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ドラゴン桜で有名な
今回からはサラリーマンにして100億の資産を築いた、本多静六という方の考え方を学んでいきたいと思います。
このブログでも本多静六式貯蓄法については何度か触れています。
貯蓄だけではなく、彼の投資に対する考え方についても見ていきたいと思います。
本多静六翁とは
江戸時代末の1866年つまり幕末に生まれ戦後の1952年まで天寿を全うした方で、現東京大学農学部を首席で卒業しドイツへ留学。
25歳の時に帰国し、母校の東京大学の助教授と教授を務めたという立派な経歴を持っています。なんと管理人の先輩でした、然も首席とは畏れ入ります。。
私からすると資産家というイメージが強いのですが、林学博士としての経歴も素晴らしく、日比谷公園や明治神宮他名だたる造園の設計を多数行っています。
今の東京駅丸の内口広場の設定も行っているそうです。意外に我々の生活の身近にいた人なのですね。
皆さん教授といえば、大きな収入を得ているんじゃないかと思われがちですが、彼が25歳の助教授就任時の手取りは58円。
いや本当物価が違い過ぎて良く分からないのですが、平均手取りは35円程度だったらしいので、これを現在の平均年収400万円つまり手取りで300万円程度とすると手取り500万円程度。
年収にすると650万円~700万円と思って頂ければと思います。そして家族が9人いたみたいで、決して裕福ではないことは想像に難くないと思います。
助教授も教授も公務員なので大きな収入を得られるわけではないのですね。
高名な教授にでもなれば、企業の顧問などになり顧問料で稼ぐことも可能ではありますが、少なくとも25歳当時の本多静六翁はそのようなレベルではありませんでした。
本多式「四分の一」貯金
これが私が当ブログでも再三に亘り紹介してきている貯蓄法なのですが、本多翁曰く自身が発明したものではないとのことなのです。
早くはお釈迦様が2500年前に、江戸時代でもかの有名な二宮尊徳翁が実践してきたものを、自己流にアレンジしたものというのである。
その方法は、あらゆる通常収入は手取りの4分の1を貯金し、臨時収入は全部貯金するというものです。式にすると以下のようになります。
貯蓄額 = 通常収入×1/4 + 臨時収入全額
臨時収入とは、賞与や後に説明しますが本多翁が行っていたアルバイト全額に加えて、旅費の残額などをさします。
こうして貯蓄した金額の投資による配当金や利子などは通常収入と考えて、4分の1を更に貯蓄再投資に回し、4分の3は生活費に回すという手法です。
先程説明したように決して裕福ではなかった、本多家の家計はこの貯蓄法を開始した25歳の時は火の車だったらしく、月末は家族一同ごま塩で過ごしていたみたいです。
奥さんもおそうですが、いきなりこんな苦境にたつような施策を打っても確りと理解して文句をいわない本多家に感嘆ですね。
本多式貯蓄法を行うこととなった経緯
ではそもそも何故このような貯蓄法を思い立ったのかという精神面の説明をしたいと思います。
義理の両親を含め家族9人を抱えた本多翁は自身の給与のレベルを鑑みて、これでは今後子供の養育費もかかるし、
いつまでたっても貧乏から抜け出せないと考え、先ず貧乏をこちらからやっつけてしまおうと考えました。
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒しようと考えたのです。
逞しいですね。
またこのように思うようになったのには、独留学中に薫陶を受けた財政経済学のブレンタノ教授の影響が大きかったみたいです。
彼は本多翁に
「学者であっても、先ず優に独立生活ができるだけの財産を蓄えなければ駄目だ。そうしなければ常に金のために自由を制せられ、心にもない屈従を強いられ、学業に専念できない。」
貧しさに支配されては、金の苦心ばかりをすることになり、とても自分の専念したいことに専念できなくなり、人生が貧しいものになると謹言しているのですね。全くその通りだと思います。
「財産を作ることの根幹は、やはり勤倹貯蓄だ。これなしには、どんなに小さくとも、財産と名のつくほどのものは拵えられない。その貯金がある程度の額に達したら、事業に投資するのがよい」
要は資産を築くにはまず種銭を勤労倹約によって蓄えて、その後然るべき投資をするべきであると諭しているのです。
本多式「四分の一」貯金をやり遂げるコツ
本人も相当に辛いとしていたこの貯蓄法を乗り切るコツを紹介したいと思います。
自己洗脳
元々、自分にはこれだけの収入しかないんだと自分に言い聞かせることです。
非常に単純ですよね、貯蓄する分は税金とでも考えてしまって、はじめからないものと思えば良いと考えるのです。
そして、彼は自分と同じような人数を天引き後の収入でやりくりしている人は実際にいるのであるから、自分も文句を言ってはいけないと言い聞かせていたとも告白しています。
こういう経験ありますよね、世の中もっとつらい人いるんだから自分も頑張ろうと言い聞かせるという類ですね。
貧乏も糧と信じる
本多翁は人間は一生のうち早かれ、遅かれ、一度は貧乏生活を経験する運命にあると考えていました。
その貧乏時代を若いうちに経験できたことは、非常に良い経験であると考えていたのです。
貧乏を経験してこそ、人生の意義や事物の価値認識を一層深めることができ幸福とは何かについて知ることが出来たそうです。
徐々に楽になることが分かっていた
人間ここから下り坂と思えば、暗い気持ちになります。
然し人間現在辛くても、徐々に楽になっていくと分かっていれば、今が底と踏ん張れるものです。
本多翁の貯蓄法ですが、先ほど申し上げた通り貯蓄の投資による配当や利子を通常収入と見なし4分の3は生活費に回すことが出来るので、最初の数年を耐えれば生活は好転し始めました。
昔は今とは時代が違い定期預金においておけば5%程度の金利がついたそうなので、手取り650万円でボーナス150万円とすると。
初年度貯蓄額=500×1/4 + 150 =275万円
275万円×5% = 14万円 ⇒ 3.5万円再貯蓄
2年目も275万円を積み増し、貯蓄額は275万円×2年+3.5=553.5万円
553.5万円×5%=27.6万円⇒6.9万円再貯蓄
3年目も275万円を積み増し、貯蓄額は553.5+275+6.9=835.4万円
835.4万円×5%=41.7万円⇒10.4万円再貯蓄、31.3万円生活費
となります。3年経過したら31.3万円が生活費つまり月3万円弱の金利収入が得られるので、なんとか生活が軌道に乗り出しますよね。
そして本多翁氏はこのように生活費を切り詰めるだけではなく、副収入の構築も必要だとしています。それは本業となるべく関係のある分野で、本業に支障のない程度の時間を割いてと推奨しています。
彼は、自信の研究を1日必ず1ページ著作収入を得るために書くと自分に課し続けて、稼いでいたみたいです。
なので実際はもう少し多い金額を貯蓄し利子が入ってきたのでしょう。
コラム:過去の定期預金の代替
先程明治~大正時代は定期金利が5%と書きましたが、今は定期預金なんて0だし、昔と同じように利子を得ることができないではないかとの批判を浴びそうです。
現在確かに定期預金は高くても0.3%程度で全く話になりません。
以下の固く5%~10%の利回りを狙うのにおすすめの方法として堅実な運用で下落リスクを極力抑えながら年率10%程度の利回りを上げ続けている日本のヘッジファンドの有効性と、
その他の資産運用先との比較について纏めておりますので参考にしてみて下さい。
まとめ
今回は本多翁の貯蓄法について方法と、完遂するためのコツについて本多翁の考えを紹介していきました。
偉人の考えというのは参考になりますね!