ベトナム株式市場は2021年を通じて大きく上昇して世界中の注目を集めました。
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そしてベトナム株式を対象として非常に高いリターンをだした投資信託にベトナム・ロータス・ファンドがあります。
今後は愛称のロータスとして呼んでいきます。ロータスは以下の通りベトナムVN指数を大きく上回るリターンを上げています。
本日は人気を集めるロータスが今後も投資対象として魅力的なのかという観点を中心にお伝えしていきたいと思います。
ベトナム・ロータス・ファンドの特徴
まずはベトナム・ロータス・ファンドの特徴を見ていきましょう。
25年の経験を有するファンドマネージャーが担当
運用は金融畑で25年の経験を有する元木宏氏が担当。
現地の調査を活用するのが有効との考えから、ベトナムの複数の証券会社から銘柄レポートを取り寄せ投資判断を行なっている。
簡単に元木氏の経歴は以下となります。
元木氏は、 複数の外資系の運用会社にて、執行役員・株式運用部長、常務執行役員・運用本部長などを歴任した後、2018年に同社 に入社以降はマザーファンドの運用に携わっており、運用・調査経験年数は25年となっている。
参照:ロータスファンド
ベトナムの厳選個別銘柄に投資
ベトナムの代表的な株価指数であるベトナムVN指数は400銘柄ほど組み入れられています。
一方、ベトナム・ロータス・ファンドは60銘柄ほどに絞って投資を行なっています。
投資する銘柄はベトナムの証券取引所に上場しているベトナム株式だけでなく、世界各国の取引所に上場しているベトナム関連企業を対象としています。
組み入れ上位5銘柄は以下となります。
銘柄名 | 業種等 | 組み入れ比率 |
FPTリテール | 小売 | 5.19% |
デジワールド・コーポレーション | テクノロジー | 5.08% |
ベトナム外商銀行 | 銀行 | 4.80% |
ビンホアン | 食品・飲料 | 4.30% |
ペトロベトナム化学肥料 | 素材 | 4.25% |
上位5銘柄で23%と全体の約4分の1を占めています。
FPTリテールはベトナム有数のIT会社であるFPT社の子会社です。
タブレット、ラップトップ及び携帯電話等の販売をベトナム国内 の約500の小売店で行っています。
また、傘下の薬局チェーンでの新型コロナ治療薬の販売開始が話題となりました。2022年1-3 月期は前年同期比67%増収、利益は約5倍と急成長しています。
株価は大きく下落しましたが直近急回復しています。
業種別の組み入れ比率は以下となります。銀行が25%を占めています。発展する新興国の経済の血液を循環させる銀行に重きを置いているということですね。
業種 | 組み入れ比率 |
銀行 | 24.61% |
素材 | 15.75% |
不動産 | 11.37% |
食品・飲料・タバコ | 8.42% |
小売 | 6.13% |
新興国投信ならではの高い手数料水準
ベトナム・ロータス・ファンドの手数料水準は以下となります。
購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:2.167% (税込)
国内の投資信託よりは高水準ですが、新興国の株にアクセスするのはコストもかかるので致し方ない側面もあります。
ベトナム・ロータス・ファンドの基準価額の推移
ベトナム・ロータス・ファンドの基準価額の推移です。
2020年のコロナショック から急激に基準価額を上昇しています。
以下は他の投資信託との比較です。
青色:ベトナム・ロータス・ファンド
赤色:DIAMベトナム株式ファンド
緑色:東京海上ベトナム株式ファンド
項目 | ベトナム・ロータス・ファンド | ベトナム株式ファンド | 東京海上・ベトナム株式ファンド |
トータルリターン1年 | 29.89% | 19.82% | 16.11% |
トータルリターン3年(年率) | 25.12% | 15.59% | 18.64% |
トータルリターン5年(年率) | 14.92% | 13.21% | -- |
トータルリターン10年(年率) | -- | 15.78% | -- |
シャープレシオ1年 | 1.22 | 1.27 | 1.03 |
シャープレシオ3年 | 0.82 | 0.54 | 0.65 |
シャープレシオ5年 | 0.56 | 0.51 | -- |
シャープレシオ10年 | -- | 0.69 | -- |
標準偏差1年 | 24.58 | 15.67 | 15.68 |
標準偏差3年 | 30.60 | 28.83 | 28.76 |
標準偏差5年 | 26.55 | 25.92 | -- |
標準偏差10年 | -- | 22.73 | -- |
DIAMベトナム株式ファンドには劣後していますが、殆ど同様の値動きをしています。
上記の各ベトナム投信のリターンを見る限り、今後のベトナム株式市場の先行きがどうなるかという点が非常に重要になってきます。
それでは今後の見通しについてお伝えしていきたいと思います。
ベトナム株式市場の今後の見通し
ベトナムの株式市場の見通しを考える上でベトナムの日経平均株価であるベトナムVN指数の動向が非常に重要となります。
以下がベトナムVN指数の過去10年の値動きです。
上下はしているものの、この10年で昇竜拳していますね。
上昇しすぎた株式市場は調整も一番大きいものとなります。以下は2022年にはいってからのアジアの新興国株式の動きです。
ベトナムが最もリターンが悪くなっていることが分かります。
そして、2022年は先進諸国で高いインフレが発生しています。日本を除く各国中央銀行が引き締めに走っています。
金融引き締めというのは市場から資金を吸収することを意味します。
資金を吸収しはじめたら、先進国の投資家は今まで大量の資金を投下していたリスクの高い市場から資金を引き上げます。
まさにベトナム株式市場は資金引き上げを行うことが見込まれる対象となりやすいのです。
ここからベトナム株式市場に投資するのはリスクが高いといえるでしょう。
まとめ
ロータスについて見てきました。まとめると以下の通りです。
ポイント
- ベトナムの厳選銘柄に投資
- 25年の歴を誇るベテランファンドマネージャーが運用
- ベトナムVN指数を上回るリターンを挙げているがVN指数と同じ動きをしている
- ベトナムの株式市場は上昇しすぎているので今後資金が抜ける可能性がある
以下では今後、本格的上昇が見込める新興国の魅力的なファンドをお伝えしていますのでご覧いただければと思います。