株式投資の手法を大別するとグロース株投資とバリュー株投資の2つに大別されます。
グロース株投資は成長が期待できる株に投資する投資手法です。
一方のバリュー株投資は割安株と言われる銘柄に投資する手法です。今回はこのグロース株投資と割安株投資の違いについて説明した上で、資産運用におすすめなのはどちらなのかという点を書いていきたいと思います。
両者は本質的には同じ?
まず皆さんグロース株投資とバリュー株投資が本質的に異なるものだと理解されているかたもいらっしゃると思います。
しかし、実は本質的には同じだということを説明したいと思います。
皆さんある株を買う時は何を思ってかうでしょうか?
当然、いうまでもなく将来値上がりすると思うから買うわけですよね。将来値上がりするということは、現時点の価格は安いと思って購入判断をするのだと思います。
バリュー株投資もグロース株投資も、現時点で安いと思って購入するという点においては全く同じなのです。
かの有名なウォーレン・バフェットも一見、ROEが高い成長株を選んで購入しています。彼の投資の根本を成しているのは彼の師であるベンジャミン・グレアムのバリュー株投資なのです。
左がベンジャミン・グレアムで右がバフェット氏です。
グロース株投資とバリュー株投資の違い
両者は何が違うのかということを見ていく前に、まず理論株価というものについて説明していきたいと思います。
=
(①純資産価値+②今後の事業価値)
÷
③発行済株式数
で表すことが出来ます。この式の意味するところを図示すると以下のようになります。
要は理論株価は今いくら持ってて、将来いくら稼ぐのかとで導き出されるということですね。
非常に分かり易い考え方だと思います。
グロース株とバリュー株の違い
それでは愈々両者の違いについて踏み込んでいきたいと思います。バリュー株とグロース株では以下の理論株価で見ている部分が違うのです。
=
(①純資産価値+②今後の事業価値)
÷
③発行済株式数
グロース株は今後の事業価値に注目
グロース株では①純資産価値と②今後の事業価値を評価してますが、より②に重点を置いて割安かどうかの評価を行います。
つまり将来見込まれる収益を現在の価値に割り戻したところ現在の株価より大幅に高くなるので、現在の株価は安いと見込んで購入する手法ということです。
つまり市場は、該当企業の成長の織り込みが弱いから、自分の見込んだ通り成長すれば株価は飛躍的に上昇すると考えて投資判断を下す訳です。
バリュー株は現在の保有する価値に注目
ここでいうバリュー株はバリュー株提唱者のベンジャミン・グレアム氏が提唱した本格的なバリュー株投資であり、
単に世の中で言われているような低PBR、低PER投資とはことなります。
本格的なバリュー株投資では今後の事業価値を算定にいれず、現在の純資産価値だけに着目して投資判断を下します。
つまり今現在持っている企業の純資産が株価に対して割安だから購入をしようというわけですね。
どちらが資産運用に向いているか?
どちらが資産運用にむいているかという点についてみていきましょう。
まず資産運用に向いている投資について説明すると、資産運用を行う目的は資産を投資によって着実に安全に殖やしていくことだと思います。
最も重視しなければいけないのは、投資元本を極力毀損することなく5%~10%の運用利回りを積み重ねて複利効果で大きな資産を将来的に築くことだと思います。
大きな利回りを狙うのであれば、グロース株が適しているかもしれませんが、
グロース株はボラティリティが高く、反対に大きく元本を毀損する可能性があります。ベンジャミン・グレアムもグロース株に関しては警鐘を鳴らしています。
未来というのは不確実なことが起こるものであり、5年から10年という長期的な未来の収益を見通すのは難しい。
また短期的な未来については既に株式分析のプロ達が分析しつくし予想した結果が現在の株価に織り込まれており、彼らより正しい分析を行うのは至難の業である。
そのため未来の価値を想定した投資は失敗する可能性が高いと警告しております。一方バリュー株投資は今時点での確かな企業の資産から投資判断を下します。本格的なバリュー株投資の手法を紹介すると、以下のような条件を満たす企業の株を購入します。
そのため確実性の高さから考えるとバリュー株投資の方が有効なのです。
本家本流のグレアム流のバリュー株投資については以下でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
→ ベンジャミン・グレアムの『ネットネット株投資』をわかりやすく解説!本格的バリュー株投資とは?
グロース株とバリュー株のリターンの比較
では実際にどちらの方がリターンが高いのかという点について踏み込んでいきたいと思います。以下は1979年以降のバリュー株とグロース株の推移をご覧ください。
Large Value(大型バリュー株)はLarge Growth (大型グロース株)を大幅にアウトパフォームしています。
長期的にみると、バリュー株に大きな優位性があることが見て取れます。
一方、直近でみるとグロース株投資優位の環境が続いています。しかし、あくまで以下は2020年前半までのデータです。
2021年に入って高くなったグロース株が売られてバリュー株に資金が還流し始めている動きが見られています。
トレンド転換的にも長期的な実績的にも手堅くリターンを狙うのであればバリュー株投資の方が合理的な選択肢であるということができるでしょう。
おすすめのバリュー株投資手法とは?
ただ単に低いPBRや低いPERといった理由で投資するわけではなく、
確りと分析した上で投資を行っている管理人が投資している投資ファンドでは毎年10%程度の利回りを創設以来6年間上げ続け、更に半年ベースで下落したことは今まで一度も御座いません。
更に能動的に株価を上昇させるよう、経営陣に働きかけるというアクティビスト的な行動もとっており、守りだけではなく積極的に株価を上昇させていく動きをとっております。
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