最近投資顧問という言葉をよく聞くと思います。投資顧問は実際に運用を行うのではなく投資推奨銘柄などの情報を提供して会員から情報料をいただく助言会社です。
投資顧問とヘッジファンドで何が異なるのか?
という疑問を読者の方からいただいたので両者の違いについて詳しく見ていきたいと思います。
運用主体の違い
投資顧問とは主に株式の売買推奨を行う投資サービスのことで、最終的に運用を行うのは自分自身になります。
一方、ヘッジファンドは自分はヘジファンドに資産を預け入れるだけで、最終的に運用するのはヘッジファンドのマネージャーであり、自分自身ではありません。
運用主体が自分自身なのか、それとも資産を預け入れたプロなのかという点で根本的に異なっているのです。
私もサラリーマンを行っている時に一時投資顧問サービスを利用していることもありましたが利用は現実的ではありません。まず投資の売買について指示されるのが株式市場がオープンしている業務時間中ということで指示通りに売買することが出来ませんでした。
また指示通りに売買したとしても、最終的な損益はマイナスだったということもあり、私自身は手を引いております。
因みに投資顧問の一つの問題点として銘柄は推奨されるのですが、何故その銘柄が選定されたのかの説明がなく、本当に上昇するのか疑心暗鬼になります。また自分自身の投資スキルの向上につながらないという欠点があります。
自分で考えたうえで投資を行う失敗したら今後の糧になりますし、何より納得感があります。しかし、他人から聞いた情報を鵜呑みにして投資を行い損失が発生した場合、自分の学びにならないばかりではなく、なんともやり切れない気持ちになります。
手数料の違い
投資顧問の手数料は定額制です。年間になおすと20万円から300万円という幅があります。
これは自分が運用する金額によって変わる数値ではないため、より多くの資産を運用した方が運用額に占める手数料金額の割合は小さくなりますね。
一方、ヘッジファンドはヘッジファンドの手数料を細かく解説でも紹介しております通り、成功報酬型の手数料体系といえます。
つまり運用でプラスになった分から手数料を頂きますという形態ということですね。
どちらが、投資家に対して責任をもった手数料体系かは明らかでヘッジファンドはプラスがでないと大きな手数料を手にすることが出来ない一方、
投資顧問は助言した銘柄がのきなみマイナスの結果となっても定額の手数料を手にすることができるのです。
この手数料形態は投資信託と似ているところがあり、このように利益がでようが出まいが手数料が変わらない投資商品は得てして販売者側の論理で商品が作られる傾向にあります。
つまり、より多くの客を募る為に派手な宣伝を行ったり、誇張した成績を期待させて利用者を拡大することにより手数料を稼ごうという手数料型ビジネスモデルになってしまいがちということです。
良く年率200%を達成とか、助言を行った銘柄の的中率が90%といったような誇大広告が行われ得るのです。
しかし、自分で運用を行った実績ではないので、最も低い値と高い値を実績として捉えたりする傾向があるため、信頼にたる実績であるとはいえません。
彼らは誇大広告をして、顧客を集めることで固定収入が発生する仕組みであるということを頭に入れておかなければいけません。この点でいうとなんだか投資信託と似ている仕組みだといえますね。
→ 投資信託で大損するリスクは把握できているか?手数料よりも深刻なパフォーマンス(利回り)の悪さに焦点。〜投信営業マンの嘘を暴く〜
結果に責任をもったヘッジファンドの手数料形態の方が納得感があるといえます。
最低投資金額の違い
投資顧問は自分で運用する形態なので、最低投資金額というよりは推奨金額ということになりますが、30万円以上としているところもあれば100万円以上としているところもあります。
当然手数料が高い投資顧問の推奨金額は高くなりますし、手数料が低い投資顧問の場合の推奨金額は低くなります。
一方ヘッジファンドでは海外の著名ファンドでは最低投資金額が少なくとも1億円と非常に高いのに対して、日本のヘッジファンドの最低投資金額は概ね1000万円のファンドが多いように見受けられます。
私の投資しているファンドでは最低投資金額は1000万円としながらも、将来運用成績に満足した場合の増資を前提に最初は500万円から預け入れを認めてもらいました。
最低投資金額に驚かずに直接ヘッジファンドに問い合わせてみることをおすすめします。
資産運用に向いているのはどちらか?
人気となっている投資顧問のページを見てみると、週2回の取引で月収90万円といった広告であったり、年間100%の利回りといった成績を喧伝しているような所が多いような気がします。
しかし、冷静に考えてみると、そんな運用成績を継続して出し続けることができるのであれば、自分でファンドを立ち上げてポジションを取るべきではないでしょうか。
仮に年率50%の運用成績を出し続けることができるのであれば、1億円の資産があれば十年後に40億円近くにすることが出来ます。10億円であれば400億円です。投資顧問という手数料型のビジネス形態をとる必要がないように思います。
自己資金ではなく、推奨という形で利益を取るとい形をとっているのが私には責任を放棄しているようにも思えます。
因みに投資の王様バフェットですら年平均利回りは20%程度、ヘッジファンドの王様シモンズですら年平均30%をだすのがやっとというのが投資の世界なので年50%以上の利回りを出し続けるのは最早リスクを犯した投資を行っていると言わざるをえません。
実際私の利用した投資顧問の推奨銘柄は所謂仕手株というものが多く、大きく値上がりする一方で極端な値下りをする銘柄もすくなくありませんでした。
因みにシモンズの年平均30%ってすごい数値で、10年間続けるだけで資産が14倍近くになります。
そもそも当ブログでも何回も言及しているのですが資産運用にとって最も大事なことは出来うる限り資産価格を下落することなく、地道に着実に資産を殖やしていくことです。
例えば、自分の資産1000万円が1回50%程度資産が落ち込んだとします。すると500万円になってしまいます。
この500万円を最初の1000万円に戻す為には、50%の上昇ではなく100%の上昇が必要になるのです。つまり失った資産を取り戻すのは予想以上に大変なのです。
その為、10%という地味な利回りでもそれを継続して出し続けることが確実な億万長者(ミリオネア)への道であると断言します。まさに急がば回れです。
因みに先程10%を地味と申し上げましたが、過去130年間の米国のS&Pの平均運用利回りが5.5%、
トマ・ピケティの「21世紀の資本論」で言及されている投資に対する長年の運用リターンが平均して4.5%~5.0%であることを考えると十分に市場平均より高い数値であるということが出来ます。
仮に1000万円を年利10%で運用し続けた場合の資産の成長度合は以下のようになります。
30年後には最初の1000万円が1.8億円近くになります、因みに億万長者の一つの目安である1億円を達成するのは25年目になります。
徐々にでも追加投資をおこなっていけば、意外に思ったよりも早く富裕層の仲間入りを果たすことができるようになるのです。
このように下落を極力ミニマイズしながら着実に資産を殖やしていくのに最適なのは本格的なバリュー株投資を行っているヘッジファンドに投資をすることです。
本格的なバリュー株投資というのは単に低PBR、PERの銘柄に投資するのではなく、確りと財務諸表を分析した上で異常なレベルで割安な銘柄に投資する手法をさします。
→ グロース株(成長株)投資とバリュー株(割安株)投資の違いをわかりやすく解説!
→ 重要指標PBRとPERとは?株式投資における重要指標をわかりやすく解説する!
そして今現在このような手法を真面目に取り組んいるファンドは投資信託には存在せず、ヘッジファンドのみが実践している手法になります。
私の投資しているヘッジファンド(BMキャピタル)では著しく下落リスクが低い、本格的なバリュー株投資を実践しています。
ファンド自体の手数料前利回りは年平均20%程度を創業以来だしており、半年ベースでマイナスの運用成績を出したことはなく資産運用に非常に適したファンドであるということが出来ます。