インド株式市場

【新興国投資信託の評判】ニッセイ・インド厳選株式ファンド(資産成長型)は金融引き締め下でも投資妙味があるのか?イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド/高成長インド・中型株式ファンド/新生・UTIインドファンドなどとも正しく比較して評価

2022年6月27日

インドはまだまだ経済水準が低く尚且つ増え続ける人口。

高度な数学やIT知識により成長余地が非常に高いことに加え、モディ首相が政権を取り財政改革・積極的な経済政策を打っていることもあり、非常に期待できるで新興国であることは間違いありません。

 

インドは外国人に対する不動産投資規制が存在している為、投資を行うのであれば株式投資が現実的な選択肢となってきます。

しかし、個別銘柄に投資を行うとしても何に投資していいか分からない。取りあえずプロに任せようとインドの投資信託に投資を考える方が、多いのではないでしょうか。

 

たしかにインドは注目の新興国ということもあり数多の投資信託が組成されているので、今回はその中から「ニッセイ・インド厳選株式ファンド」について見ていきたいと思います。

基本的には評判の良い投資信託ですが、2020年以降の金融緩和の影響で世界中の株式市場が上昇したため、その追い風に乗っただけなのではというのが筆者の見解です。今後も引き続き良い評価をして良いものなのかどうかは本文に記載します。

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ニッセイ・インド厳選株式ファンドはどんなインドの投資信託なのか

ニッセイ・インド厳選株式ファンド

 

 

ニッセイ・インド厳選株式ファンドはリライアンス・ニッポンライフ・アセットマネジメントの指示を受けて、インド株で株価の上昇が見込まれる銘柄に投資を行うアクティブ型の投資信託です。

 

リライアンス・ニッポンライフ・アセットマネジメントは名前の通り、インド最大級の金融サービスグループ傘下の資産運用会社であるリライアンスと、日本生命の合弁会社です。

要するに、日本生命の運用に、インド現地の知見を取り入れるべくリライアンスと連携していることがわかります。

 

ニッポンライフ・インディア・アセットマネジメントの助言を活用

▲ 流動性の低い銘柄等、投資不適格銘柄を排除

▲ 徹底した調査・分析に基づくバリュエーション評価

▲ 業種配分、リスクコントロールの観点から組入銘柄・ウェイトを決定

 

 

インドは市場平均に連動する投資信託は存在しません。

市場平均連動型のETFは非常に乖離率が高いので、現実的にアクティブ型の投資信託が有効な選択肢となってくるのです。

 

ニッセイ・インド厳選株式ファンドの組み入れている企業の規模感は、大型84.8%、中型15.2%のポートフォリオとなっています。以下は2022年4月末時点の組入銘柄です。

銘柄 業種 比率
1 リライアンス・インダストリーズ エネルギー 9.1%
2 HDFC銀行 金融 7.7%
3 ICICI銀行 金融 7.7%
4 バーティ・エアテル コミュニケーション・サービス 7.6%
5 HDFC 金融 5.5%
6 インドステイト銀行 金融 5.4%
7 インフォシス 情報技術 5.3%
8 ラーセン&トゥブロ 資本財・サービス 5.0%
9 アクシス銀行 金融 4.4%
10 HCLテクノロジー 情報技術 4.0%

 

リライアンスインダストリーズは石油化学、繊維メーカーですね。

2022年現時点では世界的インフレを享受して非常に利益をあげているものと想像できます。ファンドの運用にどれくらいインパクトがあるのでしょうか。

ファンド運用実績は後続で見ていきましょう。

 

業種別の構成は金融のシェアが非常に高くなっています。

ニッセイ・インド厳選株式ファンドの産業別構成比率

 

インドの金融機関は不良債権処理にこの数年間追われていたこともあり、軟調に推移していたので正直業種構成上は期待できそうにありませんね。

 

 

基準価額と成績

アクティブ型の投資信託であるので、成績が言うまでもなく重要になってきます。

まずは基準価額を見ていきましょう。この基準価額が下がっているようですと、運用成績も悪く、解約による流出が進んでいることになります。

基準価額・純資産の推移

 

米国株価指数と同様、2020年3月のコロナショックから一気にあり得ないほどの金融緩和で、インドの株式市場も株価が上昇しました。以下はインドの代表株価指数であるSENSEX指数の1年の推移です。

SENSEX指数の株価チャート

 

新興国のような投資は長期投資には向かず、1年スパンの中期投資で利益を取っていくのが基本です。

上記のSENSEXの株価チャートを見る限り、金融緩和による天井を打って、今後は歴史上類を見ない水準の金融引き締めが既に始まり、徐々に効果を発揮していくのでインド株式市場は厳しいでしょうね。

インドのアクティブファンドも、ニッセイ・インド厳選株式ファンドに限らず冬の時代を迎えています。

 

実際の過去の運用実績を見ていきましょう。

異次元金融緩和時代に高いリターンが出ていなければかなり絶望的です。

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2022年 9.15% -- -- -- --
2021年 18.09% 6.71% 14.19% -2.52% 40.27%
2020年 -37.83% 16.91% 6.86% 19.92% -6.86%
2019年 5.66% -1.31% -9.54% 6.04% 0.02%
2018年 -13.06% -5.50% 1.61% 3.77% -13.37%

 

新興国株式市場は米国を中心とした各国金融緩和により2020年より株価指数は上昇しましたが、新興国は出遅れました。

2021年より株高となり、その名残がまだギリギリ残っているという感じです。先ほどポートフォリオの上位にエネルギー企業があったと思います。ロシア・ウクライナ戦争を起点とした大幅な株高を2022年1-3月期に享受したことがよくわかります。

しかし、このリターンは間違いなく突発的であり、4-6月期のリターンは陰りを見せるでしょうし、7月頃からは相当厳しくなるものと考えられます。

 

インドのアクティブ投信といえば、ボラティリティの高い小型株を買うのと同様のリターンの幅となっていますね。

非常に危険な投資であり、どちらかというと割安株を確実に見つけ、下落余地が低く、株価が大きく上昇する可能性の高い銘柄を選定できるファンドが2022年以降は活躍するでしょう。

 

 

気をつけよう:分配金拠出型投資信託の罠

先程の成績は分配金を拠出せずに運用した場合です。

もう一度先ほどの図に戻ると、分配金を拠出した場合の基準価格は、ほぼ増えず約11,000円となっています。

基準価額・純資産の推移

 

拠出した分配金の金額合計は4,300円となっています。分配金を拠出しない場合の価格15,434円に対して、分配金を拠出した場合は最終リターンが11,134円となっています。

分配金を拠出している結果、ファンドのリターンが全然伸びていないのです。

 

配当金は嬉しいものです。しかし、再投資するにも税金(20%)を支払った後の金額が加算される結果、リターンが著しく悪くなるのです。

投資の基本として、とにかくプラスの%を重ねていくことが複利運用として資産を一気に伸ばす錬金術であるにも関わらず、ニッセイ・インド厳選株式ファンドは配当を餌に投資家を集め手数料で食べていくことを主眼としていると筆者は感じます。

これはニッセイ・インド厳選株式ファンドに関わらず全ての分配金拠出ファンドに言えることです。

 

さらにわかりやすく説明すると、例えば1,000万円を年利20%の投資信託で運用、毎年の拠出金100万円を出す場合と出さない場合を考えます。

 

[100万円の分配金を拠出する場合]

  • 1年目:1000万円×120%=1200万円 ⇒ 分配金100万円拠出 ⇒ 投資元本1100万円
  • 2年目:1100万円×120%=1320万円 ⇒ 分配金100万円拠出 ⇒ 投資元本1220万円
  • 3年目:1220万円×120%=1464万円 ⇒ 分配金100万円拠出 ⇒ 投資元本1364万円

投資元本:1000万円⇒1364万円(+364万円)
分配金:300万円
合計:+664万円

 

[100万円の分配金を拠出しない場合]

  • 1年目:1000万円×120%=1200万円
  • 2年目:1200万円×120%=1440万円
  • 3年目:1440万円×120%=1728万円

投資元本:1000万円⇒1728万円 (+728万円)

 

結果的に複利で運用した方が高い成績を残すことが分かりますね。

分配拠出する投資ファンドへの投資はおすすめしません。配当金が入金されて嬉しい気持ちになるのは理解できますが、それは資産増加を足踏みさせていくだけです。

 

エフェクティブな投資を心がけるようにしてください。

 

 

ニッセイ・インド厳選株式ファンドの成績をインド指数と他インド投資信託と比較

話を本題に戻しますと、アクティブ型の投資信託の良し悪しを判断するには、単体の成績だけでは参考になりません。

投資国の指数や他のアクティブ型の投資信託と、成績の比較を行わなければいけません。

 

今回はインドの指数であるSENSEX30、インドの投資信託で有名な新生UTIインドファンド、高成長インド・中型株式ファンド、イーストS・インド・インフラ株式ファンドを比較分析してみました。

  • ニッセイ・インド厳選株式ファンド(29311148)
  • 高成長インド・中型株式ファンド(79311118
  • イーストS・インド・インフラ株式ファンド(8331106B)
  • 新生・UTIインドファンド(9R31106C

インド投信リターンチャート

 

 

 

結果からいうとイーストS・インド・インフラ株式ファンドが一番ましですね。インドSENSEX30指数に負けているニッセイ・インド厳選株式ファンド、高成長インド・中型株式ファンドは目も当てられません。

インド投信であれば新生・UTIインドファンドかイーストS・インド・インフラ株式ファンドでしょうね。とはいえ共にリターンの魅力は新興国の割には低いです。

今後の金融引き締めでは、今以上にリターンが下がることが明らかなので、しばらくは触らない方が良い領域かもしれませんね。

 

 

ファンドの手数料

購入時の手数料は3.85%とかなり高く、年間発生する信託手数料も年率1.925%と決して安くない水準です。

正直成績が良好であれば問題ないのですが、成績が低くて尚且つ手数料も高いとなれば、見送るという選択肢が自然でしょう。

 

 

まとめ

ニッセイ・インド厳選株式ファンドはインドのアクティブ型の投資信託ですが、インドの指数はおろか、他のインド株を対象とした投資信託に対してもアンダーパフォームしており、投資妙味があるとはいえません。

また、インド株式のターンが来ることがあれば狙ってみたいと思います。

 

最後に:資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

積み重ねる運用

 

 

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

上場小型ベンチャー株に力一杯、資金を投入。一か八か、株価の急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。

そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

 

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てなど、あなたの資産を減らしてしまう運用はやめましょう。「Classic」且つ「質実剛健」な資産運用を行なっていくべきです。

 

私も資産運用歴は既にかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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