【どうなる】今後は危ないと言われる川崎汽船(9107)の株価見通しは?人気高配当・高利回り株を分析!

話題株(高配当・人気株)

【どうなる】今後は危ないと言われる川崎汽船(9107)の株価見通しは?人気高配当・高利回り銘柄を分析!

2020年から始まったCovid-19の影響、そして米国のインフレ、ウクライナ危機などで船会社は20年に一度とも言えるバブルを経験しました。

日本郵船や商船三井などもこのブログでは解説しましたが、株価、配当利回りがとてつもない水準になっています。

配当利回り(会社予想)2023/02/15

順位 名称・コード・市場 取引値 決算年月 1株配当 配当利回り
1 (株)商船三井 3,39015:00 Mar-23 560 16.52%
2 日本郵船(株) 3,29815:00 Mar-23 510 15.46%
3 川崎汽船(株) 3,29015:00 Mar-23 400 12.16%
4 乾汽船(株) 1,99115:00 Mar-23 177 8.89%
5 NSユナイテッド海運(株) 4,00015:00 Mar-23 355 8.88%
6 三井松島ホールディングス(株) 3,72515:00 Mar-23 320 8.59%
7 (株)ドリームインキュベータ 2,59715:00 Mar-23 191.11 7.36%
8 いちごオフィスリート投資法人 85,00015:00 Apr-23 6,048.00 7.12%
9 ジャフコ グループ(株) 2,12815:00 Mar-23 150 7.05%
10 石油資源開発(株) 4,78015:00 Mar-23 330 6.90%

 

今回は日本郵船、商船三井に次いで第3位の配当利回りとなっている川崎汽船について今後の見通しを考察していきたいと思います。

 

川崎汽船(K-LINE)の事業展開と直近株価動向

沿革

 

川崎汽船は海上運送業、陸上運送業、航空運送業、海陸空通し運送業、港湾運送業等を営んでいる日本を代表とする船舶会社です。日本籍初のLNG (液化天然ガス)船 「尾州丸」を竣工したとあります。

日本は日本郵船と商船三井だけではありませんね。川崎汽船は海上だけではなく、陸上、航空運送業も展開しており、総合物流企業とも言えます。

事業紹介

 

筆者はLNG船やコンテナ船、ドライバルク船を生で見ると、世界は物流で繋がっているのだなとロマンを感じたりします。

ドライバルク船

LNG船

 

冒頭で貼りましたが、配当利回りランキングでは商船三井、日本郵船、川崎汽船に次いで乾汽船、NSユナイテッド海運が続きます。つまり、海運業界はバブルであるということがわかります。

順位 名称・コード・市場 取引値 決算年月 1株配当 配当利回り
1 (株)商船三井 3,39015:00 Mar-23 560 16.52%
2 日本郵船(株) 3,29815:00 Mar-23 510 15.46%
3 川崎汽船(株) 3,29015:00 Mar-23 400 12.16%
4 乾汽船(株) 1,99115:00 Mar-23 177 8.89%
5 NSユナイテッド海運(株) 4,00015:00 Mar-23 355 8.88%
6 三井松島ホールディングス(株) 3,72515:00 Mar-23 320 8.59%
7 (株)ドリームインキュベータ 2,59715:00 Mar-23 191.11 7.36%
8 いちごオフィスリート投資法人 85,00015:00 Apr-23 6,048.00 7.12%
9 ジャフコ グループ(株) 2,12815:00 Mar-23 150 7.05%
10 石油資源開発(株) 4,78015:00 Mar-23 330 6.90%

 

日本郵船 株価

商船三井 株価

川崎汽船 株価

 

日本郵船の記事でも述べましたが、海運勤務の社員の方々と話をした時に、「こんなに稼げることは二度とないかもしれない」と言っていました。

ただ、これ以上の業績、株価上昇を期待するのは少しやりすぎではないかと筆者は思っています。

 

以下が海上輸送費(Freight)指数の推移ですが、2020年以降跳ね上がっています。この海上輸送費が、海運会社の業績に直結していくと考えても良いでしょう。

輸送費の推移と株価が連動していることに気づきましたでしょうか?しかし、祭りはいつまでも続かず必ず終わりがきます。直近12ヶ月の推移を見ると、総じて下落していますよね。

2008年4月~2022年12月海上輸送費

ドライバルク市況

海運業の利益の源泉は、【海上輸送費 - 費用(CAPEX/OPEX)】となります。海運は船をリースして、人材を使って輸送オペレーションを行いますが、需要が高騰すればそれだけ輸送費に価格転嫁が可能なので利益は大幅に増えていきます。

今回の海運バブルはコロナによる巣篭もりによるサプライチェーンの混乱、また巣篭もりのEC需要もさることながら、ウクライナ危機による資源需要の爆発が利益として寄与しています。

利益が増えれば、配当性向に従って分配していくことになりますので、結果的に配当額が大きくなり、利回りがどんどん大きくなっていくのです。

 

川崎汽船に関してはコロナショックの底が257円でしたが、現在の株価は3290円です。11倍であり、株は信じられない動きを見せるものですが、信じられない状況が未来永劫続くわけではない点も理解しましょう。

実際に海上輸送費も劇的に下がっていますよね。

 

現状、川崎汽船は高い配当を出していますが、利益が減少すれば分配金も減少します。次回の権利確定日は3月31日となっていますが、ここまで株を持ち続けようと思っている株主はとても多いでしょう。それまでに下落が始まらないと良いですが、このタイミングだけはわかりません。

決算期 3月31日
定時株主総会 6月
同上総会権利行使株主確定日 3月31日
配当金受領株主確定日 3月31日
中間配当受領株主確定日 9月30日
基準日 上記確定日のほか必要があるときは、あらかじめ公告して定めます。

株価・株式情報

 

 

配当利回りはなぜ高い?権利確定日はいつ?自己株買い(自社株買い)も

高配当の理由と過去の推移

過去の配当金推移ですが、2022年と2023年が飛び抜けています。2020年と2021年は無配でしたからね・・・。2016年以降無配だったのです。

年間一株配当推移

 

他社と比較しても見劣りしない水準です。配当性向8.70%なのに配当利回りが12.16%とかなりおかしなことが起きています(これがバブルです)。

川崎汽船 商船三井 日本郵船 ヤマトH
予想一株配当 400.0 円 560.0 円 510.0 円 46.0 円
予想配当利回り 12.16% 16.52% 15.46% 1.97%
前期配当性向 8.70% 20.30% 24.30% 30.50%

 

すでに何度も触れているのですが、海運業はコロナ感染拡大と米インフレによる資源高、ウクライナ危機による運送需要急増→業績絶好調であることで業績が拡大しています。

配当性向は一般的に30〜40%となっていることが多いので、川崎汽船に関してはもはや低いのですが、それ以上に凄まじい利益を上げたということです。バブルです。

 

サプライチェーンの乱れがどのように起きたかというと、当然中国発です。感染拡大中はドライバーも外に出れないですからね。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、当初は中国発、次いで欧米発と複数回にわたって世界中でサプライチェーンの寸断が見られた。このような新型コロナウイルスの感染拡大を発端としたサプライチェーンの寸断には、産業特性と国・地域特性が影響した。こうした産業特性と国・地域特性の双方に関連するサプライチェーンの重要な構成要素として、生産体制、物流、人の移動の三要素を挙げることができる。

外務省

1.サプライチェーンの特性から見た新型コロナウイルス感染拡大前の状況と新型コロナウイルス感染拡大が与えた影響

3. サプライチェーン混乱の影響

 

世界に存在する船隻の数には当然、限りがあります。

例えば中国発コンテナ船の減便ですが、「減便した」ということはそれだけ海上輸送費は高騰する結果になります。物流の量はネットショッピングなどが活況となり、大きな変動がないことも影響しました。

 

海上輸送費が急騰しても、モノを販売している会社は仕入れてお客様に届ける必要があるので、インフレが価格転嫁された海上輸送費も我慢して支払う必要があります。当時は中古車が新車の値段を上回ってしまうなど珍現象まで起きてしまっていました。

米国では新車の在庫不足が過去2年間にわたり続いたことで、非常に多くの購入希望者が必要に迫られて中古車市場に流れ込んだ。これにより中古車の在庫も大幅に減り、価格の大幅な上昇につながった。

中でも極端な例が、ポルシェの人気スポーツカー「911」だ。今年1月~10月の中古車取引約300万件を分析した中古車販売情報サイト「アイシーカーズ・ドットコム(iSeeCars.com)」によると、3年落ちポルシェ911の価格は、元々の希望小売価格から5.7%増加した。金額にして1万1373ドル(約160万円)の上昇となる計算だ。

米国の中古車価格、新車時を上回る 慢性的な在庫不足で

 

サプライチェーンの寸断により特殊輸送需要なども発生したため、海運業界の仕事自体も急増し、増収増益に繋がりました。

そして資源高の発端となったウクライナ危機です。米国FRBはウクライナ危機によりインフレが高騰してしまったと言っていますが、筆者は実際には紙幣のバラマキ(給付金)が8割くらいだと思っています。

複合要因から資源高が長期化

 原油・天然ガス・石炭などエネルギー価格の高騰が長期化しています。同時にニッケル・銅・アルミニウム・鉄鉱石など景気敏感コモディティがいっせいに上昇しています。ウクライナ危機で、ロシアからの供給が途絶える不安をネタに投機筋が価格を押し上げている面もありますが、それだけではありません。

今回の資源高は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2月24日よりも前から、始まっていました。世界景気回復による需要急増に供給が追いつかなかったこと、世界各国が「脱炭素」推進を掲げていたため化石燃料の開発増産が停滞していたことも影響していました。複合要因による資源高となっており、長期的に高値を維持する可能性も出てきました。

 

ただでさえ低金利政策で景気が急拡大し資源需要が高まっている中でのウクライナ危機でしたから、世界中の資源需要が発生し、海運業界は多忙を極めたかと思います。

当然、船の数は限られているため、価格転嫁し、企業は高いお金を払って日本郵船や商船三井、川崎汽船など世界中の船会社に高いお金を払って輸送してもらってきたのです。

 

ちなみに自社株買いも行う予定と発表しています。2022年度は1000億円以上となります。こちらは株価上昇への良いニュースです。

当社は資本効率を常に意識し、企業価値向上に必要な投資及び財務の健全性を確保のうえ、キャッシュフ ローも踏まえて積極的に⾃⼰株式取得を含めた株主還元を進めることで中長期的な株主利益の向上を図るこ とを基本方針としています。また、当社は 2022 年5月9日に 2022 年度から 2026 年度までの5か年の中 期経営計画(以下、「現中計」と言います。)を公表しており、現中計期間において 4,000 億円から 5,000 億円規模の株主還元を行い、2022 年度については既に公表済みの中間配当及び期末配当に加え 1,000 億円 以上の追加還元を行う方針を公表しておりますが、2022 年度の追加還元の手法としてはその規模に鑑み全 額を⾃⼰株式取得の方法によることが望ましいと判断しており、今回の⾃⼰株式取得はこれらの方針に基づ き実施するものです。

⾃⼰株式取得及び⾃⼰株式⽴会外買付取引(ToSTNeT-3)による ⾃⼰株式の買付けに係る事項の決定に関するお知らせ

 

結果的に川崎汽船の業績は以下の通りとなりました。

 

直近の業績(業績予想も)

<YoY=前年同期比(%)>

(3月期) 2018年 2019年 YoY(%) 2020年 YoY(%) 2021年 YoY(%) 2022年 YoY(%)
売上高(百万円) 1,162,025 836,731 -28% 735,284 -12% 625,486 -15% 756,983 21%
営業利益(百万円) 7,219 -24736 - 6,840 - -21,286 - 17,663 -
経常利益(百万円) 1,962 -48933 - 7,407 - 89,498 1108% 657,504 635%
親会社株式に帰属する当期純利益(百万円) 10,384 -111188 - 5,269 - 108,695 1963% 642,424 491%
1株当たり当期純利益(円) 111.13 -1192.08 - 56.5 - 1,165.34 1963% 6,887.54 491%
総資産(百万円) 1,036,886 951,261 -8% 896,081 -6% 974,608 9% 1,574,960 62%
純資産(百万円) 243,094 181,233 -25% 200,234 10% 316,162 58% 984,882 212%
自己資本比率(%) 20.9 10.9 - 11.3 - 22.4 - 56.2 -

 

2022年の営業利益、経常利益、当期純利益を見てほしいのですが、凄まじい成長率となっています。純資産も3倍となっており、これは配当しないと確かに株主に叱られそうですね。

配当と自社株買いで株主還元を行っています。

 

2023年度は数字を見る限りはまだまだ好調を続けており、日本郵船や商船三井のように鈍化は見せていません。日本郵船なんかは成長率がマイナスになっていますからね。

(売上高)

(3月期) 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
通期 1,162,025 836,731 735,284 625,486 756,983 -
3Q 884,066 638,498 567,189 468,721 556,495 728,791
2Q 578,928 416,129 372,396 300,101 357,556 482,897
1Q 287,375 212,177 183,312 152,185 174,743 228,498

(営業利益)

(3月期) 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
通期 7,219 △24,736 6,840 △21,286 17,663 -
3Q 7,148 △9,273 21,627 △3,193 23,303 80,593
2Q 6,247 △12,321 11,065 △10,202 10,182 52,998
1Q 3,878 △13,370 4,052 △6,581 2,400 18,878

(当期純利益)

(3月期) 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
通期 10,384 △111,188 5,269 108,695 642,424 -
3Q 9,295 △30,953 25,223 63,248 423,339 638,221
2Q 13,175 △24,581 16,311 9,629 246,008 565,430
1Q 8,523 △19,272 7,779 △955 101,987 266,639

 

まずは第4四半期の決算を確認したいですが、海運業界は一律でシクリカル株(景気敏感株)なので、株価が下落するタイミングは同じかと思います。

海上輸送費がこれですからね。

2008年4月~2022年12月海上輸送費

掲示板での口コミ評判

一応一般大衆の声も見てみましょう。筆者はバブルは終わり、あとは下落する未来しか想像していませんが、まだまだ期待している声もあるみたいですね。

しかし、一般大衆とは違う動きをしなければ株でのリターンはあり得ません。

Yahoo!ファイナンス

 

口コミ

今日も年初来高値更新、絶好調ですね。一旦ここでCMです。

社長  今回は『5401 日本製鉄』をご紹介します、2956円です。
愛人  ええ~ 安っす~い! 社長、いくらまで上がるのですか~?

社長  はい、5000…いえいえ今回は五ケタ、10000円での予想です。
愛人  ええ~ 流石は社長、私も買いたいわ~ 高配当だしぃ~。

乗り換えはお早めに。

口コミ

一旦利確?権利確定前に再仕込みか?迷うなー

口コミ

配当よりも自社株買いの方が株価(企業価値)は上がりそうだと思っていましたが、やはり期末配当高いと株価は値崩れしませんね。さらなる増配も期待できますしね。
個人的には配当たくさん頂けるとやはり嬉しい。配当落ちは恐怖ですがね…。

口コミ

どうせ下がるやろうと皆が思ってるからなかなか下がらないね。来月に掛けて乱高下しそうです

口コミ

ここまで来たら、じたばたしないで確定日を待つのみでしょう。後の事は考えないほうが良いですら。😊。明日も上がりますから。今の配当に勝てる雰囲気はなさそうですね😃。

 

まだまだ期待の声が聞こえます。猫も杓子もまだ株価上昇を期待しているので、まさにバブルの天井という感じです。

 

まとめ

今回は日本郵船について取り上げました。珍しく個別株分析をしましたが、やはり株式投資は簡単ではありませんので引き続き筆者はプロが運用するファンドに任せ、着実にリターンを積み重ねていきたいと思います。

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最後に:資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

積み重ねる運用

 

 

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

上場小型ベンチャー株に力一杯、資金を投入。一か八か、株価の急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。

そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

 

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てなど、あなたの資産を減らしてしまう運用はやめましょう。「Classic」且つ「質実剛健」な資産運用を行なっていくべきです。

 

私も資産運用歴は既にかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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