リスクが高い!?評判の悪い「グローバルaiファンド」を徹底評価!下落の理由から2023年以降の今後の見通しまでわかりやすく解説!

日本中の投資信託を分析

リスクが高い!?評判の悪い「グローバルaiファンド」を徹底評価!下落の理由から2023年以降の今後の見通しまでわかりやすく解説!

2022年7月25日

近年のハイテク化の流れを受けて様々なテーマのハイテク銘柄が組成されました。

2020年から2021年のように勢いよくハイテク企業の株価が伸びていったときは持て囃されました。

しかし、2022年初から以下の通り大きく下落しており基準価額も純資産額も大きく減少しています。

 

グローバルaiファンドの基準価額の推移

 

 

本日はなにかと話題のグローバルaiファンドについて、

  • どのような特徴のファンドなのか?
  • なぜ下落しているのか?
  • 今後の見通しはどうなのか?

という点を中心にお伝えしていきたいと思います。

 

グローバルAIファンドはどのような特徴の投資信託なのか?

ではまず特徴についてお伝えしていきます。

投資を行うのは幅広いAI関連銘柄

フローバルAIファンドが投資をしているのは世界のAI関連銘柄です。

AI関連銘柄とはAIの進化、応用により高い成長が期待される企業です。具体的には、以下が挙げられています

 

  • AIテクノロジーの開発
  • AI開発に必要なコンピューティング技術
  • AIを活用したサービス、ソフトウェア・アプリケーションの提供を行う企業
  • AIを活用したサービスを駆使して自社ビジネスを成長させる企業

 

特に4つ目のAIを活用したサービスを駆使してビジネスを成長させる企業というのは非常に幅広いのではないでしょうか?

殆どの世界の大企業はAIを活用してビジネスを展開しています。

例えば、グーグルは検索エンジンの順位をAIを活用して判断しいますし、METAに名称を変更した旧FACEBOOKも広告を出す際にAIを活用しています。

 

また、AI開発に必要なコンピューティング技術を含めると、クラウドサービスを提供しているマイクロソフトやアマゾンも対象にはいってきます。

現在のハイテク企業はほとんど何かしらの形でAIとは関わっているのでハイテク企業全般が投資対象といっても過言ではないでしょう。

 

AI産業の市場規模とは?成長率は?

AIは間違いなく2020年代を牽引する産業なのは誰の目にも明らかかと思います。

世界の市場規模は2021年末時点で209億ドルつまり2.7兆円となっていますが、2030年には4000億ドルつまり52兆円となります。

 

AI産業の市場規模と今後の成長率の推移

 

年率平均成長率は45%とう驚異的な水準となります。特にAIに関連したサービスの伸びが著しいですね。グローバルAIファンドが狙いを定めるのは主にこの分野ですね。

 

グローバルAIファンドの構成上位の組入銘柄とは?

グローバルAIファンドの2023年3月末時点の組み入れ上位銘柄は以下となっています。

グローバルAIファンドについては長らく経過観察してますが、昨年に比べると全く違う上位銘柄になっています。

NVDA、マイクロソフト、テスラとAI関連銘柄が上位を独占しています。ここからのAI革命を取りに行く銘柄にBetしているということですね。

 

グローバルAIファンドの2023年3月末時点の組み入れ上位銘柄

月報

 

エヌビディアは2022年に大暴落をしていますが、その後のAI革命を見越して株価は急速に回復しています。

 

NVDAの株価推移

Yahoo finance

 

マイクロソフトもChatGPTのOpenAIに投資をしBingにAIチャットを搭載していることで話題となっています。

 

MSFTの株価推移

Yahoo finance

 

以下は過去からの銘柄の異動です。がらっと2023年に銘柄が入れ替えになっているのが分かりますよね。

 

2023年3月末 2022年11月末 2022年6月末
1 エヌビディア オン・セミコンダクター テスラ
2 マイクロソフト テスラ オン・セミコンダクター
3 テスラ マーベル・テクノロジー ズームインフォ
4 メタ ブロードコム メタ(旧FB)
5 オン・セミコンダクター ディア エンフェーズ・エナジー
6 アマゾン スームインフォ マーベル
7 マーベル アルベマール ブロードコム
8 アリババ マイクロチップ・テクノロジー クラウドストライク
9 エンフェーズ エレバンスヘルス アリババ
10 ズームインフォ シュルンベルジェ アマゾン

 

購入手数料と信託手数料

アクティブ投信なので購入手数料と信託手数料が発生します。

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.925%(税込)

 

グローバルAIファンドの運用実績とは?

では肝心のグローバルAIファンドのリターンについて見ていきましょう。

為替ヘッジなしの通常バージョン

まずは為替ヘッジなしの通常バージョンについてみていきましょう。

グローバルAIファンドは外国企業に主に通ししているので、現地通貨が円に対して上昇すると円建のリターンが上昇します。

多くは米ドルなのでドル高円安つまりドル円レートが上昇するとリターンが上昇して、ドル円が下落するとリターンが減少します。

 

グローバルAIファンドの基準価額の推移

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2023年 14.92%    
2022年 -5.20% -22.28% 5.69% -17.30% --
2021年 8.98% 13.07% -4.62% 2.96% 21.00%
2020年 -14.10% 41.61% 18.70% 29.44% 86.90%
2019年 21.54% -1.27% -5.16% 14.35% 30.14%
2018年 0.32% 9.15% 4.03% -18.39% -7.04%

 

2021年後半から大きく下落しています。しかし、2022年のはじめからドル円が115円から151円まで急速のドル高円安が進行したので下落はマイルドになっています。

上記のパフォーマンスには円高はまだ反映されていませんので更に下落しているということです。

 

為替ヘッジ有りの下落は悲惨

では為替ヘッジ有りバージョンでみていきましょう。為替ヘッジ有りの場合は為替レートの変動の影響をうけません。

そのためドル円レートの上昇の恩恵を受けれず、最高値から40%以上暴落しています。

 

グローバルAIファンドの為替ヘッジ有りバージョンの基準価額の推移

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2023年 14.92%  
2022年 -10.58% -32.20% -1.68% -17.30% -35.60%
2021年 1.95% 13.40% -5.81% 0.41% 9.34%
2020年 -12.91% 42.31% 20.23% 31.97% 96.64%
2019年 20.56% 0.88% -6.04% 12.30% 28.34%
2018年 5.68% 4.78% 0.73% -17.07% -7.50%

 

「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジ有り」はどちらがいい?

「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジ有り」のどちらがよいのでしょうか?

今までは為替ヘッジなしが高いリターンをだしてましたが、これはドル円が上昇していたためです。

 

しかし、ドル円の上昇も既に天井感が強くなってきています。

理由はドル円上昇の牽引力となっていた日米金利差の拡大が極限に達したからです。

 

米国の長期金利はインフレに対応するためにFRBが引き締めを積極化の姿勢を見せたことで上昇していきました。

しかし、今後米国の景気が悪化するとの見通しがたってきて、将来の利下げを見込んで長期金利は低下しつつまります。

以下は米国の10年債金利の推移です。直近天井圏でもみ合っているのがわかると思います。

 

米国の10年債金利の推移

 

しばらくは長期金利はこの水準で停滞することが見込まれますが、長期金利差の縮小を背景にドル円は円高の方向に修正することが見込まれると考えています。

実際にすでに150円から130円まで急速に円高が進みましたが、まだまだ止まらないと思います。なぜなら、日銀もサプライズでYCC見直しの発表を行ったからです。

日本銀行は12月19日・20日開いた金融政策決定会合で、事前予想に反してイールドカーブ・コントロール(YCC)の柔軟化措置を決めた。0%という10年国債利回りの目標は維持しつつも、変動幅を従来の「±0.25%程度」から、「±0.5%程度」へと拡大する。そのうえで、0.5%での毎営業日指値オペを継続し、+0.5%を上回る10年国債利回りの上昇は引き続きけん制する。

日本銀行は、「緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、より円滑にイールドカーブ全体の形成を促していくため、長短金利操作の運営を一部見直すことを決定した」と説明している。金融緩和策は維持しつつも、それに伴う市場機能の低下などの副作用を軽減する措置を講じた、との説明である。

日銀がYCCの柔軟化策をサプライズ決定:依然として不確実性が高い共同声明・物価目標の修正議論の行方

 

米長期金利が下落し、日本長期金利が上昇するのであれば為替は当然円高に傾き、円安が始まる前の水準を超えて円高が進む可能性もあるのです。

 

ドル円チャート

 

 

グローバルAIファンドとイS&P500指数やナスダック総合指数と比較

グローバルAIファンドはインデックスに対してプラスのリターンを狙うアクティブファンドです。

→ アクティブ運用型投資信託とパッシブ(=インデックス)運用型投資信託のどちらが優れている?リターンに加えシャープレシオや手数料水準から徹底比較!

 

そのため、米国の一般的なインデックスであるS&P500指数と、ハイテク株が多く組み入れられているナスダック総合指数と比較したものが以下となります、

青:グローバルAIファンド
赤:ナスダック総合指数
緑:S&P500指数
黄:eMAXIS全世界株式インデックス

グローバルAIファンドと各種インデックスの比較

https://finance.yahoo.co.jp/quote/79311172/chart?compare=%5EIXIC,%5EGSPC,03312107&trm=5y&styl=lne&frm=w&scl=stndrd&evnts=ntAsstBlnc,rinvstmntPrc&addIndctr=&ovrIndctr=

 

一番値動きは激しいですね。ただ、一番似た値動きとなっているのはナスダック総合指数です。

ハイテク銘柄が一番多く組み入れられているナスダック総合指数と同じ特徴の動きをしているということですね。

 

グローバルAIファンドの下落理由とは?

では、なぜ2021年後半からグローバルAIファンドは下落しているのでしょうか?

理由は簡単です。先ほど為替の欄でお伝えした長期金利が上昇してきたからです。

 

ハイテク企業の多くはグロース企業です。グロース企業は将来の収益の成長を見込んで株価が上昇していきます。

仮に株価の上昇が一定だとしても、金利が上昇すると現在の企業価値は減少します。

以下の通り金利が上昇すると将来見込まれる大きな利益の価値が下落してしますのです。

将来の利益を現在に割り引く図

 

金利上昇の大きな要因は米国でインフレが発生していることに起因しています。

2020年のパンデミック以降、失業給付などの度が過ぎたばら撒きを行なった結果、米国経済にドルが溢れて1970年代以来のインフレが発生するという事態になっているのです。

我々、現役世代は経験したことない未曾有の事態ですね。以下は2022年までの米国のインフレ率の推移です。(2023年以降の話は次の項目でお伝えします)

 

米国のインフレ率の推移

 

インフレ率が高まりつづけることが確定的となった2021年後半から米中銀は金融引き締めを匂わして実際に金利を引き上げています。

既に日本でも値上げが始まっていますが、米国のインフレは日本の4倍の水準です。食料品が1年前の倍になっているというケースが頻発しています。

このような環境では国民が疲弊するので中央銀行であるFRBは金利を引き上げて米国経済を冷ましてインフレを沈静化しようと躍起になっています。

 

グローバルAIファンドの2023年以降の今後の見通しは?

重要なのは今後の見通しです。今までは金利の上昇で株価は下落していきましたが、金利の上昇は落ち着いています。

理由はインフレ率が落ち着きを見せ始め、2023年5月現在では年率5%の水準になってきているからです。

米国のインフレ率の推移

 

しかし、米中央銀行のFRBが目標としてる2%からは、まだ遥か遠くにいます。そして直近2ヶ月は5%で下げ止まっているのです。

肝心のインフレはまったく収まる兆しがみえずFRBの高官の中にはさらなる利上げを行う必要があるという声も増えてきています。

金利を引き上げるフェーズは終わりつつありますが、高金利をしばらく維持すると述べています。つまり、まだまだグローバルAIファンドのようなグロース株に投資するような局面ではないのです。

 

更にもう一点企業収益という観点からも厳しい見通しとなります。国の経済の先行きが悪化しており企業収益の見通しが暗くなっています。

金利が下落しても企業の収益がさがれば、企業価値というのは低下していきます。

 

インフレが進行し金利を上げた弊害として米国経済は限界がきているのです。

以下はグローバルAIファンドの上位銘柄の2021年、2022年、2023年のEPSの成長見通しです。基本的に2021年にピークアウトしていますよね。

今までのような成長率を期待することはできなくなっているのです。

 

EPS成長率 TSLA NVDA MSFT
2021年 202% 72% 38%
2022年 77% 77% 15%
2023年 36% ▲25% 4%

 

テスラの成長率はまだ高いじゃないかと考えた方も多いと思います。しかし、現在のバリュエーションは非常に高く大暴落後のテスラでPER33倍という水準になっています。(10倍以下が割安といわれています)

つまり、高い成長を前提としたプライシングがなされており、成長率の低下はすなわち株価の下落ち圧力となってくるのです。

更に今後は企業収益の下落を伴って株価下落する可能性が高まっているので、今後の見通しも暗いと考えています。

 

超長期投資という側面からも、すでにGAFAMの業績、成長率が頭打ちした点から、20年来続く広告をメインとしたテクノロジー企業が米国株市場を牽引する時代は終わりました。

つまり、これはグローバルAIファンドのみならず、ナスダック、ひいてはS&P500へのインデックスファンドへの投資も今後の上昇は厳しい時代が来るのかもしれないということです。

30年来の金融緩和時代も終わり、本当に株式投資が難しい時代に突入しました。

2010年頃から株を始めた人は、最高にラッキーでした。

しかし、ラッキーは終わりです。今後はプロ投資家のトップ10%程度しか生き残れないような相場がしばらく続くかと思われます。

 

筆者は引き続き、自分でムキになって投資をしようとせず、淡々とヘッジファンドでの運用を継続していきます。

ヘッジファンドは相場環境に関係なく安定したリターンを叩き出して指数を大幅にアウトパフォームする成績を出し続けています。

市場環境に影響をうけず高いリターンを叩きだすヘッジファンド

以下で日本の個人投資家でも投資できるファンドをお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

 

【最新版】日本国内のおすすめヘッジファンドをランキング形式で掲載!投資する際に気をつけたいポイントなど網羅的に解説。
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グローバルAIファンドの掲示板での口コミや評判(ブログ・SNSなど)

少しだけ評判を見ておきましょう。やはり大幅下落ですので、悲壮感漂っています。

Yahoo!ファイナンスの口コミ⬇︎

まじできつすぎる、この下がりかたは
10月末から12%の下落。なんでこんなに下げるの?
半導体が出回るまでここは厳しいんじゃないですかね。この分野って世界規模で売り逃している可能性がありますよ。
又下がりましたね。私は凄いマイテン。年末迄にプラテンになって欲しいです
アカン!かなりマイナスになってもた…😰💦
すごい下げだね〰️😂

 

SNSでの口コミ⬇︎

 

 

まとめ

今回のポイントを纏めると以下となります。

ポイント

  • グローバルAIファンドは幅広いAI関連銘柄に投資
  • 為替ヘッジなしのパフォーマンスが高いが今後は為替ヘッジ有りの方がよいと思われる
  • 2021年秋にピークアウトして暴落している
  • 現在までの下落は長期金利の上昇による影響で今後は収益下落による下落が見込まれる
  • 長期的に見ても米国株の成長を牽引する企業が米国には存在せず、インデックスファンドですら厳しい時代が到来している

 

グローバルAIファンドのようなテーマ投信は調子の良い時は高いリターンが見込めますが、一度下落すると歯止めが効かなくなります。

資産運用を行う際に重要なのは安定的にリターンを積み重ね、どのような相場でも着実に資産を増やしていくことです。

以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

最後に:資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

積み重ねる運用

 

 

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

上場小型ベンチャー株に力一杯、資金を投入。一か八か、株価の急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。

そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

 

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てなど、あなたの資産を減らしてしまう運用はやめましょう。「Classic」且つ「質実剛健」な資産運用を行なっていくべきです。

 

私も資産運用歴は既にかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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