日本中の投資信託を分析

【愛称:The 5G】もう売り時!?投資信託「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」を今後の見通しや掲示板での口コミや評判を含めて徹底評価!もう売り時!?

2022年4月25日

AI関連ファンドに投資できるグローバルAIファンドなど、様々なテーマ株投信が日本には存在します。

たしかにAI関連も今の時代ホットなテーマではあります。

しかし、丁度日本でも普及し始めている5G関連銘柄も今話題の投資先として魅力を増しています。

 

5Gを中心として次世代の通信関連の企業に投資する投資信託として「次世代通信関連・世界株式戦略ファンド」が人気を誇っています。

名前が長いので以降は愛称として親しまれている「THE 5G」とすることとします。

今回はそんな「THE 5G」について紐解いていきたいと思います。

 

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投資信託「THE 5G」の特徴とは?

それではまずは「THE 5G」の特徴について見ていきたいと思います。

Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資

「THE 5G」を販売しているのは三井住友トラストアセットです。

しかし、実際にニューバーガー・バーマン・グループが運用するNext Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資をしています。

 

つまり運用はニューバーガー・バーマン・グループが担っているということですね。

ニューバーガー・バーマン・グループについての説明は以下となります。

 

  • 1939年創業の資産運用会社で、米国ニューヨークに本社を置き、世界の運用拠点にて約660名の運用担当者 が、世界中の機関投資家や個人投資家向けに、様々な資産運用サービスを提供しています。
  • 運用総資産残高は約3,568億米ドル(約38兆円)、従業員数は約2,300名を有する独立系の資産運用会社です。

参照:請求目論見書

 

日本では類を見ないレベルの巨大な資産を運用している投資信託ということができますね。

 

投資しているのは5G関連銘柄

「THE 5G」は5G関連銘柄に投資をしていきます。

5Gが普及することであらゆるモノがインターネットにつながるIoTが実現していきます。

 

IoTは現在433兆円の市場規模となっていますが、2025年までに1,336兆円の市場規模となることが見込まれています。

一言にIoTといっても以下のように様々な分野が存在しています。

 

小売 139.2兆円
作業現場 111.6兆円
都市 199.2兆円
42.0兆円
工場 444.0兆円
オフィス 18.0兆円
ウェアラブル 190.8兆円
車・その他 190.8兆円
合計 1,336兆円

参照:SMBC

 

世界第3位のGDPを誇る日本のGDPが約600兆円であることを考えると、如何に潜在性の高い市場であることが分かりますね。

 

「THE 5G」構成国は米国と中国で70%を占める

2022年11月末のTHE 5Gの構成上位国は以下の通りですが、米国と中国だけで全体の7割を占めています。

 

構成国 比率
1 米国 63.34%
2 日本 8.07%
3 台湾 6.46%
4 中国 5.95%
5 オランダ 4.25%
6 フィンランド 3.49%
7 スペイン 2.48%
8 韓国 2.34%

 

2021年2月末における構成国は以下でした。1年で米国の比重がさらに上がり、中国からは抜けていることがわかります。

日本はさらに比率は下がっており、米国への集中が進んでいます。

 

構成国 比率
米国 59.96%
中国 12.13%
日本 5.49%
台湾 4.85%
韓国 3.13%
スペイン 2.89%
スウェーデン 2.55%
英国 2.23%
シンガポール 1.88%
フィンランド 0.99%

 

「THE 5G」の構成上位銘柄

最新のレポートまでの構成上位銘柄の推移は以下となります。

2022年11月 2022年7月 2022年2月 2021年2月
1 マーベル・テクノロジー キーサイト・テクノロジーズ アドバンスト・マイクロ・デバイセズ JDドットコム
2 ASMインターナショナル ASMインターナショナル モノリシック・パワー・システムズ キーサイト
テクノロジーズ
3 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ アドバンスト・マイクロ・デバイセズ マーベル・テクノロジー 村田製作所
4 キーサイト・テクノロジーズ マーベル・テクノロジー ハンヂョウ・シーラン・マイクロエレクトロニクス ゼンデスク
5 サービスナウ アリスタネットワークス ASMインターナショナル TモバイルUS
6 ノキア サービスナウ ハブスポット バンドワイズ
7 ハブスポット ノキア アドバンテスト アナログ・デバイセズ
8 TSMC TモバイルUS ビル・コム・ホールディングス ツーシックス
9 スターパワーセミコンダクター ハブスポット サービスナウ アドバンスト
マイクロ・デバイセズ
10 TモバイルUS ルスクシェア・プレシジョン キーサイト・テクノロジーズ セルネックステレコム

 

THE 5Gの構成銘柄は48銘柄となっています。最新レポートでの構成上位銘柄の詳細は以下となります。。

 

銘柄 国名 業種 産業分野 構成比率 概要
1 マーベル・テクノロジー 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.34% 米国の半導体メーカー。通信基地局やデータセンター向けの半導体に強みを有する
2 ASMインターナショナル オランダ 情報技術 IoT機器・装置
関連
3.57% オランダの半導体製造装置メーカー。半導体ウエハー上に回路の素材となる膜を形成する成膜装置に強みを
有する。
3 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 米国 情報技術 通信インフラ関連 4.07% 米国の半導体メーカーで、CPU(演算処理半導体)やGPU(画像処理半導体)に強みを有する企業。
4 キーサイト・テクノロジーズ 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.73% 世界中の通信関連企業を顧客に持つ電子計測機器メーカー
5 サービスナウ 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.72% クラウドを通じて業務支援ソフトウェアを提供するプラットフォームに強みを有する。業務支援ソフトウェアの分野におけるグローバルリーダー。
6 ノキア フィンランド 情報技術 通信インフラ関連 3.38% 基地局などの通信インフラの敷設において中心的な役割を担う世界的な通信機器メーカー
7 ハブスポット 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.48% オンラインマーケティングに必要なソフトウェアを手掛ける。中小事業者向け製品に強みを有する。基地局などの通信インフラの敷設において中心的な役割を担う世界的な通信機器メーカー
8 TSMC 台湾 コミュニケーションサービス 通信サービス関連 3.46% 台湾の半導体受託製造専業企業
9 スターパワーセミコンダクター 中国 情報技術 通信インフラ関連 3.48% 中国の半導体メーカー。
 10 TモバイルUS 米国 情報技術 IoT機器 3.38% ワイヤレス通信プロバイダー。米国全国規模の携帯電話事業者の大手一角

 

 

手数料はアクティブ型投資信託の中でも高い水準

最初にお伝えしている通り、Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資をしているためニューバーガー・バーマン・グループへの手数料と三井住友アセットへの手数料が発生します。

つまり以下の通り手数料は非常に高い水準となります。

 

  • 購入手数料:3.3%(税込)
  • 信託手数料:年率1.188%(税込)

 

 

「THE 5G」の運用実績を紐解く

それでは肝心の「THE 5G」の運用実績についてお伝えしていきたいと思います。

コロナショック後に急速に基準価格を伸ばす

肝心な成績ですが、コロナショック後に2倍になりました。

しかし、2022年初頭の株式相場の下落でかなり利益を吐き出してしまっています。

 

The 5Gの基準価額の推移

 

データとしてみると以下となります。標準偏差というのは投資におけるリスク指標となっています。

1年 3年(年率)
トータルリターン -28.84% 6.78%
標準偏差 28.11 22.36
シャープレシオ -1.03 0.30

 

代表株価指数をアンダーパフォーム

以下はTHE 5Gと代表株価指数の比較です。一時はS&P500指数をアウトパフォームしてましたが、今や大きく下落して指数を下回っています。

青:The 5G
赤:ナスダック
緑:S&P500

 

THE 5GとS&P500指数とナスダック総合指数の比較

 

 

ハイバリュエーションと金利高で今後の見通しは厳しい

以下は最近1年間の動きです。

過去1年のTHE 5GとS&P500指数とナスダック総合指数の比較

 

直近1年間で見ると株価指数もろとも大きく下落しています。

これは今まで金融緩和により株価が上昇を続けたことで、各株式銘柄のバリュエーションが高くなっていることが要因です。

2021年後半から50年ぶりの強烈なインフレが発生し、インフレを抑え込むために米国の中央銀行は金融引締を行い金利を上昇させて対応しています。

 

グロース株は金利が上昇すると、将来の利益の割引現在が低くなるので企業価値が減少します。

結果的に株価が下落するということになります。気になる長期金利ですがインフレを抑え込むために勢いよく上昇した後に高止まりしています。

 

米国長期金利の推移

 

しかし、まだインフレは全く収まっていません。現状でも目標の2%に対して7%を超えたインフレが発生しています。

米国中央銀行のFRBのパウエル議長は2023年の利下げを否定しています。つまり、ずっと金利が高い水準で据え置かれるのです。

 

金利が高い水準で据え置かれると景気が失速して企業利益も下落していきます。

つまり今後も特に5Gのようなハイテク投信のリターンは地に沈むことが想定されます。

 

加えて円高も今後重しとなってくる

2022年は152円まで円安が進行したので基準価額の下落はまだ抑えられました。

これは日米の金利差が拡大したことに起因しています。

 

しかし、不景気の折り込みが進み米金利が下落したことでドル円は下落しています。

さらに2022年12月に日銀が政策を一部変更したことで日本側の金利上昇により日米金利差は大きく縮小しています。

結果としてドル円は152円から130円近辺まで押し戻されています。

 

この流れは継続します。2023年3月に控える日銀の総裁変更でさらに円高が進み、米景気後退で加速すれば100円に向かって下落していきます。

これまでクッションとなっていた円安のツケを払わされる局面にきているのです。

 

掲示板での口コミや評判

Yahoo 掲示板での口コミや評判は以下となります。下落しつづける基準価額に嫌気がさしているのが読み取れますね

 

口コミ①

こんなクソファンド、情弱しか買わないわ。投資のソムリエもクソファンドだが
これもまたクソファンドだわ

 

口コミ②

ここまで 下がり続けて 赤字になってしもうた
手放すタイミング 難しいもんやねー 欲 出しすぎた結果 自業自得

 

口コミ③

5Gは、もうオワコンか

 

まとめ

「THE 5G」について纏めたものは以下となります。

  • 5G関連の銘柄に投資
  • Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資している
  • 組入銘柄は米国のハイテク銘柄中心
  • 高いリターンを一時はだしたがナスダック総合指数に劣後
  • 継続金利高で大きく下落する可能性があり現時点での投資は危険

長期的に資産を形成するために適したファンドについて以下でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

最後に:資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

積み重ねる運用

 

 

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

上場小型ベンチャー株に力一杯、資金を投入。一か八か、株価の急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。

そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

 

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てなど、あなたの資産を減らしてしまう運用はやめましょう。「Classic」且つ「質実剛健」な資産運用を行なっていくべきです。

 

私も資産運用歴は既にかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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