2020年のパンデミック以降、米国の成長株が大きなリターンをだしたことで注目が高まりました。
以下は米国の成長株が多く組み入れられているナスダック総合指数の推移です。
2020年から株価が急上昇しているのがわかります。2022年に大きく下落しましたが2023年になってから大きく回復しています。
このような状況を受けて日本でも米国のグロース株に投資する投資信託が人気を博しました。
その一つが今回、紹介するアライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドです。
今回はそんな「アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンド」の特徴をお伝えした上で今後の見通しについてお伝えしていきたいと思います。
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【2023年】日本国内のおすすめヘッジファンドを一覧にしてランキング形式で掲載!投資する際に気をつけたいポイントなど網羅的に解説。
今回は私の投資の軸を形成しているヘッジファンド(私募ファンド)への投資について以下の点を含めて記載していきます。 「ヘッジファンドとはそもそも何なのか?」 「何が優れているのか?」 「ど ...
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なぜ人気?アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドの特徴とは?
それでは特徴についてみていきたいと思います。
米国のグロース株に投資!構成上位銘柄は大型ハイテク企業が多い
アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドは名前の通り米国のグロース銘柄に投資をしています。
2023年6月末 | 2023年4月末 | 2023年2月末 | 2022年12月末 | 2022年9月末 | |
1 | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト |
2 | VISA | ユナイテッドヘルス・グループ | ユナイテッドヘルス | VISA | アルファベット |
3 | ユナイテッドヘルス・グループ | VISA | VISA | ユナイテッドヘルス | VISA |
4 | アルファベット(Google) | アルファベット(Google) | アルファベット(Google) | アルファベット(Google) | ユナイテッドヘルス |
5 | アマゾン・ドット・コム | アマゾン・ドット・コム | アマゾン・ドット・コム | アマゾン・ドット・コム | クラルコム |
6 | エヌビディア | バーテックス・ファーマシューティカルズ | ゾエティス | バーテックス | ゾエティス |
7 | モンスター・ビバレッジ | ゾエティス | バーテックス | ゾエティス | バーテックス |
8 | フォーティネット | モンスター・ビバレッジ | モンスタービバレッジ | コストコ | アマゾンドットコム |
9 | インテュイティブサージカル | コストコ・ホールセール | コストコ | モンスタービバレッジ | コストコ |
10 | バーテックス・ファーマシューティカルズ | エヌビディア | フォーティネット | ホームデポ | モンスター・ビバレッジ |
マイクロソフトやアルファベット(=Google)、VISA、アマゾンなどの大型ハイテク企業をふんだんに組み入れていますね。
これらの銘柄が多く含まれるナスダック100指数の値動きは以下となります。これだけで、大方アライアンスバーンスタインの基準価額の動きが想定できますね。
なぜ、このようなジェットコースターのような動きになっているのか、今後の値動きはどうなるのかという点については追って見通しの項目でお伝えします。
ちなみに2023年は年初からナスダックが反発していますが、賞味期限は短いと考えています。
大型株がAIブームで上昇しているだけであり、小型株に資金が全く入っていないからです。上昇相場は小型株も含めて上昇しなければなりません。
芯が存在しない相場は脆弱なのです。現在はかなりリスクが高い状況下と思われます。以下のADラインが危険信号を発しています。
※A/D Lineとは上昇銘柄と下落銘柄の差を示すテクニカル指標で指数の上昇が相場全体的な上昇か一部の銘柄によるものかが判断できます。
「A」「B」「C」「D」の4つのコースの違いとは?予想分配金提示型とは?
今回主に取り上げるのはDコースですが、アライアンスバーンスタインには4つのコースがあります。
Aコース | 為替ヘッジあり |
Bコース | 為替ヘッジなし |
Cコース | 為替ヘッジあり 毎月決算型 予想分配金提示型 |
Dコース | 為替ヘッジなし 毎月決算型 予想分配金提示型 |
為替ヘッジなしの場合はドル円が上昇すると基準価額は上昇し、ドル円が下落すると基準価額は減少します。
2022年のようにドル円が150円まで上昇する局面ではヘッジ無しが威力を発揮します。
ただ、来年米国の景気が沈没して米国金利が低下する局面ではドル円は下落するのでヘッジありの「A」と「C」の方が有利になると考えています。
「C」コースと「D」コースは毎月決算を行い分配金をだすかださないかを決めています。
分配金の基準は以下となっています。
前月末の前営業日の基準価額 | 分配金 |
11,000円未満 | 基準価額の水準等を勘案して決定 |
11,000円以上-12,000円未満 | 200円 |
12,000円以上-13,000円未満 | 300円 |
13,000円以上-14,000円未満 | 400円 |
14,000円以上 | 500円 |
このように分配金の基準をあらかじめ提示しているので予想分配金提示型としています。
直近2022年5月からの分配金の推移は以下となります。
年月 | 分配金 |
2022年5月 | 0 |
2022年6月 | 0 |
2022年7月 | 100 |
2022年8月 | 200 |
2022年9月 | 100 |
正直言って長期的な資産形成を考えた時に分配金をだすことは非合理的です。
分配金をだした瞬間に20%の税金がとられるので、再投資するとしても元本が減少してしまうからです。
目先の小さな現金より長期的なリターンを選ぶ方が合理的な選択肢といえます。
まとめると2023年から最も合理的なのはドル円下落をヘッジできて分配金を出さないAコースということになります。
手数料体系(購入手数料・信託手数料)
外国株に投資しているということで若干高めの設定となっています。
購入手数料:税込3.3%
信託手数料:税込年率1.727%
アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンド(Aコース/Dコース)の運用実績
それでは肝心の運用実績に移っていきたいと思います。
今回題名にもあげたDコースとさきほど一番合理的と説明したAコースでみていきます。
以下はDコースの成績となります。
この青色が分配金を出さなかった場合の基準価額です。Bコースと似た数値ということになりますね。
しかし、実際には分配金をだした瞬間に税金を差し引かれるので青色は実現しえません。灰色と青色の真ん中の成績となります。
上記を見ていただければわかる通り、既に今から投資するなら出遅れています。この点については後でお伝えします。
2014年からのチャートとしては素晴らしいですね。元本が3.2倍となっています。
ちなみにAコースは以下の通りとなります。配当金を出すのが半年に一回なので配当前再投資基準価額と実際の基準価額の乖離が小さくなっています。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | |
---|---|---|---|---|
2023年 | 7.28% | 8.71% | - | - |
2022年 | -12.09% | -19.53% | -5.86% | 2.21% |
2021年 | 0.30% | 14.85% | 0.01% | 11.68% |
2020年 | -9.66% | 21.48% | 9.06% | 10.09% |
2019年 | 14.45% | 3.32% | -0.12% | 10.47% |
2018年 | 0.61% | 5.42% | 6.32% | -13.28% |
2022年のトータルリターンは結局-31.93%となりました。
AコースとS&P500指数とナスダック総合指数を比較したものが以下となります。
青:アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンド
赤:ナスダック
緑:S&P500指数
S&P500指数とハイテク銘柄が多く組み入れられているナスダック双方を下回っていますね・・・。
高い手数料を払ってアライアンスバーンスタインに払う理由が見つかりません。もっと良い先はいくらでもあるかと思います。
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インデックスより高いリターンを安定して出す選択肢とは?
せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、安定してインデックスより高いリターンをだすファンドに投資をしたいのではないでしょうか?
更に長期投資を行うことを考えるとリーマンショックやコロナショックのような暴落をできる限り回避したいですよね。
特に現在は2022年の暴落からの反発局面でファンダメンタル的には、またいつ暴落が発生してもおかしくない環境が整ってきています。(後述)
つまり、インデックスより高いリターンを安全性高く期待できる選択肢こそが理想の投資先ということになります。
このような投資先として筆者が注目して実際に投資しているのがヘッジファンドです。
ヘッジファンドは市場環境に依拠することなく安定したリターンをだすことを至上命題としており、以下の通り理想的な値動きとなっています。
リーマンショックですら20%以内の下落に抑えているのは非常に魅力的ですよね。
以下で筆者も投資している上記のような値動きを実現しているヘッジファンドを中心としてまとめてお伝えしているのでご覧いただければと思います。
【2023年】日本国内のおすすめヘッジファンドを一覧にしてランキング形式で掲載!投資する際に気をつけたいポイントなど網羅的に解説。
掲示板での口コミや評判
それでは掲示板での口コミについて紹介したいと思います。
Yahoo finance①
ポンタさんと同じ期待ですが、現実的には厳しい状況だと思います。来月のFDRの利上げは間違いないでしょう。「金利が上がれば株価は下がる」のが金融の常識ですから、株価(それに関連する投信の基準価額も)はおそらく下がります。
悲観する必要はまったくありません。基準価額が下がるのですから、分配金はなくても、口数を増やす好機と言えます。
私の場合は取得価格が基準価額とほぼ同じ水準ですので、今のところ買い増しは見送ります。
Yahoo finance②
決算日にいつも特別分配金について議論になりますが、毎度同じ討論会になり見ていてつまらない。
特別分配金でやいやい悩むならこのファンドには向いてないので他に行くべきかといつも思います。
特別分配金とは運用リターン以上の配当金をだして元本を取り崩している分配金のことです。
特別分配金を出しているということは手数料を払って預金から引き出しているのと同義なので投資家としては望ましくない事態ですよね。
Yahoo finance③
去年の今頃までは、ここはひたすら負け知らず。最強の投信だったね。
今じゃ最低のパフォーマンスだが。
Yahoo finance④
N村から電話で月曜日に買い増しを勧められました。ここ勧めら購入してから、既に18%のマイナスなんですが・・・。買い増ししましたが大丈夫かなぁ~
アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドの今後の見通し
重要なのは今後の見通しですが、先ほど見てきた通りS&P500指数とナスダックの間の成績なので米国株市場の見通しを読むことと同義となります。
以下は1985年からのS&P500指数の推移ですが超長期で平均して年率7%のリターンをだしていますが、約10年毎に停滞期と上昇期がくっきりと分かれています。
そして、残念なことに2022年から米国株はしばらく厳しい展開となることが想定しておりました。当然、今年2023年も引き続き厳しくなると考えています。
止まることを知らないインフレを退治するために米国の中央銀行が苛烈な引き締めを実施しているためです。
インフレはピークアウトはしていませんが粘着しておりFRBの目標とは大きな乖離があり、インフレと金融引き締めで景気は沈没することが確定的な状態となっています。
今後数年、場合によっては10年間米国株は横ばいで推移する可能性もあります。実際、現在と同じインフレが発生していた1970年代は10年間横ばいで推移しましたからね。
株価が横ばいというのは、トレンドが決まらず株価を先導するセクター不在、そしてそんな相場は玄人にしかリターンは出せません。
株式市場の場合は、自分が玄人でなければ玄人に手数料を払って任せることができる特殊な場です。
自分の代わりに錦織圭選手にテニスの大会でプレーしてくれということにはなりませんからね。
しかし、運用に関してはプロに任せることができるので、どんどん活用すべきかと思います。
アライアンスバーンスタインのようなファンドはテーマファンドの側面が強く、プロに任せるというよりは、投資家の力が試されてしまうように見えます。
より良い投資先を模索していきましょう。
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今回は私の投資の軸を形成しているヘッジファンド(私募ファンド)への投資について以下の点を含めて記載していきます。 「ヘッジファンドとはそもそも何なのか?」 「何が優れているのか?」 「ど ...
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まとめ
アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドは米国の成長株に投資する投資信託です。以下の4つが存在します。
Aコース | 為替ヘッジあり |
Bコース | 為替ヘッジなし |
Cコース | 為替ヘッジあり 毎月決算型 予想分配金提示型 |
Dコース | 為替ヘッジなし 毎月決算型 予想分配金提示型 |
現在の情勢を考えると為替ヘッジありで分配金をださない「Aコース」が合理的になります。しかし、米国株はしばらく厳しい環境であるため、これから投資する方は我慢の時を迎えることになります。