アメリカン・ロイヤルロードの評判は?ティー・ロウ・プライス米国成長株式と割安優良株式の2つの投信を比較解説

日本中の投資信託を分析

アメリカン・ロイヤルロードの評判は?ティー・ロウ・プライス米国成長株式と割安優良株式の2つの投信を比較解説

2022年11月28日

今回取り上げるのはアメリカンロイヤルロードです。名前の通り米国株に投資をする投資信託です。

2020年以降、米国株への投資に多くの人が夢中ですよね。しかし、2021年でバブルは終わり、今後も米国株は安泰かというと筆者はかなり悲観的です。基本的にメディアなどで「これが最適解だ」というような報道が増えればそれは天井です。

2023年現在、ようやくインデックスファンド信仰の熱は薄れてきたように思いますが、それでも強気相場は程遠いのが現状ですね。

 

今回はそんな天井圏で投資家を積極的に集めているティー・ロウ・プライス米国成長株式とティー・ロウ・プライス割安優良株式の2つを分析していきます。

 

ティー・ロウ・プライス米国成長株式の特徴とは?

運用はティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社

投信の名前にも入っていますが、運用指図を行うのはティー・ロウ・プライス(ジャパン)株式会社となります。

グループ会社としての規模も非常に大きいアセットマネジメント会社です。1937年に米国メリーランド州ボルティモアで設立された独立系資産運用会社で、米ナスダック株式市場に上場しています。

主要株式指数であるS&P500にも採用されていますので、伝統ある企業と言えますよね。

 

ティー・ロウ・プライス

 

自社の株価は下がっていますが、今回取り上げる投信はどのようなパフォーマンスになっているのでしょうか。

ティー・ロウ・プライス 株価

 

投資対象は?(調査分析・ポートフォリオ構築フロー)

企業利益とキャッシュフローにおいて長期的な成長が期待できる銘柄の発掘をめざすと目論見書にはあります。

米国の時価総額80億ドル以上の会社の中で選んでいくという点以外は特徴は見当たりません。

調査・分析・ポートフォリオ構築(約70~120銘柄)

 

セクター配分と組み入れ上位銘柄

セクター配分と組み入れ銘柄も見ていきましょう。(2023年3月末

情報技術セクター、一般消費財・サービス、という並びを見るとグーグル、アップル、アマゾンかな・・・とすぐに思いついてしまいますが、そうであればインデックス投資で良いので、少しは個性を見せてほしいものです。

 

情報技術 37.4%
一般消費財・サービス 17.6%
ヘルスケア 14.4%
コミュニケーション サービス 12.8%
金融 9.8%
資本財・サービス 4.5%
生活必需品 2.0%
素材 0.8%
エネルギー 0.00%
公益事業 0.00%
不動産 0.00%
現金他 0.00%

 

では、具体的なポートフォリオを見ていきます。やはりGAFAMで上位が占められておりガッカリしました。

銘柄名 セクター 構成比
1 アップル 情報技術 米国 8.90%
2 マイクロソフト 情報技術 米国 8.90%
3 アルファベット コミュニケーションサービス 米国 6.00%
4 アマゾン 一般消費財 米国 5.60%
5 エヌビディア 情報技術 米国 4.70%
6 ユナイテッドヘルス ヘルスケア 米国 3.60%
7 ビザ 金融 米国 3.50%
8 マスターカード 金融 米国 2.90%
9 インテュイット 情報技術 米国 2.70%
10 ASMLホールディング 情報技術 米国 2.40%

 

ナスダックと何が違うのでしょうか。なぜ指数ファンドにアクティブ投信の高い手数料を払わなければならないのでしょうか。

当然、上位銘柄は今年大きく下落している銘柄ばかりです。

ナスダック

 

手数料(買付手数料/信託報酬)

購入時手数料は購入価額に3.3%(税抜3.0%)を上限としています。信託財産留保額はなしとなっています。売買では手数料は購入の時だけですね。

運用管理費用 (信託報酬)は年1.463%(税抜1.33%)です。

 

掲示板やSNSにおける評判

2022年は上昇していないので、良い評判は特にありませんね。

現金化することは、いいことと思います。
中長期の考えで、なかなか部分解約を
することは、決断できませんでしたが、
これだけ停滞するとは、考えられませんでしたが、少し身軽になって、投資に、
臨めるようになりました。
大事な、お金を、後悔しないようにしょう。
お体も、お大事に、気長に頑張りましょう。

ナスダック銘柄ばかりなので下がるばかりですね。我慢して保有してますが、復活あるのかな? 銘柄見直し欲しいところです。

Yahoo!ファイナンス

 

ティー・ロウ・プライス⽶国割安優良株式ファンドの概要

運用はティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社

運用法はアメリカンロイヤルロードと同じくティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社です。

運用委託先(マザーファンド)は細かく見ていくと以下となっています。

  • ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ、インク(所在地 : 米国)
  • ティー・ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッド(所在地 : 英国)
  • ティー・ロウ・プライス・香港・リミテッド
  • ティー・ロウ・プライス・シンガポール・プライベート・リミテッド
  • ティー・ロウ・プライス・オーストラリア・リミテッド

 

ファンドの仕 組み

 

 

投資対象は?

90億ドル以上の米国株式です。

割安優良株に投資をするバリューファンドですので、銘柄選択は独特なものになっていると期待したいところです。パフォーマンスを出せばなんでも良いと言えば良いのですが。

運 用プロセス

 

 

セクター配分と組み入れ上位銘柄

セクター配分と組み入れ銘柄も見ていきましょう。(2023年3月末

金融・ヘルスケアが最もポーションが大きく、ヘルスケアは不況に強いセクターであり、まさに米国はこれから不況に突っ込むところですので上昇が期待できるのかもしれません。

■セクター配分
金融 22.95%
ヘルスケア 19.25%
資本財・サービス 12.07%
生活必需品 11.29%
情報技術 8.13%
エネルギー 5.91%
公益事業 5.72%
一般消費財・サービス 5.38%
コミュニケーション・サービス 4.60%
不動産 2.18%
素材 1.69%
現金他 0.86%

 

エバンヘルス、ペクトンなどヘルスケアが上位銘柄となっています。

順位 銘柄名 セクター 構成比 比率
1 エレバンスヘルス ヘルスケア 3.48% 4.85%
2 バークシャーハサウェイ 金融 3.07% 4.14%
3 サザン 公益事業 2.87% 3.71%
4 エクソンモービル エネルギー 2.86% 3.60%
5 JPモルガンチェース 金融 2.69% 3.53%
6 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) ヘルスケア 2.60% 3.06%
7 アルファベット コミュニケーション サービス 2.52% 3.02%
8 フィリップ・モリス・インターナショナル ⽣活必需品 2.50% 2.98%
9 バンク・オブ・アメリカ ⾦融 2.31% 2.83%
10 モンデリーズ・インターナショナル ⽣活必需品 1.93% 2.28%

 

エレバンスヘルスの株価は年初来-7.82%です。経済指標が不況を示している割には株価は振るわないですね。

エレバンスヘルス 株価

 

バークシャーはまずまずですね。

バークシャーハサウェイ 株価

 

手数料(買付手数料/信託報酬)

購入時手数料は購入価額に3.3%(税抜3.0%)を上限としています。信託財産留保額はなしとなっています。売買では手数料は購入の時だけですね。

運用管理費用 (信託報酬)は年1.4575%(税抜1.325%)です。

 

掲示板やSNSにおける評判

 

本来だったら今の時期10,000を切るなんて事はなかったであろう銘柄だったが利上げの影響なのか上がらない。リセッションさえなければ入れっぱなしで10年放置が正解でしょうが精神衛生上悪いな。いや、逆にリセッションで他の主要銘柄下げまくってる時にここに資金が回ってきて上がるのかも知れませんね。ダウとは連動しないディフェンシブ銘柄に違いないですからね。完全にトレンドから外れてる印象。高値で入ったので手持ちで一番損失がデカい。20000超えて欲しいなぁ。

下がりっぱなし。。。

他より下げて他より上がりが小さい
最近多いですね

撤退検討してる方いますか?
強みが限定的すぎません?

知識も無く発言して不愉快にさせてしまったら申し訳ない

YAHOOファイナンス掲示板

 

 

ティー・ロウ・プライス米国成長株式の基準価額・運用実績(利回り)

■運用実績の推移

 

基準価額は13,151円となっていますが、運用開始が2019年末となっています。つまり、運用開始後即コロナショックが直撃し、そしてバブル相場に入っていったということです。

とてもラッキーなファンドですよね。にも関わらず、しっかり2021年末からの株式相場の大暴落に巻き込まれ、円安+30%を超える水準にも関わらずリターンはイマイチです。

円安自体は2020年から始まっていますので、ナスダックが40%の利回りなど2020年に叩き出していた割には不調で終わっています。

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン 3.49% 15.21% 2.86% -13.10% -- -- -- 31.51%

 

ティー・ロウ・プライス割安優良株式の基準価額・運用実績(利回り)

実際のファンドの実力を見るために、為替ヘッジありのAコースの運用実績を見ていきます。為替ヘッジなしですと、ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンドのように大暴落を経験していても損失が限定的に見えたりします。今年は円安がとても進みましたからね。

しかしこれからは円高です。

運⽤実績の推移

 

やはりベアマーケットがなば挽いているので厳しいですね。マイナス運用となっています。

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン -2.08% -3.42% 4.89% -16.31% -- -- -- -15.12%

 

ちなみにヘッジ無しは以下の通りです。全部為替益ですね。設定来7%はきついです。

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン -3.71% -1.36% -0.83% -4.45% -- -- -- 7.57%

 

 

今後の見通し

基本的にティー・ロウ・プライス米国成長株式、割安優良株の今後の行方は米国株の市場全体の動き次第です。

2023年4月現在はまだまだ利上げ中であり、厳しい運用が続くと思われます。そして、いつかは利下げに転じるでしょうから、米国株は今の下落基調から上昇基調になるとは思います。

 

しかし、すでに1980年台からの度重なる利下げ、そして2020年の異次元緩和を追加しIT業界の成長を搾り取り切ってしまった印象が非常に強いです。

1980年代から2021年まで異次元金融緩和の実施 低金利=株高

 

わかりやすく大衆も米国株に夢中になっており天井圏にしか見えません。投資家は「グロース」がどこにあるのか、常に追い求める必要があります。

そして、今後は米国株ではないことは間違いないと思います。

 

最後に:資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

積み重ねる運用

 

 

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

上場小型ベンチャー株に力一杯、資金を投入。一か八か、株価の急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。

そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

 

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てなど、あなたの資産を減らしてしまう運用はやめましょう。「Classic」且つ「質実剛健」な資産運用を行なっていくべきです。

 

私も資産運用歴は既にかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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