新興国株式

成長著しいベトナム株式市場はおすすめできる?ベトナムVN指数の2023年以降の見通しや個別銘柄を含めて徹底解説!

2022年6月27日

筆者はこれまで、日本だけに投資すべきではなく、海外投資も選択すべきということを何度も明言しております。

2022年までは米国株がホットでしたが2023年からは再び新興国株式に脚光があたると考えて投資を行なっています。

→ 買い時は今!?2023年以降の新興国株式市場の見通しを考察 !おすすめのインデックスやファンドとは?

 

筆者が投資しているファンドを含めて魅力的なものを以下でまとめています。

 

【最新版】新興国の投資信託やETFのおすすめランキング13選!ポイントは今後の成長力と株式市場の魅力度。

 

今回は代表的な新興国であるベトナム株式市場について検証していきたいと思います。

新興国投資をする上で、対象の国が成長していることが大前提となり、成長が確認できればあとは資金投入するタイミングです。

この記事で、網羅的に見ていきたいと思います。

 

ベトナムってどんな国?

まずはベトナムの一般概要と経済概要をみていきましょう。

一般概要

ベトナム

国・地域名 ベトナム社会主義共和国 Socialist Republic of Viet Nam
面積 33万1,690平方キロメートル(日本の0.88倍)
人口 9,758万人(2020年、出所:ベトナム統計総局(GSO))
首都 ハノイ 人口 721万6,000人、ホーチミン人口 814万6,000人(2015年、出所:同上)
言語 ベトナム語、ほかに少数民族語
宗教 仏教(約80%)、そのほかにカトリック、カオダイ教、ホアハオ教など
公用語 ベトナム語

引用:JETRO

 

国土は日本より少し小さく、人口も9,758万人と日本と近い水準です。かなり親近感が湧いてしまうサイズ感です。

位置する場所はカンボジア・ラオス・タイのすぐ近くですね。東南アジアの中心という感じですね。

 

経済概要

項目 2019年 2020年 2021年
実質GDP成長率 7.0(%) 2.9(%) 2.6(%)
名目GDP総額 261.92(10億ドル) 271.16(10億ドル) 362.64(10億ドル)
一人当たりの名目GDP 2,714(ドル) 2,779(ドル) n.a.
鉱工業生産指数伸び率 9.1(%) 3.4(%) 4.7(%)
消費者物価上昇率 2.8(%) 3.2(%) 1.8(%)
失業率 3.1(%) 3.9(%) 4.3(%)
(備考:失業率) 都市部 都市部 都市部
輸出額 264,267(100万ドル) 282,629(100万ドル) 336,167(100万ドル)
(備考:輸出額) FOB FOB FOB
対日輸出額 20,334(100万ドル) 19,268(100万ドル) 20,108(100万ドル)
(備考:対日輸出額) FOB FOB FOB
輸入額 253,393(100万ドル) 262,691(100万ドル) 332,843(100万ドル)
(備考:輸入額) CIF CIF CIF
対日輸入額 19,540(100万ドル) 20,345(100万ドル) 22,565(100万ドル)
(備考:対日輸入額) CIF CIF CIF
経常収支(国際収支ベース) 13,101(100万ドル) 14,932(100万ドル) △3,812(100万ドル)
貿易収支(国際収支ベース、財) 10,874(100万ドル) 19,938(100万ドル) 3,324(100万ドル)
金融収支(国際収支ベース) 3,880(100万ドル) 8,148(100万ドル) △16,624(100万ドル)
直接投資受入額 38,952(100万ドル) 31,045(100万ドル) 38,854(100万ドル)
(備考:直接投資受入額) 外国投資受入額 外国投資受入額 外国投資受入額
外貨準備高 78,810(100万ドル) 95,452(100万ドル) 109,963(100万ドル)
(備考:外貨準備高) 金を含む 金を含む 金を含む
対外債務残高 117,337(100万ドル) 125,045(100万ドル) n.a.
政策金利 6.00(%) 4.00(%) 4.00(%)
(備考:政策金利) 期末値 期末値 期末値
対米ドル為替レート 23,050(ドン) 23,208(ドン) 23,160(ドン)
(備考:対米ドル為替レート) 期中平均値 期中平均値 期中平均値

引用:JETRO

 

2020年はGDP成長率が2.9%、2021年は2.6%と他新興国に比べるとCovid-19パンデミックの影響は軽微です。

株式投資の世界でも、株式市場全体が下落している時に下落耐性が強い株式は上昇しやすいという特徴があります。

ベトナムも同じような成長が今後も見込めるのでしょうか?

 

(3)2020年は、新型コロナ感染症の影響により10年ぶりの低水準の成長率となったが、近隣諸国がマイナス成長の中、ASEAN内で最も高い成長率を記録した。

外務省:ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)

 

 

ベトナム経済の成長は継続するのか?GDP成長率から見る国の未来

まずはベトナムの近年の成長率をご覧ください。

ベトナムのGDPと成長率

引用:World Economic Outlook Databaseを元に筆者が作成

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
GDP 1,513,855 1,621,041 1,740,044 1,875,584 2,017,139 2,157,895 2,311,742 2,442,628 2,574,478 2,739,843 2,915,554 3,076,042 3,246,870 3,455,392 3,696,826 3,944,144 4,217,875 4,521,444 4,844,733 4,987,354 5,115,805 5,474,011 5,811,376 6,192,546 6,607,358 7,052,280 7,533,333
GDP成長率 6.9 7.1 7.3 7.8 7.5 7.0 7.1 5.7 5.4 6.4 6.4 5.5 5.6 6.4 7.0 6.7 6.9 7.2 7.2 2.9 2.6 7.0 6.2 6.6 6.7 6.7 6.8

 

ご存じの通り2020年、2021年の成長はパンデミックによりブレーキがかかりました。

しかし2022年は8%の成長となっており世界最高水準となっています。また、2023年以降も高い成長率を維持するとIMFから発表がありました。

以下JETROの2023年1月10日付の記事です。

 

ベトナム統計総局は12月29日、2022年の実質GDP成長率(推計値)を前年比8.02%と発表した。2022年初に公表した政府目標6.0~6.5%を達成し、1997年以来となる8%超えで近年最も高い成長率となった

<<中略>>

2023年について、ベトナム国会はGDP成長率目標を6.5%と定めているが、グエン・ティ・フオン統計総局長は「国際情勢が予測困難であり、ベトナムの経済成長に与える影響も大きいため、2022年の順調な成長に対し、2023年は挑戦的な目標となるだろう」と見通しを述べた。

 

2022年のCPIは前年同期比2%程度と世界的いインフレが発生しているなかで非常に安定した数値となっています。

ベトナムの食料自給率やエネルギー自給率は高く日本のように輸入に依存している国よりは低く抑えられているのです。

 

ベトナムの高い食料自給率

参照:農林水産省

 

とはいえ、今後は米長期金利で逆イールドも発生し、高い利上げペースを伴う金融引き締めは不況をもたらしてきました。

その中でベトナムがどれくらい影響小さく、引き続き経済成長を続けていけるかは必見ですね。

一人当たりGDPは3,498米ドル(8,190万ドン)となっています。中所得国の罠とされる10,000ドルまではまだ距離があり、引き続き大きな成長余地があると言えます。

 

中所得国の罠は、開発途上国が一定規模にまで経済発展した後、成長が鈍化し、高所得国と呼ばれる水準には届かなくなる状態ないし傾向を指す通称。2007年に世界銀行が『東アジアのルネッサンス』にて、同現象を形容する言葉として用いたのが初出である。

 

 

ベトナムは今後の経済発展の条件を満たしている?人口ピラミッドをチェック!

今後の国の経済発展の可能性を探る糸口として、まず基本となる指標は人口構造ですね。

例えば日本の経済発展も終戦期に、子供をどんどん作り、人口1億人時代となったことが爆発的な経済成長に繋がりました。

 

人口がなぜ重要かと言うと、人口の数は強靭な労働力になり、活発な消費へ繋がるからです。

この2つは経済成長へのとても重要なドライバー機能を果たします。この期間を人口ボーナスとも言います。

 

新しい世代が画期的なアイデアを発信するなどのポジティブな側面も強いです。

現在のベトナムの人口ピラミッドは以下のようになっています。1億人の大台が近づいてきていますね。

 

ベトナム人口ピラミッド

 

注目されている新興国は全て共通しますが、ベトナムも良い人口ピラミッドの形ですね。

最も人数の多い世代が20代後半から30代前半なので、今後20年から30年は、現在の労働力が洗練化されながら労働人口が増えていく形になっています。

 

さて、この労働資源についてですが、教育の水準が高くなければ経済発展における労働力が担保されません。

例えば日本が発展した理由に日本の教育水準の高さがあります。

日本は脅威の識字率99%を誇っており、また論語と算盤教育により基本的な教育水準が非常に高かったという点が、その後の科学技術の発展に寄与しています。

その教育水準はあのマッカーサーも驚愕するほどでした。

 

人口が理想的なピラミッド構造を誇っているアフリカ諸国がいまいち発展できていないのは教育水準の低さが大きく寄与しています。

その中でベトナムは識字率は93.4%、義務教育である中学までは基本的に全員が通っており問題ない水準といえます。

知的産業へのシフトもこの教育水準にかかってきます。

 

ベトナムの産業構造は偏っていないか?

ロシアやサウジアラビアのように極端に資源に産業構造が偏っている場合は、原油価格下落のようなショックに耐えることができません。

ベトナムの産業構造のバランスがどのようになっているのかを見てみましょう。

 

主要産業(GDPに占める比率)

 

 

外務省データでは、農林水産業(GDPに占める割合14.85%)、鉱工業・建築業(同33.72%)、サービス業(同41.63%)となっています。

 

ベトナムの産業構造は偏っていません。製造業偏重と思ってしまいますが、意外にもサービス業が大きなポーションを占めています。

ただ、次の項目でもわかる通り製造業もこれからまだまだ伸びる余地があります。

 

まだ中所得国の罠からは距離のあるベトナムの経済い水準

新興国の経済発展のドライバーに賃金の安さがあります。

少し前まで世界の工場といわれていた中国は1人あたりGDPが10,000USDを超えてきており既に賃金が安い国ではなくなってきています。

ただ、以下でお伝えしているとおり中国は高付加価値の産業への移行も成功しており持続的な成長を実現しています。

→ 躍進を続ける中国経済!崩壊が囁かれているが実態は?特徴と今後の見通しを含めてわかりやすく解説。

 

以下はベトナムの1人あたりGDPの推移です。

2023年時点ではまだ5000USDにも到達していません。つまり年収は60万円程度ということです。

まだまだ低所得国で低賃金を背景とした経済発展が期待できる水準にあります。

ベトナムの1人あたりGDPの推移

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
1人あたりGDP 499 513 547 610 757 873 996 1152 1447 1481 1628 1950 2198 2370 2567 2582 2720 2958 3202 3398 3514 3718 4163 4683 5118 5583 6078 6600

 

 

ベトナム株式市場については?ベトナムVN指数は割安?割高?

ベトナムの株式市場をみていきましょう。ベトナムの代表株価指数はVN指数ですね。日本でいうところの日経平均ですね。

 

ベトナムVN指数の推移

 

既に2020年の金融緩和により、大きく上昇してた分の半分くらい調整していますね。

新興国の株式を動かす要因として先進国の中央銀行の政策があります。

 

例えば世界最大の中央銀行であるFRBのバランスシートの推移をご覧ください。

パンデミックを機に急速にい増加しましたが2022年から縮小に転じています。

 

FRBのバランスシートの推移

 

バランスシートが拡大するということは中央銀行が市場に資金を供給することを意味します。

つまりリスクアセットである株式市場にもお金が入ってきます。世界の資金の出しては先進国なので先進国の資金は新興国株式にも流れ込みます。

一方、先進国の中央銀行が資金を市場から吸収すると新興国株式市場からも資金が引き上げられます。

 

世界中でインフレが発生して先進国の中央銀行を中心に市場からマネーを引き上げてインフレ抑制に動いているためです。

2023年もこの傾向はまだまだ続くことが想定されるので、暫くは厳しい環境が続くことが想定されます。

 

ちなみに現時点でも主要国と比較してもベトナム株は割安水準となっています。

ベトナム株に投資する妙味は高まってはいますが落ちるナイフの中で掴むのは勇気がいりますね。

ベトナムVN指数のPERの推移

 

今、最も旬な新興国株式とは?ベトナムは株式投資するには時期尚早?

今、最も旬な新興国株式はベトナムではありません。

というのもベトナムはまだ衣食住が充足されている段階ではなく、株式を国民が購入する段階に到達していません。

日本でも株式が本格的に上昇を始めたのは、ある程度国民が豊かになった1980年代のことなのです。

 

日経平均株価は上昇を始めたのは1980年代

 

現在のベトナムはまだ日本の1960年代後半から1970年代前半の水準です。株式投資ではなく不動産投資が魅力的なフェーズです。

株式の前に住むところが優先ですからね。そのため、完全に外国人の資本に依存した株式市場となっています。

本格的に上昇を目指すのであれば国民が我先にと自国の株式を購入する段階にある国の方が魅力的です。

 

現在、1980年代の日本と同様の経済水準となっているのが中国です。

→ 躍進を続ける中国経済!崩壊が囁かれているが実態は?特徴と今後の見通しを含めてわかりやすく解説。

中国はまさに1980年代の日本と同様の経済水準となっており、ここから飛翔の時を迎えようとしています。

現在の中国の1人あたりGDPは日本の1980年代の1人あたりGDPと同じ

 

以下では筆者が実際に投資をしている中国株式に投資をするファンドを含めて魅力的なものをランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

 

【最新版】新興国の投資信託やETFのおすすめランキング13選!ポイントは今後の成長力と株式市場の魅力度。

 

ベトナム株はどこで購入できるのか?楽天証券やSBI証券?

では本題に戻していきます。

これまでの分析で、ベトナムの株式市場は今後も堅調に伸びていくことが想定されますが株式市場にはストップがかかっている状況です。

個別銘柄を購入するには目利きが必要でしょう。

 

株価指数連動型の金融商品を購入する場合は、一つ目は株価指数に連動するETFや投資信託を活用できます。

ETFは取引時間中に普通の株式と同様に売買ができます。

楽天証券が取り扱っている「db x トラッカーズFTSEベトナムETF」が該当しますね。

投資信託の場合、購入を申し込んだ翌日、解約申し込みの翌日に売買が執行されますが、指数に連動して運用されているという点では同じです。

 

これらの取引手法には欠点があり、それは売買手数料と株価指数への連動率が低いということです。

売買手数料は売買額に対して2%程度であり、一回の売買取引で「4%」と大きいです。

 

加えて、私がETFや投資信託を購入した経験した結果なのですが、全く株価指数と連動せず想定通りに運用できなかった経験をしています。

以下は先ほどの「db x トラッカーズFTSEベトナムETF」とベトナムVNインデックスの比較は以下となります。

 

「db x トラッカーズFTSEベトナムETF」とベトナムVNインデックスの比較

 

だいぶ乖離していますよね。わずか3年足らずでこの乖離です。期間が長くなればなるほど乖離は深刻なものになります。

この点について証券会社に問い合わせましたが以下の回答が返ってきました。

 

証券会社の回答

指数構成銘柄の組み換え、解約購入時のポートフォリオ組み換え時のコストによって乖離します。

連動数値へ最善の努力をしておりますという回答が返ってきたのでした。

 

後程私自身も調べたのですが、ベトナム株の中には外国人投資規制によりETFに組み込めない銘柄もあるので連動率が他の新興国株よりも更に低いということが分かりました。

このようなこともあり、私自身指数連動型のETFや投資信託を利用するのは控えています。

 

ベトナム株を組み入れた投資信託であれば、以下のような商品もあります。

  • ベトナム成長株インカムファンド
  • ベトナム株式ファンド
  • CAM ベトナムファンド
  • DIAM ベトナム株式ファンド

 

とはいえ、上記のアクティブファンドは金融引き締め時期のパフォーマンスは特に悪く2023年にいたっても絶賛金融引き締め中です。

損失を覚悟の上投資するのであればいいのですが、単純に今は買い場ではないと思います。

 

ベトナムの個別株の買い方と注意点とは?

ベトナムの個別株は以下の証券会社で売買できることは確認できました。

  • SBI証券
  • 岩井コスモ証券
  • アイザワ証券
  • むさし証券
  • ニュース証券

以下は一部ですがSBI証券の取り扱い銘柄です。

リストを貼っておいてあれなのですが個人では新興国の個別株は買わないほうがいいと思います。難しすぎます。

 

ティッカー 銘柄(英語) 事業内容
AAM メコン水産 水産会社
Mekong Fisheries JSC
ACB アジアコマーシャル銀行 商業銀行
Asia Commercial Bank / Vietnam
BID ベトナム投資開発銀行 ベトナムの商業銀行。預金、個人向けローン、保証、個人・企業向けの貿易金融を提供し、為替、マネーマーケット、デリバティブ、債券市場サービスも提供している。
Bank for Investment and Development of Vietnam
CTS ベトインバンク証券 多角的な金融国際サービスを提供する証券会社
VietinBank Securities Co Ltd
DXP ドアンサ港湾サービス 港湾会社
Doan Xa Port JSC
FTS FPT証券 ブローカー業務、自己売買業務、ポートフォリオ管理業務、引受・発行代理業務、投資コンサルタント業務、証券保管業務を提供している。
FPT Securities
HMC ホーチミンメタル 鉄鋼メーカー
Hochiminh City Metal Corp
IDJ IDJベトナム インベストメント 金融投資会社
IDJ Vietnam Investment
MBB ミリタリー商業銀行 商業銀行
Military Commercial JSB
SFC サイゴン燃料 石油製品、器具の販売会社
Saigon Fuel Co
VCB ベトコバンク ベトナム最大の元国営銀行。売上、利益、資産規模ともベトナム1位の企業
Bank for Foreign Trade of Vietnam JSC
VNM ビナミルク(ベトナム乳業) 食品・乳製品メーカー。主な製品は、牛乳、コンデンスミルク、粉ミルク、ヨーグルト、 アイスクリーム、チーズ、クッキー、コーヒー、ミネラルウォーターなど
Viet Nam Dairy Products JSC

 

この中から代表的な銘柄を次の項目でお伝えしていきたいと思います。

為替リスクにも十分気をつけよう

海外の株式に投資をするということは為替リスクをおうことになります。

昨年はドル円という主要通貨の交換レートですら年始115円から152円に上昇して130円に低下して終えました。

ドル円が上昇すれば円建ではリターンが高まり、下落すればリターンが毀損します。

 

ベトナム株への投資の場合はベトナムドン円のレートが上昇すれば円建でリターンが高まり、逆に下落すればリターンが毀損します。

現在ベトナムドン円は0.0056となってますが、下落に転じた序盤ともいえるチャートになっています。

今後、日銀の政策転換などが行われることが意識される局面では0.004まで25%程度の下落は覚悟する必要があります。

ベトナムドン円のチャート

 

つまり25% 以上のリターンが見込める銘柄に投資しないと元本割れする可能性があるということですね。

では、ベトナムの個別株についてみていきたいと思います。

 

ベトナムのおすすめ個別銘柄①:ビナミルク(VNM)

ビナミルクは練乳、粉ミルク、合うスクリーム、チーズなど原乳、粉乳等を原料とした各種製品の加工販売を行うベトナムの代表的な銘柄です。

業績は以下の通り基調的な右肩上がりを実現しています。2022年12月期の決算はまだでていません。

 

ビナミルクの業績推移

 

売上高 当期純利益
2004年 4,226,843 517,671
2005年 5,638,784 605,484
2006年 6,619,102 731,585
2007年 6,648,193 963,448
2008年 8,208,982 1,250,120
2009年 10,613,771 2,376,067
2010年 15,752,866 3,616,186
2011年 21,627,429 4,218,182
2012年 26,561,574 5,819,455
2013年 30,948,602 8,010,257
2014年 34,976,928 6,068,203
2015年 40,080,385 7,769,553
2016年 46,794,339 9,363,830
2017年 51,041,076 10,278,175
2018年 52,561,950 10,205,630
2019年 56,318,123 10,554,332
2020年 59,636,286 11,235,732
2021年 60,919,165 10,632,536

 

バリュエーション関連や利益の効率性を表す指標は以下となります。

ROE 30.6%
ROA 20.9%
PER 19.13倍
PBR 5.04
外国人保有比率 55.99%

 

ベトナム株の中ではPERやPBRは高い部類ですが、ROEが30%は非常ん優秀ですね。

外国人が半数以上を保有しているため、先進国の金融政策の影響をうけることにいなります。

ただ株価は以下のように軟調に推移しています。

 

ビナミルクの株価推移

 

 

ベトナムのおすすめ個別銘柄②:ベトコンバンク (VCB)

次に紹介するのがベトナム最大の銀行であるベトコンバンクです。

日本が発展途上国から高度経済成長期で急速に経済成長している時に最も手堅い投資先として銀行がありました。

 

経済全体の成長をとるならやはり大銀行が主な選択肢となってくると思います。

業績は以下の通り右肩あがりとなっています。

ベトコムバンクの業績推移

業務利益 当期純利益
2006年 5,281,403 2,859,181
2007年 5,763,393 2,407,061
2008年 5,495,167 1,497,382
2009年 9,286,804 3,944,753
2010年 11,524,806 4,235,792
2011年 14,870,771 4,217,332
2012年 15,108,497 4,427,206
2013年 15,507,354 4,377,582
2014年 17,304,169 4,611,519
2015年 21,201,797 5,332,067
2016年 24,876,632 6,851,001
2017年 29,406,121 9,110,588
2018年 39,278,433 14,622,062
2019年 45,730,381 18,525,988
2020年 49,062,541 18,472,518
2021年 56,723,569 21,939,045

 

バリュエーション関連や利益の効率性を表す指標は以下となります。

銀行にしては異常に高いROEですね。外国人保有比率が低く、ベトナム国内で保有されていることがわかります。

 

ROE 21.59%
ROA 1.6%
PER 18.78倍
外国人保有比率 23.63%

 

株価は基調として以下の通り右肩あがりを実現しています。

 

ベトコンバンクの株価推移

 

 

まとめ

ベトナムへの個別銘柄の投資はSBI証券などを通じて日本人でも可能です。

こちらも難点があり、投資信託とETF同様、売買時の手数料が一度の取引(買いと売りの往復)で4%発生すること、銘柄選択が非常に難しいということです。

 

ベトナムの企業への株式投資ですから、投資するにも英語の財務諸表を読んで分析する必要があります。英語のレベルは関係なく難しいです。日本の銘柄分析ですら難しいですからね。

基本的には、超長期投資としてベトナム株は長いトレンドと捉え、ETFや投資信託に投資するのが賢明だと思います。ただ、特に今急いで投資する先でもないと思います。

厳しいFRBの金融引き締めが終わり落ち着いた時期でも問題ないと思います。また、既に緩和でかなり株価自体は上昇しているので今も特に割安ではないことから妙味は薄いです。

 

新興国の中でも、他に魅力的な投資先がありますのでそちらを優先するようにしましょう。タイミングが合う対象に資金を入れていくのが賢い投資です。

 

【最新版】新興国の投資信託やETFのおすすめランキング13選!ポイントは今後の成長力と株式市場の魅力度。

最後に:資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

積み重ねる運用

 

 

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

上場小型ベンチャー株に力一杯、資金を投入。一か八か、株価の急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。

そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

 

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てなど、あなたの資産を減らしてしまう運用はやめましょう。「Classic」且つ「質実剛健」な資産運用を行なっていくべきです。

 

私も資産運用歴は既にかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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