の投資信託を販売し自身の営業成績しか考えておりまんので絶対に彼らの話を鵜呑みにしないことをおすすめします。
実際、アクティブ投信は以下の通り全ての分類でインデックス投信(=パッシブ投信)に劣後した成績となっています。
ひふみ投信への投資:おすすめ度4
次に最近話題の独立系の投資信託の代表例であるひふみ投信です。
独立系の投資信託というのは運用から販売までを一貫して行っている投資信託を指します。
ひふみ投信についてはファンドのマネージャーの藤野英人氏が非常に優秀です。
過去からの成績は以下のように日本株の投資信託としては圧倒的な成績を上げています。
青:ひふみ投信
赤:日経平均
緑:さわかみ投信
黄:結い2101
紫色:ありがとうファンド
リーマンショックもプラスで乗り切っており、下落に強く上昇相場もとれるという最強の実績を誇っていました。
3年前までであれば、おすすめ度は10だったのですが現在は5としています。
その理由は、下落に強いという本来備えていたはずの特徴をひふみ投信が失いつつあることにあります。
それでは直近3年間の日経平均との比較をご覧ください。
青:ひふみ投信
赤:日経平均
下落局面では殆ど市場平均と同様の下落をしています。
リーマンショックやチャイナショックのような危機時にみせた下落への耐性が弱くなっていることが確認できます。
この理由は人気になりすぎたことにあります。
ひふみ投信がカンブリア宮殿で特集されて以来、申込数が急激に増えてしまい本来の運用である中小成長株投資が出来なくなってしまいました。
結果的に大型株を相当数組み入れなければいけなくなりました。
現在のひふみ投信の党身入れ銘柄TOP10は殆どが皆さんが聞いたことあるような大手企業で占められています。
今までは市場平均である日経平均ゆあTOPIXの下落に引きずられない小型株が多かったのですが、
そうもいかなくなってきたという状況になってきているのです。
→ {ひふみ投信}大型株中心PFになり時代は終わった?やめたほうがいい?暴落を幾度となく経験し不調にあえぐ評判ファンドシリーズの今後の見通しを含めて徹底評価。
とはいえ、ファンドマネージゃーである藤野氏の投資手腕は確かなものがあります。
長年の実績もあるので突破口を見つけてくるだろうとの期待を込めて米国市場連動ETFと同じ4とさせて頂きました。
本格的バリュー株ファンドBM Capital:おすすめ度10
最もおすすめ度が高いのは、私の投資ポートフォリオの第1位を占めている本格的バリュー株投資を実践しているヘッジファンドであるBM Capitalです。
簡単に説明すると市場の暴落局面を抑制して安定的に右肩あがりに資産価格を引き上げている絶対収益型のファンド形態です。
以下の通り理想的なチャートを実現しています。
ここではバリュー株投資とはどのような手法であるかの概要と、何故安全運用としておすすめなのかという点を説明していきたいと思います。
本格的バリュー株投資とは?
一般的に巷でバリュー株投資というのは、低PER・低PBRの銘柄に投資をすることをいいます。
これは本来提唱者であるウォーレンバフェットの師である、ベンジャミン・グレアム氏が提唱したバリュー株投資とは異なります。
グレアム氏が提唱したバリュー株投資は企業の財務諸表のバランンスシートに着目して、通常あるべき適正値から圧倒的に割安に放置されている銘柄を購入しようという手法です。
彼の核となる考え方を簡単に箇条書きで紹介します。
・企業の将来の利益を予測するのは難しい
・将来の利益を見込んで株価を算定するのは危険である
・今の状態は財務諸表から読み取れる
・市場は常に適正株価を提示しているわけではない
・然し長期的には適正株価に収斂する
・つまり今の状態が割安な企業は将来上昇する
要するに、今この瞬間割安なバーゲンセール状態で放置されている株を購入して適正な価格になったら売り抜けましょうという非常にシンプルな手法です。
今回詳しい投資手法については記載しませんが、興味のある方は以下に纏めていますので参考にしてみて下さい。
→ ベンジャミン・グレアムの『ネットネット株投資』をわかりやすく解説!本格的バリュー株投資とは?
何故安全運用といえるのか
まずはBMキャピタルの運用開始からの成績をご覧ください。
以下はTOPIXの値動きですがBMキャピタルは赤丸のような市場暴落局面でも資産を減らさずに高い暴落耐性を保っています。
2018年1月~3月に日経平均が7%程度下落している中、無傷で乗り切っており下落耐性の強さを維持しております。
また、2020年のコロナショックも無傷で乗り切っています。
また直近では2022年にはいってからの下落相場も寧ろリターンをあげています。
この理由は先程のネットネット株の記事を詳しく見て頂ければわかるのですが、
企業が保有しているネット現金価値以下(現金性資産から総負債を引いたもの)の価格で取引されている株価を購入する為です。
分かり易く簡単にいうと、現金1億円と建物・土地・設備等2億円の合計3億の資産をもっていて、銀行に借入金が5000万円ある企業を想定します。
ネット現金価値は1億円から借入金5000万円を差し引いて5000万円になります。
この企業が3000万円で市場に売りに出されていたらどうでしょうか?
建物・土地・設備等2億円を除いて現金価値だけで5000万円あるのに、3000万円で売られているというのは、例えるなら5000円の現金が入っている2万円の財布が3000円で売られているようなものですから、当然バーゲン価格ですよね。
これ以上の価格下落は起こりにくいですし、仮に下落したとしたら更なるバーゲン価格なので買い増しのチャンスであると理論的にいうことが出来ます。
これをみて、この財布を買わない人はいないでしょう。
しかし、このような銘柄は東証二部や地方証券取引所のような注目が集まりにくい市場には個人では見つけるのが難しいですが確かに存在しています。
資産運用において重要なのは、価値下落を出来うる限り抑えることです。
例えば1億円が50%下落したら5000万円ですが、これを1億円に戻すには倍の100%の運用利回りが必要ですからね。
下落耐性が強いということが最も重要なポイントになります。さらに運用開始以降手数料後投資家ベースで年間10%ペースを維持しています。半年ベースで下落したことがないという結果からも安全運用する上ではかなり信頼がおけるファンドです。
BMキャピタルは筆者の運用ポートフォリオの主軸を担っております。
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1億円のおすすめのポートフォリオ
1億円を安全に2億円にするという目標のもと、価格下落を極力おさえながら7%程度の運用利益を目指す為のポートフォリオとして以下を推奨します。
1億円にポートフォリオ | |
BMキャピタル | 6000万円 |
米株インデックス | 1000万円 |
現金 | 2000万円 |
安全運用としてBMキャピタルを主軸に据えながら、地域分散も兼ねて米株インデックスに1000万円を投資します。
そして、株価指数が大きく下落した時に追加で投資する弾として3000万円を現金として保有しておくポートフォリオが妥当でしょう。
上記ポートフォリオで平均リターン7%程度は期待することができます。