日本では珍しいヘッジファンド投資家ですので、ブログの読者の方からよく質問を受けます。
頂いた質問の中に、私が投資しているヘッジファンドはすぐ換金することが出来ますか?出来ないのであれば、どれくらい定期的に現金化することが出来ますか?という内容の質問がありました。
確かに投資した資金が自由に換金可能かというのは投資する上で重要な観点ですよね。ヘッジファンドでは資金が拘束される期間のことをロックアップ期間と読んでいます。
本日はヘッジファンドの資金拘束時間に該当するロックアップ期間についてポイントを記載していきたいと思います。
ロックアップ期間の意味とは?
ロックアップ期間という言葉を聞いたことありますでしょうか?
このロックアップ期間の元々の意味は企業が上場する以前に株式を保有していた社長・役員含めた株主が、上場後の一定期間自分の保有する株を売却しないように公開前に契約を交わす制度のことを指します。
一般的にはロックアップ期間は180日とされています。上場した瞬間に全員が売ってしまったら、株価が地の底に低迷してしまいますからね。
この制度が転じて、ヘッジファンドなどに資産を預託し運用が開始されてから、解約することが出来るまでの期間のことも俗にロックアップ期間といったりします。
ヘッジファンドのロックアップ期間ってどれくらい?
海外の著名なヘッジファンド等では決算期間が年1回のところも多いため、基本的には年1回、多い場合でも半年に1回というところが殆どです。
しかし、私の投資している日本のヘッジファンド(BMキャピタル)では、4半期毎に解約して現金化することが可能となります。
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これはかなり投資家によりそった期間設定ではないでしょうか。(※運用開始も各四半期毎になります)
因みに四半期に一回運用レポートを発行しており大変勉強になっています。既に売却した銘柄について何故投資を行うと判断したか、そしてどのような行動を行い何故利益確定をしたのかということについて詳細に記載しております。
これを勉強するだけで、自分の自己運用を行う場合の道標とすることが出来る大変貴重なものになります。投資を任せるだけではなく、活用次第では自分の投資技術も磨くことが出来るのです。
何故ロックアップ期間が存在するのか?
ではそもそもロックアップ期間というのは何故存在するのでしょうか?
実際投資信託ではすぐに解約できるように設定していることを考えると、不可解にも思えるこのロックアップ期間。その存在理由についてふれていきたいと思います。
ロックアップ期間存在の理由
ヘッジファンドのマネージャーは相場環境を見極めながら、どのような相場環境であっても収益を獲得できるように戦略を練っています。
そんな中、新規の受付や解約が頻繁に発生すると、運用しなければいけない総額の資金が変わってきます。
日々のこのような調整を余儀なくされると、折角練り上げた運用戦略を途中で変更しなければいけなくなる為、結果的に運用成績に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。
それでは運用期間中に資金の出し入れがあることによる不利益について例にそって見てみましょう。
運用期間中に解約が相次いだ場合
例えば、あるA社の株が割安な為、購入すべき局面において、顧客からの解約により資金が足らなくなり購入できなかったとします。
その後、A社の株が適正価格まで順調に上昇した場合、本来このファンドが獲得できたはずの利益を逸することになるのです。
これは重大な機会損失ですよね。
運用期間中に新規入金が相次いだ場合
例えばあるヘッジファンドが非常に人気がでて、運用期間中に新規の入金が相次いだとします。
極端な例で説明すると、現在運用総額が100億円のファンドがあったとします。このファンドのファンドマネージャーは投資戦略として100億円分の投資先について考えます。
この投資が上手くいったとして、20%の利益がでて120億円になっていたところに、評判が評判を呼び新たに大量の100億円の入金があったとします。
ファンドマネージャーは100億円分の投資先を考えていたところに、200億円に増えたので何も投資ができなかったとすると、
本来100億円の投資で120億円となり20%の利益を得れたところを、200億円の投資で220億円となり10%の利益になってしまいます。
つまり、この場合既存の投資家の利回りが低下してしまうのです。
ロックアップのまとめ
一見身勝手と思われるロックアップ期間ですが、裏を返すと投資か保護のためにおこなっている施策であると言い換えることが出来ます。
投資家一人あたりの投資金額が大きいヘッジファンドならではの事情と言うことが出来るでしょう。
私の投資しているファンドのロックアップ期間が短い理由
先程、私の投資しているヘッジファンドではロックアップ期間が短いということを申し上げましたが、それによって上記のような悪影響がでるのではないか?
と考えられた方もいると思います。
では何故ロックアップ期間を強気に短い4半期毎に設定しているのかということを、直接聞いたことがあるのですが、それは以下の理由によるものです。
解約があまり発生しない
凄い自身ですよね。私の投資しているヘッジファンドでは、平均して10%程度の利回りを継続して出し続け、6年間半期ベースでマイナスの成績となったことはありません。
直近でいうと速報ベースですが、日経平均が15%程度下落している中においても、殆ど基準価格を落とさずに運用しております。このようなファンドにおいて、あまり解約が発生しないのは納得っですよね。
ロックアップ期間が短いのは、運用成績への自信の表れだといえるのです。
投資先がまだまだ豊富にある
投資戦略を立てる上で、新しい投資戦略に限界がきており新たな投資先が見つからない場合は新規の資金が大量にくると投資先が枯渇してしまいます。
然し、私の投資しているヘッジファンドには確固たる投資理念があり、現在の運用資産規模に比して、まだまだ投資先があり限界はまだまだ先であるとのことでした。
更に、仮に限界がきたとしても、私の先輩である東大卒の優秀なヘッジファンドマネージャーが柔軟な投資戦略を組み立てることにより、新たな投資先を見つけることと思います。
ロックアップ期間のまとめ
ロックアップ期間は運用開始から解約までの期間となりますが、これはファンドの運用戦略に影響を与えないように一定期間の運用資産額を固定化するために設けられた期間である。
海外の著名なヘッジファンドなどでは1年短くても半年を設けていますが、私の投資しているヘッジファンドでは4半期という投資家に優しいロックアップ期間となっています。
短い理由は運用に自信があり、尚且つ投資先を豊富に持っているということであり、優良なヘッジファンドであることを示す証左となっています。
皆さんも、ヘッジファンドを探す際にはロックアップ期間に注意し、なるべく良いファンドを探してみて下さい。
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