投資先を検討する上で、投資信託など様々な商品があります。
日本では投資信託が主な検討先となりますが、欧米の富裕層はヘッジファンドを主な投資対象として活用しています。
ヘッジファンドの優位性は簡単にまとめると以下です。
・非常に高い投資利回り
・優秀なファンドマネージャーによる運用
・顧客との距離の近さ
・柔軟な投資戦略の組み立て
・示唆に富んだ運用レポート
上記の通り多岐に亘ります。
今回は、日本のヘッジファンドは海外のヘッジファンドに対してどう違うのか?という点に焦点をあてて見ていきたいと思います。
運用総額
まずヘッジファンドといえば、欧米のお得意芸というイメージありますが、運用額自体は日本と欧米でどうなっているのでしょうか?
まずが欧米でのヘッジファンドの運用額についてのデータをご覧ください。
約3.3兆ドル(約350兆円)という巨額の資金が運用されていることになります。
更にレバレッジをかけて運用している主体も多い為、実際にはこれよりも更に巨額の資金が動いています。
世界最大である日本のくじらGPIF(年金基金)ですら150兆円なので、如何に多額の資金がヘッジファンドによって動かされているかということが分かります。
年金基金の2倍以上のお金が動いていると考えると、とてつもないですね。
次に日本のヘッジファンドの運用総額をご覧ください。下の図の緑色の棒グラフです。
調査会社も違い、定義もことなるという可能性もありますが、日本人も50兆円程度の金額をヘッジファンドで運用していることが分かります。
意外ですよね。日本人は投資をしないと言われていますが、富裕層は実は積極的に投資をしているのです。
株や不動産、そしてヘッジファンドなどを活用して資産をどんどん増やしているのです。
私たちが労働をしている間に。上記グラフの正当性は人口あたり世界で一番ミリオネアを有しておりますので、有り得る数値だともいえます。
労働と資産運用の間の驚愕な差についてはトマピケティの21世紀の資本をベースに以下の記事でも説明していますので参考にしてください。
内容は簡単に言えば投資をしていない人としている人との差は開くばかりであるというものです。
トマ・ピケティの本「21世紀の資本論」をわかりやすく要約~資産運用の必要性と格差拡大の要因を説く~
富裕層がヘッジファンドなどを活用していると言いましたが、たしかにヘッジファンドを運用している人は見かけないな、と思う人も多いでしょう。
ヘッジファンドに投資している主体は以下のグラフの通り公的年金や企業が主で、個人は殆どいません。
財団 | 19% |
ファンドオブファンズ | 15% |
私的年金基金 | 15% |
大学年金基金 | 12% |
公的年金基金 | 9% |
富裕層向け資産管理人 | 8% |
ファミリーオフィス | 7% |
資産運用者 | 4% |
保険会社 | 4% |
その他 | 7% |
富裕層向け管理人とファミリーオフィスが個人の資産運用の部分に該当しますが、いずれにせよ超富裕層向けのビジネスになっているのです。
運用総額自体が増えているので個人が減っているというより年金基金等の他の主体が積極的にヘッジファンドへの投資を行い始めているということがいえます。
(但し日本国内はまだヘッジファンドが黎明期でもあり、資産1000万円以上であれば個人でも投資が行える環境にあります)
安定して高い投資利回り
重要なのは運用総額ではなく、海外のヘッジファンドに対して質が高いのかどうかという点です。
以前投資信託はアメリカの投資信託の質に比べて日本の投資信託は運用利回り、手数料共に圧倒的に劣っている点を指摘しましたが、ヘッジファンドはいかがでしょうか。
→ 投資信託で大損するリスクをわかりやすく説明!手数料よりも深刻な利回りの悪さ。〜投信営業マンの嘘を暴く〜
それでは海外の著名ファンドの1990年度-2019年の成績を見てみましょう。
超長期のリターンはこの間、最も調子のよかった米国株のリターンを上回っています。
米国株はITバブルの崩壊やリーマンショック、今回のコロナのようなショックの時に大きく株価を低下させます。
しかし、ヘッジファンドは安定して資産を増加させることに成功しています。
長期的に資産を形成していくという観点ではヘッジファンドの方が優れた投資先になるのです。
自分の資産がショックの時に40%近く下落してしまっては、正常の精神を保てませんからね。
そして、あくまで上記はヘッジファンド全体の成績を集計したものです。
傾向としてヘッジファンドも規模が大きくなると成績が落ちるという傾向が明らかになっています。
ある儲かる確度が高い投資であっても、そこに突っ込める資産は全資産の数%程度になってしまうからです。
例え50%以上上昇したとしても、全体の投資利回りに及ぼす影響が少なくなってしまいます。日経新聞にも以下のような記事が出ておりました。
ヘッジファンドの運用成績は、資金規模が大型化し老舗になるほど低下する――。米金融テクノロジー会社パートラックがヘッジファンドの運用資産総額とファンド設定年数をベースに1996年から2010年までの運用成績を比較したところ、こんな傾向が明らかになった。
一方日本のヘッジファンドの運用成績はいかがでしょうか。日本のヘッジファンド全体の運用利回りの平均についてのデータを得ることはできませんでした。
然しながら、私が主軸としているヘッジファンドでは以下のように素晴らしい成績を残しています。
- 2017年運用利回り:20%超
- 過去四年:100%超 (4年間で2倍!!)
- チャイナショック、ブレクジットの年も10%以上を確保
- 設定依頼運用利回りは常にプラスで安定して10%以上
十分に海外の著名ヘッジファンドに劣らない、むしろ優れている成績を上げているということができるでしょう。
優秀なファンドマネージャーによる運用
海外のファンドマネージャーはハーバードやMIT等の一流大学を卒業し、ウォールストリートの金融機関で下積みをつみ、腕に自信をつけてから独立するケースが多いです。
私が投資しているヘッジファンドマネージャーも東京大学時代から株式投資サークルで投資の研究を行い、在学中にリーマンショックを経験しながらも自己資産総額(ファンドの前身)を伸ばしています。
さらに卒業後はウォールストリートにもある外資系の金融機関での経験を積んだ後に独立と申し分のない経歴を踏んでいます。
そもそも経歴だけがよかったとしても、運用成績が悪ければ意味がないですが、上記で書きましたとおり運用成績も超一流の成績となっており名実ともに揃っているといえるでしょう。
以下で筆者の投資しているファンドについては詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
敷居の高さと顧客との距離の近さ
海外の著名ヘッジファンドを購入する場合ですが、一般的な個人の方はそもそも購入することができません。
著名ヘッジファンドの場合、最低投資金額が1億円以上の場合が殆どであり、プライベートバンクを通じて購入するのが一般的だからです。
プライベートバンカーは最低純資産が1億円以上の富裕層にしか営業をかけない為、一般の個人は知る由がないのです。
仮にプライベートバンカー経由で買うことが出来たとしても、ヘッジファンドの方から直接説明を聞くことは出来ず、プライベートバンカー経由での説明となってしまい距離が近いとはいうことができません。
然し国内のヘッジファンドであれば、基本的に最低投資金額は1000万円と多少閾値が低くなっており、
場合によっては運用に満足すれば増資することを前提にそれ以下の金額でも出資を受け入れてくれることもあります。
更に投資をする際に、ヘッジファンドの方と直接話をきき運用手法についての説明を日本語で受けることが出来、投資後もアフターサポートを日本語で受けることが出来ます。
総括
ヘッジファンドといえば欧米というイメージがあります。
しかし、日本のヘッジファンドは規模は小さいものの運用成績でいうと海外のヘッジファンドを遥かに凌駕するものも存在しており決して劣っているという訳ではない。
また1000万円未満でも場合によっては投資することが出来、ヘッジファンドから直接話を聞くことができるという優位性も備えています。
ヘッジファンドへの投資を考えている方は、国産のヘッジファンドに目を向けてみても面白いかもしれません。