このブログではヘッジファンド投資に有効性について述べてきております。
ヘッジファンドは株式市場の動きとは連動しない動きで資産の分散性を高めるだけでなく、高いリターンを叩き出してきています。
とはいっても、皆さんの中にはヘッジファンドといえば海外の富裕層向けで、手の届かない投資金額しかうけつけていないというイメージを持たれていると思います。
日本ではまだまだ黎明期で浸透していないというのが現状かと思います。しかし、日本にも海外のヘッジファンドを上回る優良なファンドが生まれてきています。
本日は日本に優良なヘッジファンドは存在するのか?という点についてく詳しく書いていきたいと思います。
海外の著名ヘッジファンド
まず海外のヘッジファンドについてですが、ヘッジファンドは元々欧米の大富豪の資産を守る生垣 (ヘッジ) として登場したという経緯もあり、本場はやはり欧米といえるでしょう。
実際に運用総額第十位までのファンドは以下のように米国と英国のファンドで占められています。
1 ブリッジウォーター・アソシエイツ/1700億ドル/米国
2 AQRキャピタル・マネジメント/650億ドル/米国
3 マン・インベストメンツ/500億ドル/英国
4 オクジフ・キャピタル/470億ドル/米国
5 スタンダード・ライフ・インベストメンツ/350億ドル/英国
6 ブラックロック・オルタナティブ・インベスターズ/320億ドル/米国
7 ルネッサンス/310億ドル/英国
8 バイキング・グローバル・インベスターズ/300億ドル/米国
9 ミレニアム・マネージメント/290億ドル/米国
10 ローン・パイン・キャピタル/290億ドル/米国
これらのファンドはずっと上位を独占しておりまして、常連といえる顔ぶれになっています。
それにしてもやはり、米国と英国は金融大国であることをまざまざと見せつけられてしまいますね。
ちなみに一流のヘッジファンドマネージャーとなってくると報酬もけた違いで、最も稼いだヘッジファンドマネージャーは年俸16億ドル (1700億円) と企業収益かと思われるような金額となっています。
まさに己の腕一本で稼いでいる一流の野球選手を数十倍の規模で行っている人たちって感じですね。
海外のヘッジファンドの運用成績
これらの海外のヘッジファンドは資産運用額はとても大きくなっています。
しかし、運用成績は50%を上回っているファンドもありますが逆にマイナスの運用利回りのファンドもこのような著名ヘッジファンドの中には存在します。
また50%の運用利回りを出しているところも、ずっと安定してそのような利回りを続けているファンドはなかなか存在しません。
なぜかというと特に世界最大のヘッジファンドであるレイ・ダリオ率いるブリッジウォーター等上位を占めるのはマクロファンドといわれるもので、マクロファンドは毎年経済情勢を読み解くことで、その方向にベットするんですが、その方向が間違っていたら大きく損をする可能性がある為です。
大規模ヘッジファンドのデメリット
それでは著名な大規模ヘッジファンドのデメリットについて書いて行きたいと思います。
敷居の高さ
著名なヘッジファンドでは、最低受入額が1億円以上というものが殆どです。
これはヘッジファンドが受け入れる投資家の数が法律で制限されていることに加え、顧客の数を絞った方が顧客対応コストが抑えられる為です。
そもそも投資したくても富裕層でないと投資できないという問題があります。
派手な利回りが出続けるわけではない
上記でも書きましたが一流のヘッジファンドマネージャーであっても、人間なので毎年ピタリとマーケットを当て続けることは難しいです。
また上位のシモンズ率いるルネッサンスのようなモデルを構築するようなファンドでも、モデルが相場に合致しない場合は良好な成績がでない場合もあります。
運用総額が大きいことによるデメリット
規模が大きいことにより、非常に投資妙味があるような小型銘柄に投資するとそれだけで、銘柄の株価が上がってしまい旨味がなくなってしまうという事態になってしまいます。
またそもそも運用総額トップのブリッジ・ウォーターでは運用資産が17兆円もあり小さな国の国家予算を凌駕してしまっています。
このような大規模ファンドですと、そもそも何兆円もの投資先を探すのが難しいですし、肝いりの投資が素晴らしいパフォーマンスを上げたとしても、
資産総額が大きすぎて全体に与える影響が小さくなってしまい高い利回りを上げること自体が難しくなってしまうのです。
国内のヘッジファンド
実はあまり知られていないだけで、日本にもヘッジファンドは存在しています。
またBloombergのニュースにもなっているのですが、年によっては海外のヘッジファンドの平均運用成績を上回っている年もあります。
また以下の日経の記事にも記載されているのですが、運用資産規模が小さい方が運用成績がいいという結果もでており、ヘッジファンドがまだ黎明期の日本の方がよいパフォーマンスを上げやすくなっているのです。
ヘッジファンドの運用成績は、資金規模が大型化し老舗になるほど低下する――。米金融テクノロジー会社パートラックがヘッジファンドの運用資産総額とファンド設定年数をベースに1996年から2010年までの運用成績を比較したところ、こんな傾向が明らかになった
古来から輸入しては本物よりいいものに作り替えちゃう日本のお家芸が発揮されているのかもしれないですね。
因みに現在の日本のヘッジファンド市場ですが2008年時点にはなりますが、設定本数は200本程度で総運用資産も5000億ドルと数は少ないです。
その為、普段皆さんはヘッジファンドの投資広告などは目につかないと思います。
これはヘッジファンドがあまり認知されていない。寧ろヘッジファンド側としても認知されないようにしている為ともいえます。
海外のヘッジファンドと同じく呼び込む投資家の数が限られている為、富裕層の間で紹介制によって信頼のおける人たちの間だけで投資が行われていることが一番の要因です。
私は運よく東大の時の株式投資サークルの繋がりもあり、東大京大卒で外銀出身の優秀なファンドマネージャーが運用しているファンドに辿り着くことが出来ましたが、普通に生活していたら巡り合うことはなかったと思っています。
国内のヘッジファンドのメリット
国内の私が投資しているようなヘッジファンドの海外の著名ヘッジファンドに対する競合優位性について説明します。
少ない仲介手数料
まず仲介手数料が少なさが挙げられます。
海外のヘッジファンドでは外銀のプライベートバンクを通して投資するパターンが多く、ヘッジファンド以外にも仲介手数料が取られてしまい、最終的な利回りが低くなってしまいます。
一方日本のヘッジファンドであれば直接契約することが出来ますので、余分な仲介手数料を取られることはありません。
ヘッジファンドで失敗しないために。日本のヘッジファンドの選び方を実際の投資家がわかりやすく解説する。
投資の敷居の低さ
著名ヘッジファンドであれば、最低投資金額が1億円以上というファンドがざらですが、日本のヘッジファンドでは投資金額が1000万円を下回るファンド、場合によっては後々、投資金額を増やすことを考慮して500万円以下からでも投資できるファンドも存在します。
安定して高い投資成績
最後にこれが最も重要なのですが、安定した利回りを上げ続けているファンドが存在します。
正直日本発だからといって運用利回りが基本的に低いというのは間違いで、東大で学んだ経験からすると自分は本当に頭が悪かったんだなと痛感させられるような天才達が集結しており、彼らが本気に金融を学び投資経験を外資銀行で積んだ場合、世界の一流プレイヤーにひけをとらないと思います。
また先程説明しました通り規模が著名ファンドに比べて小さいことによる強みもあります。
このブログでも再三にわたり紹介しておりますが、値下がりリスクが少なく安定した利回りを追求できるのはバリュー投資です。
バリュー株投資の内容については以下に纏めておりますので、ご覧いただければ何故値下りリスクが低いのかという点についてご理解いただけると思います。
前回日本の株式市場の特徴で書きました通り、実は日本の株式市場は割安に放置されている小型株が眠っている為、ここに投資機会が存在します。
規模が一定程度までで抑えられているからこそ、このようなチャンス銘柄に対して投資を行うことが出来るという強みもあります。
まとめ
以上、日本に優良ヘッジファンドは存在するのか?おすすめヘッジファンドを紹介、の記事を執筆してきました。
ヘッジファンドといえば海外、、、というイメージがあるかもしれませんが、まだまだ日本の金融市場も捨てたもんではありませんね!